牛の体内で作られるパワーストーン『牛黄』

基本的にパワーストーンとして使われるよりも、薬効が高いために漢方薬として消費されることの多い牛黄ですが、強い魔除けのパワーが秘められているアイテムでもありますので、どこかで見かけることがあったら、手に取ってその力を感じてみて下さい。

【パワーストーンは無数に存在する】

世界には様々なパワーストーンが存在しています。その数はまさに「無数」といえるほどであり、鉱石だけでなく、天然の樹脂や鉱石に金属を蒸着させた人工的なもの、さらには「生物が産み出すもの」まであります。生物が産み出すパワーストーンといえば、貝が体内に抱える「真珠」が有名ですが、私たちにとって非常に身近な動物である「牛」も「体内にパワーストーンを宿すことがある」ということをご存じでしょうか?

 

【味のするパワーストーン】

そのパワーストーンは「牛黄(ごおう)」と呼ばれています。大きさは1cm〜4cm程度で、歪んだ円形であり、形としてはどこにでもある小石のように見えますが、その表面は赤みがかっており、割ると中には木の年輪のように層があります。ちなみに、一般的なパワーストーンと異なり、「口に含むと苦みを感じる」という特徴があります。

 

【薬でもあった牛黄】

この特徴はすなわち「牛黄が服用できる」ということになります。パワーストーンでありながら、実際に「身体を癒すための力も秘められている」のです。その効果は多岐にわたり「血圧降下」「解熱」「鎮痛鎮静」「強心」「抗炎症」などがあげられています。有名な強心薬である「救心」にも牛黄は含有されているほどです。現代でも使われていることからもわかるように、「その効果は高く」、漢方では「万能薬」「高貴薬」などと呼び、非常に「高価で貴重なもの」でした。

 

【古代から使われていた牛黄に秘められた魔除けの力】

そんな牛黄ですが『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』という薬物書に「命を養う薬」として登場します。この書物は今から「1500年以上前」に書かれたもので、漢方のバイブルともいえるものですが、牛黄が薬として使われるようになったのは、牛を人間が家畜化した「紀元前」からだったのではないかという説もあります。

もちろん、パワーストーンとして「スピリチュアルな効果もある」とされています。前述した『神農本草経』には、高熱や精神異常の治療に使えるという肉体的な面だけでなく、「邪気をとりのぞき、死者の祟りを祓う力がある」とされています。このようなネガティブなエネルギーに対する効果が知られていたのか、お札を書くときに「墨に混ぜ込む」ことも行われていました。そうして書かれたお札は「牛王宝印(ごおうほういん)」や「牛王」などと呼ばれ、無病息災をもたらし、邪気を祓うとても効力のあるものとされて珍重されたのです。

(出典・ウィキペディアより)

(出典・ウィキペディアより)

 

【あの名作にも登場していた牛黄】

ちなみに西洋では牛黄は「bezoar(ベアゾール)」と呼ばれています。こちらは、「毒を除く」という意味です。世界的なベストセラーである『ハリー・ポッターと謎のプリンス』では、主人公のハリーが毒を盛られた友達を助けるために、ベアゾールを飲ませて解毒するというシーンがあります。

(出典・ウィキペディアより)

(出典・ウィキペディアより)

 

【牛黄の正体は?】

とても強力なパワーストーンである牛黄ですが、牛の体内で生成されるというのは、どういうことかわかるでしょうか? こちらは人間でいうところの「結石」です。牛黄はその中でも胆のうで作られるために「胆石」とも呼ばれます。人間にとっての結石と同じように、基本的には病気なのですが、胆石をもった牛というのはとても少なく、見つかる確率は「約1000分の1」であり、その希少性があるからこそ高価で貴重なものなのです。

牛だけでなく、反芻をする動物である羊や山羊などにも胆石は出来ますが、特に薬効があるとして重要視されるのは牛のものとなっています。しかしながら、海外ではベアゾールならば、どれもが解毒効果と魔除けの力があると考えられていますので、エネルギー的な観点では、「動物の体内で生成される」というところにポイントがあるのかもしれません。

基本的にパワーストーンとして使われるよりも、薬効が高いために漢方薬として消費されることの多い牛黄ですが、強い魔除けのパワーが秘められているアイテムでもありますので、どこかで見かけることがあったら、手に取ってその力を感じてみて下さい。

 

【参考サイト】
プロフェッショナルとして生薬のはなし 牛黄(ゴオウ)(救心)
http://www.kyushin.co.jp/herb/herb03.html

Cattle procreation Power Stone.
Medicine talisman.

 

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