日本一の白檀塗りの幣殿
拝殿の中へと入ると、白木造りとは一変して華やかな色彩を目にすることが出来ます。
この美しさに見惚れ、ここまで来れて良かったと参拝して帰る方が多いのですが、これでは大神山神社3つ目の日本一をチラ見しただけなのです。それではもったいない! 素晴らしいのはこの扉の向こう、幣殿内部なのです!
……と、あおり書いておきながら、残念ですが写真撮影禁止の為、画像はありません。
ですので参拝した際には社務所にて拝観料300円を納め、63畳の幣殿内部へとあがりご参拝いただくと、日本一規模が大きくて美しい黄金に輝く白檀塗りを目の当たりにする事ができます!
幣殿内部の柱の塗装は、嘗ては金箔貼りだと思われていましたが、復元修理の為の調査をしたところ白檀塗りと判明したそうです。1995年の修復では黒漆を7回塗り、その上に銀箔を貼り、さらに漆を塗って復元されたそうです。
漆と銀箔を重ねる化学反応によって赤紫から金色へと変化する深みのある金色は、重厚で荘厳、かつ優美でもあると感じます。
そして、様々に色を塗り分けた蟇股、234枚の花鳥風月の天井絵や美しい天女の図など、その彩色豊かな幣殿はまるで極楽浄土や神の世界を表現したかのようです。
また現状保存という事で、復元の許可が下りず、昔のままの幣殿の様子を見れる場所もあり、昔と今を見比べる事も出来るのです。
ここまで書いて幣殿内部で参拝しないなんて本当にもったいない!
何より、幣殿内部は御神氣の濃さが違うのです!
幣殿にて静かに一人参拝していると、今にも本殿の扉が開いて大己貴神が現れて下さるのではないかと思うほど、その御神氣は濃厚で、耳を澄ませれば大己貴神の息遣いさえも聴こえてくるのではないかと思えます。
そんな大己貴神をイラストにするならこんな感じです↓
まるで私たち人間の心に真っ直ぐ剣を向け、その弱気を断ち切ってくださりそうだなと感じました。己の内にある葛藤と向き合い、己と戦い、己を知り、己を受け入れ、心を強くする。そうやって人は心と魂を磨き上げるのでしょう。
そんな心と魂だからこそ、龍の力を体内へと取り込んだとしても喰らわれず降し、そして龍の背に乗っても振るい落とされる事なく国造りを成し遂げられたのかもしれません。
陰と陽、二面の姿を持つ大山
そんな大国主大神(大己貴神)の御神体とも謂われる大山、「伯耆富士」とも呼ばれる穏やかで美しい姿とは反対に、荒々しい面も持っているのです。
それがこちら、鍵掛峠から望む大山です。先程とは違い、岩肌と険しい崖の姿を見る事が出来ます。私はこちらから見る大山の方が好きです。
なぜなら、こちらの方向から望む大山こそ大己貴神の御姿そのものに感じられるから。
これもまた、人の心の様に陰陽を表しているかの様でもあり、相反するもの同士だからこそ心と魂は磨かれる、それを無言で教えてくれているかのようでもあります。
さて、紅葉や秋桜と共に見頃をむかえるのがこの薄紫の雪の結晶の様な可憐な花、マツムシソウ。今年は紅葉も例年より1ヶ月近くも早く、雪が降り積もるのも早そうです。
是非この機会に美しい大山の紅葉と、荘厳なる大神山神社に御参拝してくださいませ。
◆この記事が更新される頃、
また大神山神社へと参拝しております◆
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山陰一のパワースポット!?龍神を操る出世と改革の神☆大己貴神・1