ココロセラピストが考える『子どもが健やかに育つ環境』とは~親がなくても子は育つ、かもしれないけれど社会がなければ育たない~

子ども

保育士虐待問題について。

連日、保育士の虐待問題が話題になっているようです。非常に難しい問題だなと感じています。虐待にあったお子さんや保護者の気持ちを考えると心が痛みます。

ただ、この記事は、関係職員をバッシングする意図はありません。

この事件をただの悲しい事件にしないためにも、未来に向けての何らかの気づきになればなと想いながら記事を書いています。

未来。

古い考え方かもしれませんが、子どもは、宝だと僕は思っています。自分の子供かどうかは別としても、未来の日本、世界を支えていくのは彼らだからです。

僕たちもかつてそうだったように、子どもは数々の夢やロマンを持っています。必ずしも、みんながみんな、サクセスストーリーを持っているわけではないですが子供の頃の感性というか、想いというか、そういうものが結果的に大人になったときに大きく影響するのではないかと僕は思っています。

そんな中で、子どもたちは数々の人生経験を重ねて成長し、大人たちは社会を支えていきます。そうやって時代は進んでいくものだと僕は思っています。

「今より、もっと未来を楽しくしようね!」と繰り返していけば、未来はきっと、より良いものになると僕は信じています。

時には運悪く、不況になってしまったり、良い時代とは呼べない時代に遭遇するかもしれません。それでも、未来を明るくし続けられるマインドは、未来永劫、持ち続けて欲しいと思います。

資質原因論。

虐待が起きてしまう背景って一体何なのでしょう。保育士の適性や資質だけの問題だとは僕は思えません。たぶん保育士の質を上げようと資格を複雑にしたり、試験を難しくしたり、研修を義務付けたり、レポートを書かせたりしても、根本的な問題は解決しないと思います。介護業界も似たようなことが言えますよね。

『資質原因論』だけにフォーカスすると、それらを取り巻く環境そのものにフォーカスできないので、心理的視野狭窄に陥ってしまう危険性があります。場合によっては、『資質向上』という呪縛に囚われ過ぎると、勉強に時間を多くとられ過ぎて心身が摩耗してしまう危険性もあります。

少しでも問題を起こしたら大きなペナルティを課す、という安易な対策もハッキリ言えば意味がないと思います。

『人材育成』に力を入れるのはものすごく大事です。僕も個人的にもっとも興味を持っている分野でもあります。けれども、専門的な何かを頭に叩き込むのも良いけれど、広い視野を持てる育成が、今後は重要になってくるのではないかと思います。どの業界に関しても、ですが。

自分を取り巻く環境を客観的に捉えられて、その改善にも意識が向けられる人材を育てることも大切だと思います。

どんな仕事でも必ずヒューマンエラーは起こります。でも、だとしたら対策が必要なんですね。

今回の件とは直接は関係ない話ですが、一方でモンスターペアレンツという人たちも一定数はいるわけですよね。なんでもかんでも問題を大きくして煽る人たち。彼らが、一生懸命お仕事をしてくれている保育士さんたちを追い詰めていることもまた事実だと思うんですね。これはこれで問題で。保育士だけではなく保護者のことももっと真剣に考える必要ってあると思うんですよ。喧嘩両成敗にしたいのではなく、相互関係って大事なんです。

子どもは大事、以上。

今回の虐待事件に限らずですが、環境が気になるところです。子どもって大事だよねということは、みんな頭ではわかっていると思います。

ただ、わかってはいるけど、そこで止まってしまっているというのが現代社会の問題だと思います。

子どもが大事なのはわかっているけど、子どもにとって本当に必要な環境を大人たちが提供できているかというと、残念ながら出来ていないのかもしれません。

僕たちは、子どもがいようといなかろうと、子どもが大事だと思うなら、もう少し、子どもに目を向けてあげた方が良いのかもしれません。自戒の念を込めて。

たとえば、子どもの遊びって、今と昔ではかなり異なるんですよね。森や川で遊ぶとか、今では漫画の世界くらいだと思います。ドラえもんに出てくる、空き地的場所も、そんなにないのではないでしょうか。公園だって、そんなにたくさんあるわけじゃない気がしますよね。

子どもが安心安全に過ごせる環境ってどんな環境だろう。子どもがすくすく育てる環境ってどんな環境だろう。子どもが未来に希望を持てる環境ってどんな環境だろう。時々でも、そんな話題を家族や友人、その他で出来たら、少しは何かが変わるんじゃないかなって思います。

少なくとも僕たちみんなが「私、忙しいから、そういうのは、保育園や幼稚園、学校に任せるとして…」という発想に至ってしまっているとしたら、何か間違った方向に進んでしまう気がします。

心豊かに。

たぶん、忙しいんです。みんな。僕たちは決して、自分だけ楽しければ良いと思いながら生きているわけではないと思います。きっと、家族や友人のしあわせも考えてはいると思うんです。でも、仕事なりなんなり忙しすぎて、本当に大事なものにフォーカスできなくなってしまっているのだと思います。それはとても悲しいことです。気が付くとなんでもかんでも責任転嫁していたり、なんてことになってしまっていませんか。「私は、悪くない。悪いのはあなたですよね?」的な。

「忙」とという漢字は「心」を「亡くす」という文字の組み合わせです。

子どもたちに望むことって、なんだろうと改めて考えると、心豊かに育ってくれたら良いなって思いました。だとすると、僕たちの課題は、明確で。自分たちが心豊かに暮らせる環境を作り、それを体現して子どもたちに見せ続けること、なのかもしれません。

  

  

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