命が続くということは
女性の方が理解している
編集部(以下編):トリニティの読者は30~50代の女性ですが、その年代の女性たちが、生命エネルギーを高い境地にもっていくために、今からできることは何ですか。
帯津先生(以下帯):どんなに若くても、人はいつか必ず死ぬものですから、死を視野の外へ追いやらないで、意識のどこかに留めておくというのが大事だと思うんです。
編:女性だと特に見た目を気にするし、美しくありたいと思って、それこそアンチエイジングは永遠のテーマです。
帯:女性のほうが癒し系だからね、“命が続く”ということは、男性よりもよく分かっているんだよね。
私はいつも思うことがあって、たとえば中老年の女性が10人くらいでたむろして、デパートの食堂にいるとうるさくてしょうがない。皆、着飾って塗りたくってね。
美しさってね、中身が盛り上がって、命が溢れ出ると本当にキレイなんですよ。それに気づいてもらいたい。
たとえば、太極拳も形じゃなくて、命を溢れ出させればいいんです。命が溢れ出ている太極拳は、見る人を感動させるんですよ。女性の美しさも同じ。生命エネルギーが溢れ出れば色気になるのです。色気は最高ですよ。
写真:帯津三敬病院内で行われる養生塾では、帯津先生の気功教室が行われる。
若さと色気はイコールではない
ときめきと感動が色気をつくる
編:若いからいいとかではなく、50代、60代、何歳になっても、色気は出せるものですか。
帯:30代の色気、40代の色気、50代の色気というのが皆にあるのです。それを達成してもらえればいいわけですよね。
編:達成したいですね。どのようにしたら良いでしょうか。
帯:いつも自分を向上させておいて、時に応じて感動すればいいんです。するとダーッて出てくるの。だから、ときめきと感動というのは似たようなところあって、ピッタリじゃないかもしれないけれど大事だと思う。人生において、時々感動する、時々ときめくというのはね。
編:たとえば異性に対するときめき以外に、楽しい、美味しいといったこともときめきでしょうか。
帯:そう。異性も大きい要素だけど、異性だけじゃないですよ。詩人の加島祥造さんは、ときめきについて「なんつったってお前、女だよ」なんて言ってたけどね(笑)。でも、もちろんそれだけじゃないですよ。
~了~
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<プロフィール>
帯津良一先生
帯津三敬病院 名誉院長。1936年生まれ。東京大学医学部卒。ホリスティック医学を実践するがん診療の第一人者。日本ホリスティック医学協会会長。
取材協力:帯津三敬病院 http://www.obitsusankei.or.jp/
帯津先生のインタビューが掲載されている本誌TRINITY vol.49はコチラ
Photo: Kazuki Maeda