スピリチュアル体験を通して始めたカンボジア支援活動PART.17~カンボジア伝統の草木染とは

スピリチュアル体験を通して始めたカンボジア支援活動PART.17~カンボジア伝統の草木染とは

カンボジアの伝統的草木染

カンボジアはかつて9世紀から15世紀まで東南アジアに存在していたクメール王朝という王国でした。その範囲は広く、現在のタイ東北部、ラオス、およびベトナムのそれぞれの一部をも領有していました。そのため、古代から伝わっている手織りシルクの草木染と織りは、これらの国と共通することがあります。

まず、その地域の野蚕(ヤサン)の蚕の特徴は黄金色の糸をつくることです。
それを地域の森から採取した草木で染めました。13世紀には養蚕も行われていたようです。カンボジアのシルクの織物の特徴は、絣(かすり)の技術を用いたピダンと呼ばれる絵絣と、「サンポット・ホ-ル」と呼ばれる綾織による緯(よこいと)絣の腰布があります。

ピダンは壁に掛ける物で、寺を中心に天女や象、ナ-ガ(蛇)など、宗教的意味合いを持たせたモチ-フの多い、カンボジアを代表する絣です。「サンポット・ホ-ル」のモチ-フは、200以上あると言われていますが、それらはすべて織手の記憶の中にあり、記録されてはいません。20年続いた内戦の戦乱のなかで、それらの高度な伝統の技術を受け継ぐ織手たちが激減し、残された人達も高齢になってきているのが現状です。

内戦が残した深い傷跡

1970年から始まった内戦は20年間にも及ぶもので、およそ100万人の人民が殺害されました。カンボジア共産党の書記長ポル・ポトは、インテリ階級を極度に恐れ、弾圧しました。プノンペンは飢餓と疾病、農村への強制移住によってゴーストシティとなり、医者や教師を含む知識階級は見つかれば「再教育」という名目で呼び出され、殺害されました

始めは医師や教師、技術者を優遇するという触れ込みで自己申告させ、どこかへ連れ去ったのです。やがて連れ去られた者がまったく帰ってこないことが知られるようになり、事情を察知した教育を受けた者は無学文盲を装って難を逃れようとしましたが、眼鏡をかけている者、文字を読もうとした者など、少しでも学識がありそうな人は片っ端から収容所に送られ、殺害されました。また、無垢で知識が浅い子供が重用され、解放直後は14歳以下が国民の85%も占めていたそうです。この虐殺によって、現在は60才代~40才代までの年代の人民がいなくなっています。

カンボジアの草木染め復活への長い道のり

私たちが支援しているプルックルンテ村の村人たちは貧しく、農業をするかたわら、昔、絹織物を織っていたという記憶を辿って手織り物をしながら生活しています。

しかし、カンボジアの絹織物を見たことも触ったこともないため、どんな布をつくっていいか分からない手探り状態で、彼らの手に入る安価な材料を使ってなんとかつくっていました。そうしてできた物は、日本では到底売り物にならない風合いのものばかりでした。そこで私たちは5年間の支援活動を行い、彼らが織った織物で服や小物をつくって、皆さんにご協力いただき、寄付を募り、その寄付金で良い材料や道具を彼らに提供させていただいています。

また、カンボジア王族のシソワット・カンタレス妃殿下を通じ、彼らと直接コミュニケーションを続けてきました。そのなかで、水道もトイレもない環境でシルクを織ることは大変な労働を必要し、まずはその環境を変えなければならないということがわかりました。そこで、私たちの支援している家族の家に貯水槽の建設を実施し、トイレも設置されました。

品質改善については、日本にいて、世界でも最高級レベルの完成されたシルク製品しか見たことのない私たちには、最初のうちは何が必要なのか、皆目見当がつきませんでした。そこで、シルク村をつくった先駆者、森本喜久男氏の元に訪問して絹織物をつくる環境を体験させていただきました。

伝統の絹織物をつくるには、良い土・水・草木のある環境が不可欠であることを教わりました。プルックルンテ村の人たちもそこで研修させていただき、たくさんの技術や知識を学ぶことができました。

しかし、問題はまだまだあります。技術は一長一短で身につくものではありませんし、文化の違いがあるので、わたしたちとコミュニケーションがうまく伝わらないこともしばしば起こります。

7月には、海外研修事業のために再び村を訪れます。この海外事業には、一緒にボランティアを体験したい方や、カンボジア支援にご興味のある方も協働参加していただけます。ご興味のある方は、5月末までにご連絡下さい。なお、旅行シーズンのため航空チケットが、高くなっていますので、お早めにご連絡下さい。
皆さんと協働できることは、カンボジアの人たちにとって大きな励みになるのです。

【お問い合わせ】
contact@shientokyo.org
件名:「7月海外研修事業について」と明記して下さい。
内容:氏名・メールアドレス・電話番号・住所をお書き添え下さい。