チンピラおばさん
先日、ショッピングを楽しんでいたら大柄のスキンヘッドの男性と一緒に行動していた女性がレジで怒鳴り散らしていました。
店員さんの対応が優れていたために大事には至らなかったのが救いです。
その女性の外見は確かにチンピラ風でしたし腕に大きなタトゥーも入っていました。
「○○組をナメるなよ！」と叫んでいたので堅気の人ではないのかもしれません。
ただ、客観的に見ていると決して店員さんはそのお客さんをナメていたわけでもなければ、失礼な対応をしたわけではありません。
気の毒な男性
ちなみに、スキンヘッドの男性は怒った様子も無く状況を冷静に把握していたように感じました。
どちらかと言えば、突然つれの女性が大声でキレ始めたので、そちらに困惑しているようにも思えました。
「店員を立てれば妻（？）が余計キレるだろうし、妻（？）を立てれば自分もクレーマーだと思われてしまう。一体、俺はどうしたら良いんだ……」
もしかすると、そんな心境だったのかもしれません。
なんだか、その大柄の強そうな男性がとても気の毒に見えて来ました。
しばらく暴言を吐いていてからその夫婦（？）はいなくなりました。
とりあえず一安心と思っていたら、今度はなんと！ サービスカウンターで何やら言っているみたいでした。
恐らく、女性の腹の虫が収まらず、自分の想いをサービスカウンターにぶつけていたのでしょう。
もちろんその時もスキンヘッドの男性は終始無言でした。
「妻（？）の暴走はもはや止める事は出来ない……。出来ればこれ以上、事を荒立てないで欲しいというのが本音だが少しでも余計な事を言ったら事態は何倍も悪化してしまう……。ここはお店には申し訳ないが、妻の怒りを出し切るまで耐えて貰うしかない……」
スキンヘッドの男性から、そんな心の声が聞こえて来た気がしました。
「ここは男らしく、奥さん（？）を一喝して事態を何とかしてよ……」という気もしましたが、それはそれで男女差別な気もしますし、最近では本当に女性が凶暴化しているのもあながち嘘ではなさそうに思えるので、何とも複雑な気持ちになりました。
イライラするのは分かるけど……
一昔前なら、短気な男性が空気を読まず、直ぐに機嫌を損ねて当たり構わず怒鳴り散らして、女性が「まぁまぁ、あなた、落ち着いて……」となだめていたような気がしますが、いつの間にか時代は本当に変わってしまったようですね。
今では女性は男性がキレていると「頭悪いんじゃない？」と冷ややかに笑ったりしますよね。
一方男性は女性がキレていると「もう止められない……」と自分の思考まで止めてしまっている気がします。
ただ性差はさておき、イライラというのは決して悪いことではありません。
怒りの感情というのは理由があって発生するのです。
理由が無いのにイライラしている人は心では無く身体に問題があるかもしれません。
状況を見て信頼できる病院に診察に行ってみるのも良いかもしれません。
問題なのは怒ることではありません。
怒りの原因を曖昧にしたまま感情を剥き出しにしてキレたり暴れたりすることが問題なのです。
よく小さい子はお腹がすくと機嫌が悪くなりますよね。
ただ自分の思いを言語化できないと、その感情だけが爆発してしまうのです。
誰かに自分の不快な状況を察して貰って解決して欲しいからです。
海外ドラマじゃあるまいし説明もなしに「わかるでしょ？」的なアプローチをされても困ってしまうわけです。
もっとも小さな子供の場合は言語でコミュニケーションを取るのが難しいので、ある程度は察してあげないと可哀想なので「なんなのよ！ ハッキリ言いなさい！」と逆ギレされても子供も困ってしまいますが……。
目を向けるのは怒りの矛先では無く原因です！
もっともらしくあれこれ文句を言いながらキレている人もいますが、残念ながらどんなに話を真剣に聞いても、結局のところ何故キレているのかわからないこともありますよね。
キレられている側が「もしかして、私が悪いことをしちゃったのかな。だとしたら、素直にそれを認めて謝ろう。改善できることであれば改善しよう……」と思っても、本音を言えば何をキレられているのかわからなければ、どんなにキレられても謝罪しようがありませんし、反省のしようもありません。
罪悪感が無い人の場合はまた別の問題ですよ。
だとすると、キレる側の人もキレる意味がなくなってしまいます。
だって、どんなにキレても相手に真意が通じなかったら余計に腹が立ちますものね。
一番厄介なのは本人もわからない理由で怒りをぶちまけていることです。
これは迷惑極まりません。
まさに人災です。
ご機嫌斜めだからと、至る所で怒りを爆発していたら人にも迷惑をかけますし、当然嫌われます。
そのうちキレる相手もいなくなって本当に孤独になってしまいます。
『嫌われる勇気』どころの騒ぎでは無く、自分自身が『嫌われる元凶』になってしまいます。
