世界遺産への推薦が決まった神宿る不言の島 沖ノ島とは?

とある理由によって守られていた沖ノ島には今から「1600年近く前」の遺跡も残っており、日本の中でも「有数の聖地」となっているのです。

【厳重な潔斎】

他には「徹底的な潔斎」もあります。これは「上陸前の禊ぎ」「四本足の動物を食べてはならない」「忌み言葉」となります。上陸前の禊ぎは、沖ノ島に上陸するために、「全裸になって海へとつかり、心身を浄める」というものであり、このときはまさに「一糸まとわない必要がある」のです。四本足の動物を食べないというものや、忌み言葉についても、他の神域などでも穢れを極端に嫌う場所では行われているものでした。

 

【女人禁制】

これらにくわえて、「女人禁制」というものもあります。同じく神域の島である「久高島」では、「男子禁制の聖地」が点在していますし、修験道で大切にされる「霊山では女人禁制」は多くあります。しかしながら、最近では霊山も女性にたいして開かれてきているのにたいして、世界文化遺産に登録を目指しているにもかかわらず、「沖ノ島は未だに女人禁制を固持している」のです。なぜ、女人禁制なのかには諸説あり、祀られている神様が女性であるので、「他の女性がくると嫉妬する」というものや、霊山と同じように「環境が厳しいために女性が来ないよう配慮した」というものなどがあります。

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【禁忌によって守られてきた神域】

このように無数の「禁忌によって守られていた」ために、沖ノ島には今から「1600年近く前」の遺跡も残っており、現在の御祭神である「田心姫神(たごりひめのかみ)」が祀られるよりも、ずっと以前に行われていたと考えられる「巨石信仰の対象となった、磐座なども多くがそのままで存在」しています。未だに宗像大社の神官を除いては、男性ですら「1年に1度しか立ち入りを許されていない」という沖ノ島は、まさに日本の中でも「有数の聖地」といえるでしょう。

パワースポットブームが起きてから、テレビなどで話題になったことをきっかけに、多くの人が神域を訪れた結果、「しきたりをやぶったり、マナー違反をする人が増える」という問題が起きています。また、エネルギー的な観点からいっても、御利益だけを願う気持ちが集中してしまうことによって、せっかくの「強いパワーが台無しになってしまう」というケースもあります。しかしながら、沖ノ島は世界文化遺産に登録されたとしても、この「立ち入り制限は続ける」という方針を貫くとしていますので、今後ともその神聖なパワーが失われることなく、古来からのエネルギーを守り続けていくことでしょう。

 

God dwells Island “Okinoshima” .
Mysterious Island that ritual has been performed in ancient times.