人は変化を恐れる生き物だ~……と書くと、変化を恐れるのが悪みたいに思われる~

変化

人は変化を恐れる生き物だ。

もしかしたら、それは人間だけではないかもしれません。変化を恐れることを嫌がる傾向の話です。今更ですが、人って変化を嫌う傾向があるのをご存じですか。知っている人はスルーで大丈夫です。知らない方は、「へぇ」くらいに思ってください。厳密には変化そのものを嫌っているのではないんです。予測できないリスクがイヤなんです。ものすごく脅威が降りかかってきたとき、どうして良いかわからなくなるじゃないですか。

最悪、その場で人生が終わってしまう可能性だってあるんです。どう対処して良いかわからないので、不安は強くなって当然です。「矢でも鉄砲でも持ってこい」という人が実際にいたら、自暴自棄になっているか、または予測不能でもなんでもなくて事前に危険を察知していて密かに、対処できる術を持っていた、というパターンかもしれません。

つらくても耐えます。

たとえば、いじめにあっていても、耐えてしまう人っていますよね。これって、いじめを受け入れているわけではないんですよ。いじめにあっているなら、相談すればいいじゃないかって思うかもしれません。僕も、きっと、いじめられている人がいたら、そういうと思います。でも、もし、相談した人が「そうなんだぁ」とか「うんうん、わかるよ」と言って切なそうな顔をして終わりだったら、どうでしょう。もしかしたら、いじめそのものより、その軽薄さや無情さに失望してしまいそうです。

「やられたらやり返せ」とか「逃げればいいじゃん」とか言われても困りますよね。それができる状況なら既にやっていますよね。「それができれば、すでにやってるよ」と言い返してしまうと、その人たちまで敵になってしまうパターンだって少なくないと思います。「なんだよ、せっかく助言してあげたのに……」って。そうすると、味方が増えるどころか敵が増えてしまうんですね。怖いんです。という、わかのわからない事態になってしまうリスクを取ってまで変化を起こそうとするよりも、現状維持の方がマシだ。まだ、生きている。そう思うと、耐えてしまうんですよ。

でも、耐え続けられるはずもなく、傷ついていくだけなんです。悪循環を断ち切りたければ変化を恐れず突き進めと言いますが、実はそんなに簡単なことではなかったりもします。社畜もそうですよ。無職になる恐怖。次の仕事が見つからない恐怖。今よりブラックだったらどうしようという不安。それだったら、現状維持の方が良いと思ってしまう気持ち、わからなくもありません。

卑屈なわけじゃない。

「そんなふうに考えるのは、卑屈だからですよ。先の事なんてわからないんだから、1%でも可能性があるなら賭けてみるべきですよ」と言いたくなる人もいるかもしれません。その気持ちもわかりますが、相手を選んで、その発言をした方が良いかもしれません。「カレー味のう〇こと、う〇こ味のカレー、どっちか選ばなきゃいけないとしたらどっち?」という質問のように、どっちもイヤに決まってるんです。カレー味のう〇こを食べさせられ続けた人がいるとして、「う〇こ味のカレーの方がよくない? 一応、カレーだよ? 試してみなよ?」って言われても、嬉しくもなんともないんですよ。

欲しいのは、第三の選択肢なんです。苦しまなくていい選択肢なんです。「普通のカレーをあげるよ」っていう人が現れれば別ですが、そうじゃなきゃ、どっちに転んでも苦しいだけなので、敢えて変化は選ばないと思います。何の救いにもならないような希望はいらない。もう、どうしていいかわからない。人って、追い詰められるとそういう心境になるんだということを、この記事を読んで下さったあなたには覚えていて欲しいです。「じゃあ、仕方ないね……」って話ではないですよ。ただ、良かれと思って言った助言が、時に相手を更なる地獄に突き落としてしまう可能性もあるということを知っていて欲しいんです。

ゆでガエル理論

あなたは『ゆでガエル理論』という言葉を聞いたことがありますか。難しい話じゃなくて寓話です。カエルは熱湯に入れると、ビックリして、すぐに飛び出してしまいます。でも、ぬるま湯に入ったカエルのお湯を徐々に熱くしていくと、逃げ出すタイミングがわからなくなっていて、気が付いたらあの世行きになっていた、という話です。

これ、メタファーなのでまに受けないでくださいね。熱湯にカエルを入れたらあの世に瞬間移動します。当たり前ですよね。一方、徐々に熱を加えた場合は、さすがに途中で気づいて逃げると思われます。まぁ、その辺はあまり、気にしなくていいです。何を言いたいかっていうと、平和ボケにも気をつけた方が良いよって話です。常に危険な環境にいるのも大問題なのですが、なんとなく今が平和に感じられたら、それは本当の平和なのかどうか、一度立ち止まって考えてみた方が良いです。

たぶん、その平和は永遠には続かないですよ。脅してるわけじゃなく。世の中は諸行無常なので、気が付けば変化しているんです。変化が嫌いだろうと何だろうと。だから、今が平和だと思えるなら、その平和に心の底から感謝した方が良いです。これは奇跡です。そして、この平和を守るために、自分にできることはないかを自問自答してみてください。

変化に備えろ。

僕自身は変化が嫌いなので、安定を望みます。でも、安定して、地獄という状況はゴメンこうむります。自分自身のバイオリズムも、社会情勢も、その他もろもろ、気づかないスピードに感じられるかもしれませんが、確実に変化してるんですね。なので、大それたことをする必要はありませんが、こっそり力をつけておいた方が良いです。体を鍛えるでもいいし、知力アップでもいいです。人脈を作っておくとか、貯金を増やしておくとか、何でもいいです。望むと望むまいと、変化の時は来ます。時には不可抗力の事態に巻き込まれる可能性もあります。

でも、僕は脅したいわけじゃないですからね。自分の身を守れるように少しで良いから意識しておいた方が良いよと言っているだけです。「この壺を買えば、災いを回避できる」とか「このセミナーを受ければ思考回路が変わり人生ウハウハ」とか、そういうものに、くれぐれも引っかからないでくださいね。欲を言えば自分の身を守るだけではなく、望まざる厄災が降りかかってきたときに、せめてあなたの大切な人だけでも守れるように力をつけておいてください。

人は、変化を恐れます。当然です。恐れて良いんです。でも、可能な範囲で構わないので、自分自身をパワーアップさせる意識は持ち続けてください。「置かれた場所で咲きなさい」という言葉もありますが、それは一部ではやっているだけで、絶対法則ではありません。そこが地獄なら、必ずしもそこで生きて、朽ち果てる必要はありません。自分がそれを望まなければ。

僕たちは羽が生えているわけではないので、自由に何処へでも飛んで行けるわけではありません。でも、歩み遅くとも、移動することは可能ですよね。無痛、無傷で逃げ切れるとは限りません。でも、生き延びた者こそが勝者なんです。人は変化を恐れ、嫌っても、逃げることはできないこともあるんです。スピっぽくいうなら、今は風の時代ですからね。なおさらです。どうか、あなたが元気で、より良い生活を手にできますように。


 

  

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