ライフスタイルデザイナー高橋克彰の“ウェルネスのセンスを磨く” PART.33~トクホで健康になれるのか?

「健康保健用食品」トクホの2つの問題を今回取り上げてみます
ライフスタイルデザイナー高橋克彰の“ウェルネスのセンスを磨く” PART.33~トクホで健康になれるのか?

トクホ飲料飲んでる?

前回ノンカロリー飲料についてお話をしましたが、これと絡みやすいのが「トクホ」。みなさんトクホは知ってますよね?健康に気をつかってトクホ飲料やトクホ食品を摂っている人は多いと思います。普通のウーロン茶とトクホのウーロン茶があったら、どっちを選びます?ほとんどの人がトクホのウーロン茶ですよね。ぼくもトクホの方を選んでしまいます。しかし、これがまたクセ者なんですよ・・・。ぼくが感じているトクホの2つの問題を今回取り上げてみます。

トクホはすべてに対して健康ではない!

トクホは「特定保健用食品」の略で、その名のとおり、「特定の保健の目的が期待できることを表示した食品」です。
そう。特定の保健の目的に対してなのです。
ここをしっかり押さえておいてください。

トクホは日常我々が食べたり飲んだりしている加工食品に、特定の保健の目的、たとえば、「骨の健康維持」だったり、「食後の血中中性脂肪の上昇を緩やかにする」だったり、「血糖値の上昇を緩やかにする」など、ある特定の目的に対して有効性と安全性が立証されている成分を入れているものです。
なので、ある特定の保健の目的に対しては有効だけど、それ以外は関係ないということです。
多くの人が勘違いしているのはここです。
トクホは人の身体すべてに健康なのではなく、特定の一部に対してなのです

コーラやマーガリンがトクホ?

この非常にマズいと思われる例が「トクホコーラ」や「トクホマーガリン」。
トクホコーラは食後の脂肪の吸収を抑える「難消化性デキストリン」を入れています。
これ発売されたとき、すごいな!とぼくも思いました。
だって、コーラが健康に良い飲み物だと思っている人はまずいないと思います。おそらく不健康飲料の代表格でしょう。
ところがトクホ認定をもらったことによって、健康な飲み物に180度イメージを変えてしまったわけです。商売の発想としてはすごいですよね!
しかし、よーく考えてみてください。
しょせんはコーラなんですよ。人工甘味料入りの。(人工甘味料については前回の記事を読んでください)
人工的な化学物質だけで作られた飲み物に、ある特定の保健に対して有効な成分が入っているだけのものです。普通のコーラに比べたらそりゃあ良いとは思いますが、やっぱりコーラなんです。
トクホマーガリン(厳密にはファットスプレッドですが、ここでは一般名称としてマーガリンと呼んでいます)もそうですね。マーガリンについてはみなさんもご存知トランス脂肪酸の問題ですね。今や不健康な商品ともされるマーガリンに、体脂肪をつきにくくする「中鎖脂肪酸」を添加することによってコーラと同じように健康な食品に生まれ変わるわけです。でもやっぱりものはマーガリンなんです。

トクホが免罪符に・・・

ぼくが仕事をしている会社には自販機があってトクホの飲み物が何種類もあります。
ランチの時にかなり多くの人がトクホ飲料を飲んでいます。
しかし食べている食事をみると、圧倒的に動物性食品と炭水化物まみれだったりします。
ぼくが最も懸念しているのはここなんです。
「好きな食べ物を好き放題食べているけど、トクホでマイナス分を少しチャラにしよう」と、トクホ飲料がある種の免罪符のように使われ、間違った安心感を消費者に与えてしまっていることです。
上でも説明しましたが、トクホは特定の保健にしか有効ではないので、たとえばお肉をたんまり食べて、「難消化性デキストリン」の入ったトクホ飲料を飲んだとしても、食後の血中中性脂肪の上昇をすべてがすべて抑えてくれるわけではないですし、動物性タンパクの問題や腸内細菌のバランスの崩れなど、中性脂肪以外の問題には無意味です。
どんなに素晴らしいトクホ食品を摂ったとしても、炭水化物や動物性食品や加工食品ばかり食べていたら、健康に良いわけがないんです。

もう一度繰り返しますが、トクホは特定の保健に対して有効性がある成分を入れた食品です。
決してパーフェクトなヘルシー食品ではありませんし、暴飲暴食をチャラにしてくれる免罪符でもありません。
今摂ろうとしているトクホ食品やトクホ飲料は、トクホの成分以外はどんな原材料によって作られているのか、もう一度見直してみてください。
そして細かい一部の成分だけにとらわれず、大局的に見て判断してください。
トクホはある部分においてはありがたいものです。しかしやはり健康のもっともたる基本は、野菜・果物・穀物・魚などを主体とした栄養バランスの取れた食事、そして睡眠と運動であることを忘れないでください。