人と繋がる魂は生きる目的を教えてくれる！

20代の半ばから20数年の間、アメリカに住んでいました。
「自分は日本の社会に合わない」
当初はそういう理由もあって渡米したのです。

英語もろくに話せなくて、右も左も分からなくて、経済的にも余裕が無かった僕が、生まれて初めて訪れた場所でそれだけ長い間暮らせていけたのは、沢山の人達の助けがあったからです。
仕事を紹介してくれたり、将来の事を心配して助けてくれたりして、僕の人生に大きな影響を与えてくれた人がいました。
すれ違うだけのような関係なのに、親身に声をかけてくれて励ましてくれた人もいました。

そういった沢山の人達の親切に出会う度に、少しずつ僕の中の何かが溶けて変わっていったように感じます。

渡米してしばらくして、バークレーサイキックインスティチュート（BPI）という全米でも有名な超能力開発学校に通うようになり、インターンとして直接クライアントの方々を透視するようになった時の事です。
明らかに本職のサイキックヒーラー（透視ヒーラー）と思われる男性の方が訪れてきて、ほんの10分くらいの短い時間でしたがオーラを透視させていただいたのです。
その時に見えた事や感じた事を、丁寧に言葉を選んで紡いで伝えると、その男性が突然、涙を流し出したのです。
目を瞑っていた僕にも、涙声を通して彼の心が動いたのが解りました。

「もしかしたら僕の言葉は本当の事じゃないかも知れないし、信じなくてもいいんだよ」
あまりにも涙を流すものだから、僕は心配してそう言いました。

「あなたの言葉が本当の事かどうかは考えても解らない。だけど、僕の魂がその言葉は真実だと感じて涙を流すんだよ。少なくとも僕の魂はあなたの言葉が本当だと解っている」
嗚咽交じりの彼の言葉は、僕の心に伝わり揺れ動かしました。

ほんのちょっとの言葉が、こんなにも人の心を動かして感動を与えるという事。そしてそれだけ影響を与える力がある言葉を、簡単な気持ちで出してはいけないという思いや責任感がズシンと重く感じました。

ほんの数分間という短い時間でしたが、僕の言葉を真剣に聞いてくれて、そして人の魂とこれだけ深く繋がったと感じたのは、アメリカに来て初めての事でした。というよりは、それが生まれて初めての経験でした。

思えば僕は「日本の社会が悪い。上司が悪い。みんなが悪い」というふうに、悪いのは全部誰かのせいにしていました。
人との間に壁を造って、極力人と深く繋がるのを避けて、社会と繋がるのを避けていました。そして自分の心の中にでさえ壁を造って、本当の自分の心を解らないようにしていたのです。

それまで自分の弱い部分を認められなくて、誰かのせいにして、自分の魂も理解出来ないようにして、いつの間にか「生きる目的、何のために生きるのか？」をも見失ってしまっていました。
生きる目的を見失って自分に何の価値も見出せなかった。