ともくん宮崎からの手紙―! PART.6 火の國で逢いましょう(天照の山稜)……前編

アマテラスの山稜があった!? 火の國八代への手紙—!

みなさんこんにちわ! 日本の神話と歴史の源流をたどる「ともくん宮崎からの手紙—!」

謎を追いかけてる途中、博物館のツアーで、火の國八代(熊本県)を旅する、という企画がもちあがってることを知ったともくん一行。
宮崎から熊本へ、魂の旅は全国各地へとむかいます……。
実は熊本県八代市、神話の里日向とは、深い縁で結ばれていると知ったのです。
それは、「天照大神の山稜が存在した伝承が残っていた」ということ。
九州王朝説においては、元伊勢や、伊勢神宮などの関連地としても、候補に挙げられることが多いのだとか。
バスの中で先輩が一言「おまえアマテラスを追ってるっていうけど、天照大神ってお前、あの、引っ越しマニアやぞ! 笑爆」
とかいっていた。笑

(景初4年の鏡)

天照は元伊勢とよばれる数十か所の聖地をたどり、伊勢におさまったエピソードがあって、そのため何かよくわからないけれど引きこもったり……引っ越しが大好きな神様。

そんなイメージが一部の人にはあるんだなあとほほえましく思った。
名家である松井家のガイドさんに教えていただきながら、各地をみんなで旅していきました。
人生初、料亭で出た魚の塩焼きが変においしかった笑(思い出はそこか!)

(景初4年の鏡)

 

火の君一族と健緒組がみたまぼろし

各地にみられる石室や、現地に住んでいた人々の痕跡を見て、彼らは古代活躍した、「火の君一族」だったと教えられました。
この火の君(ひのきみ)という人物は、朝廷に従わなかったグループを討伐した熊本県周辺にいた健緒組(たけおぐみ)という人物に、天皇がこれを大いに称えて与えられた名前に由来するのだそう。
活躍後、夕暮れ空が不思議に燃え上がっていたのを見てその火を追いかけていくと、ついには火の正体はなんなのかわからなかった。
熊本は、火のくだる国である。として天皇は称えたのだそうです。
その輝きや美しさ、伝説は今でも変わらず、強く残っているのだと実感したのでした。
そんなわけで、火の君とは、健緒組(たけおぐみ)その人のことを表すのです。
そして、彼の末裔や、彼らに関する人々は、火の君一族を名乗ったのだとか。
この火の君こと健緒組(たけおぐみ)、佐賀県においてはあの日本神話では大活躍した人物、武内宿禰(たけのうちすくね)の父のことだといいます。

(火の国・八代ミュージアムに研修でいってきました!)

佐賀周辺の神社や伝承では、本来健緒組(たけおぐみ)を祀っていたところに、武内宿禰関連のこと、一族のことにまつわる信仰があとから乗っかっているのです。

そのため現地の人々は同一人物であるとして信じている人も多かったのだという。
すこしスピリチュアル系をかじってる人なら知ってる人もいるかなと思うけどあの「竹内文書」を書いたのも、武内宿禰の系統の人々です。
卑弥呼と同一視されることのある神功皇后の部下として、とにかく忠誠を誓い、彼女に憑依した神霊を審神者する仕事をしていたというサポーターのお爺さんである武内宿禰は、300歳近くまで生きたのだそうです。

 

武内一族が語り継ぐ「火」の残光

実際その年齢まで生きたかどうかは別として、彼はある視方では、竜宮城まで行った、浦島太郎の玉手箱を開けたおじいさんの状態のモデルだったのでは? という話さえあります。
白鬚になった浦島太郎は、神功皇后(卑弥呼)に仕えていたおじいさん、武内宿禰の若い姿だったのでは? というのです。
そうみていくと、浦島太郎はこないだ行った籠神社につながるんですよね。
浦島太郎の原型が饒速日命(アマテル)とみると、それが玉手箱を開いた後の象徴的な姿が、武内宿禰という老人だったとすれば。
天照の山稜がなぜ八代市にあるかというのも、火のくだる国という伝説からどうして火の君一族が起こったのか。
なんとなく、面白いつながりを感じずにはいられません。

(八代の古代壁画の幾何学紋様が印象的)

そして武内宿禰の母山下影姫(やまとかげひめ)の伝承が残る神社周辺にも、山下姓が非常に多いのだけれど、どうも僕のほうの親戚の一派がその付近からおこった山下姓で、土豪で現代に至るまで武家的な風習を古くから持っていて、伝統があったという。
神社などにも鳥居を奉納したりしていて、武内一族や、山下影姫のこともおのずと気になったのでした。
その伝承の残る武雄神社にも行ってみようということになったりして。
火の君一族は、付近に前回連載で紹介した日下部氏や日置一族などに続く人々もいたらしいため往古は彼らと深い知り合いだったそうです。
「滅びた太陽の一族の生き残りが、朝廷とともに拠点をこの地域にきずいていたのだろう……」
日向の伝承は、九州においても各地にその子孫によって隠され今日まで息をひそめているのかもしれません。

 

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(トップ画像/高鍋歴史資料館)