医食同源 ~ウメボシトイウナノクスリ~

寒い季節になりました。この季節になると、空気の乾燥などの影響で風邪をひいたり、喉を痛めやすかったりしますよね。もしかするとゲホゲホと咳が止まらなかったり、ズキズキと頭痛が治まらなかったりして、いつまでも風邪の症状を引きずっているという方もいらっしゃるかもしれません。

これから、ますます冷え込んできますので、体調管理には十分気をつけたいものですね。風邪薬が欠かせないという方もいらっしゃるかもしれませんね。ちなみに私は予防の意味も込めてのど飴を持ち歩いています。それはそうと、できれば規則正しい生活を心がけ、免疫力をアップさせる事で自己治癒力の高い丈夫な身体にしたいものです。

先ほどチラっと風邪薬の話をしましたが、薬は薬でも薬局ではなく、身近にある薬事法にも触れない、とっても便利な薬ってご存知でしょうか。え?そんなものが本当にあるのかって?あるのです!

それは、ズバリ『食べ物』です!

医食同源とは—–

「医食同源」という言葉があります。文字通り、病気の治療も、毎日の食事も、命を養うことに変わりはないという意味です。

つまり、健康とは本来、人工的に作られた薬品ではなく、必要な栄養素などは既に日常生活の中に揃っていると言う事です。(もちろん例外な国や地域もありますが…。)

基本的には全ての食べ物を薬と同じようなものと捉えても良いと思いますが、添加物や人工保存料、甘味料などがたくさん使われている食べ物(加工品など)は、どちらかと言えば毒なのでオススメはできません。

日本は特に様々な食べ物が手に入りますが、昔からある薬効の高くて美味しい食べ物と言えば梅干しなどが浮かんでくるかもしれません。

梅干し——

梅といえば梅干し、梅干と言えば、最近はあまり見かける事もなくなりましたが「日の丸弁当」が頭に浮かぶ方が多いと思います。

おかずのあるお弁当でも、白いご飯の上に梅干がちょこんと乗せられていますよね。でも、梅干ってご飯の上だけではなく、お肉やお魚の味付け、サラダのドレッシング、お茶やキャンディ、和菓子など、様々な食べ物に使われていますよね。それだけ梅干は日本人にとって馴染みが深く、広く愛されている食べ物といえるでしょう。

でも、梅干しって、とっても酸っぱいですよね。中には甘い梅干もありますが、イメージ的には酸っぱいというイメージが強いですよね。子供の頃、梅味のキャンディなら食べられるけど、ご飯の上に乗っている梅干は苦手だったという方も中にはいらっしゃるかもしれません。

この酸っぱさの正体は、梅干に含まれているクエン酸やリンゴ酸などといった有機酸です。有機酸は疲労回復、食欲増進、カルシウム吸収促進、整腸作用、殺菌作用などに効果的だと言われています。有機酸以外の他の成分にも様々な薬効成分があり、鎮咳(ちんがい)、解熱、利尿、発汗、解毒、精神安定などにも効果的です。食べ物と言うと身体面のみの影響をイメージしがちですが、決してそうではないのです。心にも大きく影響を与えてくれるのです。

風邪をひいた時や胃腸の調子が悪い時、夏バテ解消などの際に食べたり、食べ物が痛みやすい梅雨の時期や夏などにお弁当やおにぎりの中に入れたりすることで腐りにくくなるなど、梅干はオールマイティな活躍をしてきました。

少し脱線しますが、最近では、炒飯やカレー味、ソーセージ、ツナなど色々な種類のおにぎりも定着してきたようです。しかし、従来のおにぎりは何故それほど種類が少なかったのかと言うと、ちゃんと理由があるのです。それは梅干し以外のおにぎりにすると、防腐効果が無いので、すぐに腐ってしまうのです。おにぎりは、携帯食ですので、持ち運んで出先で食べる事が多いです。自宅ですぐに食べるのであればオムライス味でも何でも良いのかもしれませんが、それだと時間が経過すると直ぐに痛んでしまいます。市販で売っている既製品のおにぎりは人工的な保存料が使用されているので腐りにくいのです。昔は人工的な保存料などありませんでしたので天然の保存料である梅干しが重宝されて来たのです。

梅干し緑茶もオススメです。食事の前に飲むと効果的なので、習慣にすると健康にも良いですよ。

今回は梅干しをプッシュしましたが、もちろん他の食材にも様々な効用があります。特に天然素材を使用した料理は本当に私たちを健康に導いてくれます。

薬と毒って実は同じです。プラスの効果があるものを私たちは薬と呼び、マイナスの効果がある物を毒と呼んでいます。先ほどから食べ物は薬だと言っていますが、これもまた薬と同じで、良い物を食べるからこそ薬になるのであり、添加物まみれの不健康な食べ物ばかり食べていると、これは毒になるのです。

体調を崩したら病院に行く事も大切ですが、それよりも病院に行かなくて済むように、日々の食生活を見直してみるのも良いかもしれません。