エンジェル・セラピスト®夫婦のスピリチュアル子育てPART.43~人生の優先順位を教えてくれる娘(潤治編)

父親としての自覚と夫婦関係の変化

パートナーの寛子は、産後の生活のイメージをきちんとしていたようですが、僕はあまりできていませんでした。女性はマタニティ期に日に日に変わっていく心身に、母親としての自覚や覚悟ができていくようですが、僕の覚悟はどことなく上滑りなものだったように、顧みると思います。

産後、愕然としたことがあります。
時間の使い方が今までとは全く違うということです。

常に娘中心であり、娘のご機嫌や睡眠のリズム、排泄、食欲に僕たちのスケジュールは合わせるしかありませんでした。振り回されるという気持ちも否めませんでした。

いつ仕事ができるのだろうか?
母親である寛子はもちろん、僕自身も感じていました。

ある一定の時間内に集中するという機会が、ほとんど無くなってしまいました。
前回の寛子の記事「エンジェル・セラピスト®夫婦のスピリチュアル子育て PART.42~ママの一番の協力者」にもありましたが、ある程度固まった文章を書くために、娘に協力をお願いすることになります。

思う存分仕事がしたいと思う反面、仕事への姿勢を変える時なのかもしれないと直感的に感じることもしばしばありました。
ストレスを感じるとしたら、新しい挑戦をする時だからです。

家族の中で生まれた新しい価値観

それから彼女のリズムになるべく合わせるように、夫婦で向き合うことも増えました。
どうしたら、「家族」を穏やかに運営できるのかという視点は、娘がいるおかげで真剣に考えることになったのでした。

穏やかに暮らすということがどういうことなのかを、娘のリズムに合わせているうちに理解できるようになっていきました。人生が新しいステージに変わったので、新しい価値観で生きることにしたのです。

 いつでも仕事を中断して娘の要求に応える
 娘の好奇心に応えられるように自分の気力の充実を常に考える
 自分の身体は自分だけのものではないと肝に命じる
 自分の感情に家族の一員として責任を持つ
 家事は外注できるが、家族の運営は自分たちにしかできないということ

何より大切にするものは、家族としてベストの選択をすり合わせしながらしていくことでした。それが普遍的な価値です。

 この働き方で家族は幸せだろうか
 家族を思ってしようとしていることが本当に家族のためだろうか
 自分の何か補償行為のためにやっているのではないだろうか
 家族を言い訳や責任転嫁に使っていないだろうか

常に自分の動機をチェックする機会があり、足を止めて考えるきっかけは娘の存在です。
妻であり、ビジネスパートナーの寛子との協働関係はより複雑になりました。
しかし、それはより深く相手を理解しようとする意識と実践を生み出してくれたように思います。

仕事で、ある企画が立ち上がります。
その時に家族としてどう取り組むかを考えることになります。

不思議なことに、そうして考えたものはとても好評で、予期しない祝福までまるでご褒美のようについてきます。仕事の内容や結果よりもその仕事と向きあう過程にすでに用意されているものがあるようでした。

まず、はじめに、どう家族が穏やかでいられるかを考えることが結果的にすべての調和を生み出すと感じます。

目の前にある損得、比較、批評、射幸心を煽るような情報、虚栄心をくすぐる立場、自己顕示欲を満たしそうな機会、達成感に継ぐ達成感……。

それが目的ではないことはわかっていますが、それを目的にしている自分がいることに気づくこともあります。世の中には集団催眠電波でも流れているかのようです。

世間で神話的にイメージされた「大切なもの」は僕たちを惑わすことがありますが、娘の存在はいつでもそれを払拭し、本当に大切なものを目の前に差し出してくれるのでした。

「パパ、ストレスを感じるなら、新しい挑戦をする時だよ」
「パパ、比較せずに自分だけの道を歩いてね」
「パパが本当に大切にしたかったものは何?」

いつもいつまでも問いをくれる娘、小葉なのでした。