【日本は言霊の国】
私たち日本人は「言霊」といって言葉を大切にします。「言葉には力がある」という考えがあることから、縁起の悪い言葉を使わないようにしたりするというのは、古代から現代まで連綿と続けられている信仰といえるでしょう。
言葉に神秘性を見いだすというのは、日本だけに限らず、世界的に見られるものですが、言葉と数字に関連性を見いだし、さらにそこから神秘的なものを見いだしたのがユダヤ教。厳密にいうと、その神秘思想である「カバラ」です。
【神からの教えを伝えるカバラ】
カバラは現代にまで伝わっており、魔術や占い、スピリチュアルなど様々な分野に影響を与えていますが、元々は「神から伝授された智恵を伝えるもの」でした。そもそもが「口伝律法」といわれていたことからもわかるように、神秘的なものがメインではなく、神から伝えられた法を伝えることがメインだったわけです。
しかしながら、そこには様々な神秘が隠されています。その中でも興味深いのは悪魔の数字「666」で有名な「ゲマトリア」。こちらは、言「葉を数に変換することで、その本質を読み取るというもの」です。
【数字に変換できるヘブライ文字】
ユダヤ教で使われている文字は「ヘブライ文字」ですが、こちらは「22文字」から成り立っています。そういった意味ではちょっとアルファベットにも近いのですが、大文字小文字といった区別はありません。その特徴としては、「一文字に対して対応する数字」が決められていることがあげられます。
例えば、「ギメル」という文字ならば「3」、クォフなら「100」、タヴは「400」といった具合になっているのです。文字毎に数字が重なることはありませんが、単語の場合は、それぞれの数字を合算したものが、その単語自体の数字となりますので、同じ数字になることがあります。その場合は、それらの言葉は同じ性質を持っていると考えるのです。
【666が持つさまざまな意味】
ここで、前述の666について考えてみましょう。現在通説となっているものとして、クリスチャンに迫害を加えた「ローマ皇帝のネロが666である」というものがあります。これはネロ・カイサルをヘブライ文字で書いたものを合算すると666になるところから来ています。ただし、前述したように数字が示すものはひとつではないので、「堕落した中世カトリックが666」だという説も存在しています。
このような文字と数字を照応させて、そこから意味を見いだすのがゲマトリアであり、現在では「数秘術」として使われることが多くなっています。これは、アルファベットに数字を付与することで、その人の名前から、その人を示す数字を見つけ出すというものであり、ハリウッドスターにも信奉者が多く居ることで知られています。
【言葉と数字】
日本語は、文字数が多いだけでなく、表音文字ではないために、数秘術を使う場合はローマ字に変換する必要があるので、果たしてどれほどの意味合いがあるのかは定かではありませんが、数字というのは「古代から使われていたもの」であるだけに、そこになんらかのスピリチュアルな力が宿っていたとしても不思議ではないといえるでしょう。言葉と数字、あなたはどちらのほうにより魅力を感じますか?