こんな視点はいかがでしょう? MIKAKUの易占アドバイス(12月第1週)

雌伏と雄飛、その切り替えと見極めが大事になる。人生にはそういう場面が、必ずあります。

大衍筮法による易占、4096の卦から得られる、先哲の英知。
取り入れてみると、ちょっと素敵な一週間になるかも?
易者MIKAKU(未畫齋)がお伝えします。

 

暗黒時代

今回は、「明夷之臨」(明夷、臨へゆく)の卦から得られる指針をご紹介します。
「明夷」が「臨」へと変化する、という運勢を象徴しているのですが……。

変化する前の運勢を示す「明夷」(めいい)は、かなり厳しい運勢です。
「本来ならば素晴らしい能力を持っているはずの人が、暗黒に押しつぶされている」ような状態を象徴するものです。運気としては最悪に近いものがあります。

この「明夷」の卦のイメージは、はるか古代、殷の紂王(ちゅうおう)にまつわる話と共に語られることが多い卦です。
紂王は、暴君でした。運動神経抜群・頭脳明晰。安定した王朝の、正統の王様でした。だからこそ、暴力的な政治をした彼を止めることは誰にもできません。頭脳明晰ですので、反乱計画もすぐにばれてしまいます。
二人の叔父が賢臣として仕えていましたが、紂王を変えることはできず、一人は生きたまま人体解剖され、一人は狂人のふりをするしかありませんでした。また、殷の隣にあった周の国の立派な王様(文王)も彼に睨まれ、10年間牢屋に閉じ込められてしまったのです。
「明夷」には、「正しくしていても難しい」という占いの言葉が示されているのですが、それはこのような事情を踏まえたものです。

ではどうすれば良いのか。この「明夷」という卦は、狂人のふりをした大臣の生き方、あるいは10年我慢して、将来のために牢屋の中で読書をしていた文王の生き方を示すものと言われています。

たとえば、容姿でやっかまれている方ならば、三枚目を演ずる。学生さんで、成績が良すぎて睨まれているなら、テストで少し手を抜く。お金持ちの方なら、あえてつつましい生活をする。そのようなやり方を求められる、我慢の時期とされるのです。
お仕事方面でも、「不遇」のイメージがつきまといます。ただしその分、将来のための勉強・スキルアップを目指すのに良い時期とは言われています。

- 夜明け前

 

人生の主役は、あなた自身です

「明夷」が変化して「臨」になるというのが、「明夷、臨へゆく」の卦です。

「臨」は、勢いのある良い運気です。イメージは、「君臨」です。「自分から積極的に、リーダーシップをとる(流れを決めてゆく)」と良い、とされます。
勢いのままにまとめやすいと言える運気です。多少強引でも行動していけば、周りもそれに合わせて動いていく、というイメージです。
また、「臨」には、字の如く「臨機応変」のイメージもあります。積極的に動いていけば、後はどうにかアドリブで回していける、というイメージなのです。

この「臨」、「自分の人生の主役は、自分なのだ」という意識を持って、少し「女王様」になっていく必要があるような運勢だとお考えください。
自分から動きさえすれば、うまくゆく。動かなければ、何も変わらない。他人を気にしていても仕方ない。私には何の影響も与えられないのだから……。
「臨」の卦が得られるのは、そのような時期です。