心とからだ〜③入院の意味〜看護師として、いつも患者さまを看ていて思うこと

看護師として、いつも患者さまを看ていて思うことです。

入院とは、仕事や家庭などその方の現場を離れて
心と体を休ませる場所だと感じています。

入院とは通院では治療できない場合、一定の期間病院に入ることです。
それも含めてですが、心と身体の休養が必要なのです。
そして、自己を見つめて気づきを得るための時間だと思います。

なぜ自分は病気になったのか。
自分の生き方の何を改めればいいのか。
健康を回復するためにはどうすればいのか。
今、自分は何をすべきか。

実際、患者さまがおっしゃいます。
「自分は以前、○○で、こうだったから病気になった」のだと。
「わかってたんだけどね。」と。そう、話して下さいます。

発症する前から気づいていた方もいるのですが
きっと、いろいろと事情があったのでしょうね。

「わかっているけど、でも、仕事を休むわけにいかないから。」
「私がしなければいけないことだから。」
「私さえ我慢すればいいんだから。」
「休んだ方がいいってことはわかっているのに……。」
「病院へ行った方がいいってことに気づいていたのに……。」

自分のことは後回しにして、 無理をしていた。
ついつい、どうしようもなくて……。
そんな葛藤があったのではないでしょうか。

でも、本当にそれでいいの?
あなたの潜在意識は、あなたが一番大切だから、いつもサインを送っていたはずです。
内から湧き上がってくる感情や気になる出来事はなかったですか?
いつもいつも 心から身体へとメッセージを送っています。
気づいている人、気づいていない人もいるでしょう。

だから、潜在意識は病気という形をとって、これ以上病気が悪化しないようにと、
その現状から遠ざけたのだと思います。
病気になって、入院するほどの治療が必要になってしまったこと。
仕事や家庭など現場を維持することが困難になってしまったこと。
そうすることによって、これ以上あなたの身体を傷つけないようにと
守ったのです。

 

入院すれば治療が始まります。

そして、入院期間には心と身体を休ませて、自分の病気の意味に気づくための時間です。
気づくことによっても、回復力を高めることができます。
少し立ち止まって自分を見つめ直す、考える時間が必要なのです。
そして、「病気は治るんだ、治っていいんだ」と自分に許可を与えることも必要です。

入院すると、以前の生活とは一変するので、考える時間はあるものです。

「夜になると色々と考えてしまうのよね」
そう言って、眠れない患者さまがたくさんおられます。
「何を考えるのですか?」とは、あえて尋ねませんでしたが。

自分が病気になってしまったことを振り返り、これからの生き方について
考えているのかとお察しします。
そして、家に残した家族のこと。私がいなくて困っていないか、
ちゃんと生活できているのかと心配しているのだと思います。

ある患者さまが話して下さいました。
「私が倒れた日、あの日もカッとなって主人と喧嘩してしまったの。
私は気が短いからね。それに神経質だしね。それでも主人は、毎日来てくれます。
相変わらず私は主人にきつく言ってしまうけど、黙って聞いてくれるんです。
私はそんな主人に、ありがとうっていつも言っています。」

患者さまを支える家族。病気によって家族間との繋がりが深くなる場合もあります。
病気・入院という出来事によって、本人も家族も愛を学ばれているのです。

 

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