Trinity読者の皆さま、こんにちは。アーユルヴェーダ研究家の遠田優美です。
本連載では、アーユルヴェーダの精神浄化法「サッドヴリッダ」をご紹介しております。
サッドヴリッダは、どなたにも簡単に始めていただける「健康な精神作りのための日常生活法」であり、平和で穏やかな心を育むことを目的としています。
私たちの会話は、相手を思いやる言葉から始まります。
健康な精神作りのために、『自分のほうから先に挨拶して、相手にやさしく話しかけましょう』とサッドヴリッダは説きます。
日本には、挨拶の言葉がたくさんありますね。
「おはようございます」
「こんにちは」
「こんばんは」
「おやすみなさい」
これらの言葉の由来は(諸説あるようですが)、
「お早くから、(お仕事)ご苦労様です」
「今日は、ごきげんいかがでしょうか」
「今晩は、冷えますね」
「ゆっくりお休みになってくださいね」
といった、相手への労わりの言葉が由来だと聞きました。
私たちの会話は、相手を思いやる言葉から始まるのです。
ですから、その言葉の意味するとおり、人と会ったら、相手の顔を見て、やさしい表情や声で、こちらから挨拶をして話しかけましょう。
やさしい言葉が作るやさしい心
やさしい声や言葉で話しかけると、その声は相手の耳にも届きますが、話しかけた本人が一番近くで、その言葉を聞くことになります。
毎回、自分が発する言葉は、毎回、自分が聞くことになります。ですから、自分の発する言葉の影響を最も受けるのは、自分自身なのです。
イライラした声で悪口を言えば、その攻撃を最も受けるのは自分ですし、
やさしい声で労わりの言葉を言えば、その思いやりを最も受けるのは自分です。
乱暴な言葉を言い続ければ、乱暴な心が育ちます。
傷つける言葉を言い続ければ、自分が傷つきます。
やさしく素直な言葉を言い続ければ、やさしく素直な心が育ちます。
愛する言葉を言い続ければ、自分が愛されます。
自分からする挨拶は、信頼と自信につながります。
例えば……
今日は、中途採用で就職がきまった会社に初出勤の日、だと想像してみてください。
すでに出来上がってる人間関係の中に飛び込んで、慣れない職場で、新しい仕事を覚えなくてはなりません。特に初日は緊張しますね。
そんなとき、新しい職場の仲間から、
「おはようございます!今日からよろしくお願いしますね。」
と、笑顔でやさしく声をかけてもらえたら、緊張がほどけて、ほっとしますよね。
逆もまた然りです、職場では「これからうまくやっていけるかしら?」とドキドキしながらあなたを待っています。
そんなとき、あなたのほうから、
「おはようございます!今日からどうぞよろしくお願いいたします。」
と、相手の顔を見て明るく挨拶したら、みんな安心することでしょう。
ときに、自分のほうから挨拶をすることは、勇気がいることかもしれません。
ですが、やさしい表情や声で挨拶をされたら、自分はどんな気分か想像してみてください。
ほんの少し勇気を出して、自分のほうから、相手の顔を見て、明るい声で挨拶をすることで、信頼関係を築くことができ、自信をもって社会生活を送ることができるようになるでしょう。
人生の幸福を味わう
思いやりの気持ちや、自分への信頼感があると、心は平和になり、ストレスに強くなり、身体のバランスも整えやすくなります。
心身のバランスが整うことで、毎日の生活の充足感が増します。
現代社会で注目されている「QOL(=Quality of Life)」、つまり生活全般からみた人生の幸福度の向上に、本質的にアプローチできるのがサッドヴリッダだと思います。
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