人体に見立てる ~女難の相~
虞翻の例も、やっぱり理屈っぽいですね。
それになんだか少し、殺伐としています。
もう少し、柔らかくて、直観的な例を。
「謙(地山謙)」の卦です。
この卦は、「謙譲、高い山が低い大地の下にある、『今は実になっていないけれど、その元となる種は、すでにあなたの手中にある』……」などのイメージを持ちます。
それとは別に、男性にとって「女難の相」と言われています。
下の図をご覧ください。これが、「謙」の卦です。
一本の実線に、五本の破線。
実線は「陽」、破線は「陰」を示します。
(いちおう申し上げますが、陽だから良いとか、陰だから悪いとか、そういうことはありません。易を老荘思想寄りに解釈する場合、むしろ陰の方が良いとされるケースの方が多くなるとも言われます。)
さてともかく。
「陽」は「男性」、「陰」は「女性」を象徴しますので……
「一人の男性に、五人(たくさん)の女性」という状態です。
モテモテすぎて、困ってしまう。過ちをおかしがちだ。
そのために、この「謙」は、「女難の相」とされているのです。
と、言うのも理屈でして……。
この卦が女難の相とされる理由は、もっとストレートです。
上の「地山謙」の卦をご覧ください。人体に見えてはこないでしょうか。
「陰」は、「無い」ことを象徴します。上から下まで、何も無い。
で、腰のところに、「陽」すなわち、「男性」がある。
「男子裸身の象(かたち)」であります。
それは間違いをおかすに決まっているから、女難の相。
と、言うわけであります。
大真面目に、古代から言われている解釈ですよ!
「謙遜」の「謙」なのに、それが同時に「素っ裸」のイメージを持つというのが、何だかちょっと面白い。飾り気が無いにも程があります。
理屈っぽいと言われがちな周易ですが、案外こんなところもあったりします。
お気軽に、試してみてくださいね!
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