ココロセラピストが考える『コミュニケーション論』とは~バランスをとって苦にならない生き方を~

コミュニケーション

コミュニケーションの正解とは?

たぶんストレスの原因のほとんどは、ずばり人間関係のストレスだと思います。なので、コミュニケーションの極意を知りたいと思う人は数多くいると思います。

人間関係のストレスさえなければ、QOL(人生の質)は6割増しくらいになるんじゃないかと思っている人も、きっと多いと思います。僕も、ずっとそう思ってきました。今も思っています。6割どころか8割、9割だとさえ思っています。たぶん、これは、原始人の頃からずっと、乗り越えたい課題として残ってきたと思います。コミュニケーションを100%円滑にする方法、コミュニケーションの正解って果たしてあるのでしょうか。あったら誰か僕にこっそり教えて欲しいですが、僕は現時点では無いと思っています。

コミュニケーションの極意はバランス。

コミュニケーションの正解が無いと書きました。そう言い切ってしまうと悲観的に映ってしまうかもしれません。けれども、僕は決して悲観的になっているわけではないし、諦めようと言っているわけではありません。今から言うことはコミュニケーション論に限ったことではありません。僕がお伝えしている極めて重要なことのひとつですので、頭の片隅にでも、ぜひ入れておいてくれればと思います。

勿体ぶらずに、率直に言います。それは、『100%自分の思い通りにしようと思わないこと』です。たとえば完璧主義者っていますよね。そういう人って、苦しいんです。自分にも他人にも厳しいし、細かいことにも、ものすごく厳しい。息が詰まってしまうんです。全力でこだわりを貫くのはカッコ良くも見えますが、たぶん世の中って、そういうふうに出来てはいないんです。

非科学的な話になってきますが、たとえば人間って左右対称じゃないんですよね。それっぽく見えているだけで。そんなものだと思うんですね。完璧じゃないんです。でも、いいんです。むしろ、それが味になる。要はバランスなんです。100%じゃなくても、物事がある程度、うまく進めばとりあえずOKなんだくらいに思っておいた方が楽です。

たとえば、愉快犯や凶悪犯が目の前にいたら、どうしますか。「話せばわかる……」とか、言いませんよね。「理解しあえるはずだから、仲よくしよう……」とも思わないですよね。ほとんどの人は、逃げると思うんですよ。「みんな友達」なんて言っている場合じゃないですから。なにしろ自分の命がかかっていますからね。相手を100%自分の思い通りに動かそうとか、論外なんです。じゃあ、逃げてしまった自分は人として間違えているのかというと、決してそんなことはないんです。おそらく誰も怒りません。

コミュニケーションはややこしい。

コミュニケーションは、みんな仲良し幻想を持つ必要はありません。だからと言って、他人に対して無関心で良いわけでもありません。無関心は寂し過ぎるし、トラブルの元になります。他人の事を気にかけてあげることは大切ですが、他人を気にしすぎる必要もありません。

空気を読む能力も必須です。でも、空気を読めても、流れを掴めないとあまり意味がありません。相手の顔色で心が瞬時にわかっても、じゃあ、次に自分はどうでるかをきちんと考えられる知性が必要になってきます。僕もまだまだ未熟なので「人とはこうあるべき」というイメージがガチガチになりすぎていて、柔軟な対応が取れない時もあります。ジェネレーションギャップ然り。

ただ、少なからずそういう先入観や偏見は誰にでもあると思います。それはそれである程度仕方ないとして、自分を責めすぎないでください。その都度「あ…」と思って、自分がガチガチになってしまっていると気づくたびに、自分の言動に注意して改善していくのが良いと思います。コミュニケーションのハウツー本を読んだ次の瞬間から、コミュニケーションマスターになれるとか、まず、ありえないですからね。慌てないことが大切です。

コミュニケーションの最低限のタブーを押さえておこう。

コミュニケーションはバランスが大切です。正解なんてありません。テトリスのように、毎回、似てるけど、微妙に違う型が降って来て、それを、何処に落とすか常に考え続ける。これが、コミュニケーションです。ある程度のパターンはあるかもしれませんが、毎回、その都度、自分の頭を使う必要があります。人間関係はコンピューターゲームではないので、心も必要になってきます。

正解はないのですがタブーはあります。最低限、タブーを押さえておけば対人トラブルのリスクは減らせると思います。なので、以下にコミュニケーションのタブー7か条を載せておきます。

1.自分の意見を押し付けない。自分が正しいとは限りません。相手にも相手の気持ちや考えがあります。

2. 相手を安易にジャッジしない。一見間違っているように見えても、違う角度から見たら最適解かもしれません。もしくは、相手の意図をこちらが見誤っている可能性もあります。

3.相手を操ろうとしない。コミュニケーションとは操り合戦ではありません。

4.責任転嫁しない。なんでもかんでも気に入らないことがあったら相手のせいにする人は問題アリですよ。

5.本能的に危険だと感じる相手に深入りしない。本能的に危険だと感じる相手に深入りしない。偏見はいけませんが、本能は大事です。直感も時には大事です。

6.相手の意見を鵜呑みしない。相手の意見、言い分が必ずしも正しいとは限りません。傾聴は大切ですが、自分の頭をきちんと使いましょう。

人は人によって磨かれる。

僕の好きな言葉に「我以外皆師」という言葉があります。良いことも、悪いことも、人と接することでたくさん学べます。そして僕たちは学びを通して成長していきます。時には、人と関わりたくない時もあるでしょう。当然です。エネルギーをたくさん使いますからね。でも、僕たちは自分だけで生きていけるわけではなく、間接的であっても必ず誰かの力を借りて生きているんです。まずは、それを忘れないように心掛けましょう。感謝の気持ちを持ち続けましょう。でも、だからと言って、みんながみんな相性が良いわけではないし、悪い人じゃなくても相性が悪い人って一定数はいるんです。でも、無理にその人に深入りしなくても良いんです。そうやって、色々な人と接しながら、あるいは離れながら、僕たちは距離感を学んでいるのです。

誰かを操ろうとせず、誰よりも優位に立とうとか思わず、自分は自分にできる小さな優しさを日々配る。それが仇になっても、めくじらたてず、どうしてもダメな関係だと思ったら、そっと身を引く。これがベストというわけではないですが、そんな感じで自分なりに、対処法を身につける。良い案が浮かんだら、シェアしてあげる。でも、押し付けない。そんな、ゆるい感じで地味にコミュニケーションを取っていけたら、なんて思っている地味な僕。

 

  

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