養生の道はナニゲに楽しく気持ちいい~『サルでもわかるハリィー先生とトリ子さんのアヴァンギャルドな東洋医学講座』第15話

6ヵ月間、『サルでもわかる』シリーズにお付き合いくださいましたトリニティ読者の皆様には多大なる感謝を申し上げます。ありがとうございました! 次回からの新シリーズもどうぞ宜しくお願い申し上げます

「えっ、ガンの自然治癒例? ハリィー先生、そのガンの自然治癒例って何なの?」

「うん、なんでもいわゆるレンサ球菌というバクテリアの菌体毒素に侵されて高熱が出る丹毒症という疾患があるんだけど、この丹毒症に罹患した患者のガン細胞が丹毒症の治癒と共に消えてしまうケースが1970年代から世界中から報告されるようになって、その数が700例以上に及んだというんだね。それでなぜ丹毒症に罹患するとガンが消えてしまうのかを医学者たちが調べて見えてきたのが、ガンの自然治癒のメカニズムだったんだね」

「へぇ~、高熱が出るとガンって消えちゃうんだ! ちょっと驚き、知らなかったわ」

「うん、まあそう単純には言えないんだけど、熱が出るとガンが消える確率が高まるとは言えるね。実際にガン細胞ってのは、だいたい42℃の熱で死んでしまうというからね。でも42℃の熱だどギリギリ脳障害を発症しかねない高熱だから、ピンポイントでガン細胞だけに42℃クラスの高熱を照射するのがベターだろうね。でも、実際は42℃まで高熱にならなくても、39℃くらいの発熱が1週間以上続くだけで、数センチ以内の固形ガンなら消えてしまうらしい」

「なるほどね、よく身体を温めれば免疫力が高まるとチマタの健康法は唱えるけど、まんざらウソでもなかったのね」

「うん、体温が数度上昇するだけで、その熱ショックに応答して細胞核DNAの遺伝子が起動してヒートショックプロテインというタンパク分子を細胞が合成分泌するようになるんだよ。このヒートショックプロテインというタンパク分子は別名をストレス防御タンパク質とも言うんだけど、ようはあらゆるストレス刺激に応答して細胞をあらかじめ守るために存在するタンパク分子なんだね。このヒートショックプロテインこそがガン細胞のアポトーシスを再起動する立役者だったというわけだね」

「丹毒症に罹患して消えてしまったガン細胞は、つまりは丹毒症で高熱が出た際に身体中の細胞で合成分泌されたヒートショックプロテインの力で偶然にアポトーシスが再起動されて、ガン細胞が一掃されてしまったというわけなのね。アポトーシスしきれなかったガン細胞も熱とともに無事にアポトーシス昇天、成仏合掌とあいなりました、って感じかしら?」

「うん、そんな感じだね。腫瘍1センチのなかには10億個のガン細胞がひしめいている。この1センチの固形ガンができるまでには10年から15年を要する。1センチの固形ガンを作らない未病治のガン対策セルフケアも、だから10年、15年と継続していく必要があるってことだろうね」

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「養生の道はナニゲに厳しく長いのね」

「でも、基本はストレスを溜めないで、よく眠り、よく食べて、よく笑い、たまには鍼灸指圧をしたり温泉にでも浸かってヒートショックプロテインを出してあげる。そんな基本的な養生を守っていれば、きっとガン細胞が日々、3000個から100万個できたとしても、即座にアポトーシス誘導されて1センチの固形ガンにはならないんじゃないかな」

「そうよね。結局は楽しく気持ちよく生きることが一番の養生なのね。『養生の道はナニゲに楽しく気持ちいい』に言い直すわ。でも、先生、なんだか名残惜しいわ」

「うん『サルでもわかる』シリーズは今回の講義が最後になるけど、次回からは新たなタイトルで新シリーズをスタートするから、トリ子さんも楽しみにしていてよ」

「うん、とっても楽しみだわ。でも、先生、ちょっとだけ、内容を教えてくれない?」

「トリ子さんのたっての希望とあればお教えしまっせ! あのね、今回触れた免疫について、かなり新しい情報も溜まってきたから、そのへんをやっていこうと思ってるんだ」

「おーっ、免疫か! 健康カテゴリーのトレンドど真ん中じゃない! いよいよ、ハリィー先生のキモてんこもり(笑)の免疫論が聞けるのね」

「免疫キモーーーーって感じね(笑)トリ子さん、本当に御世話になったね。とても楽しく有意義な講義が継続できたのも、ひとえにトリ子さんのリードのお蔭でした。本当にありがとう」

「イヤだわ、もう先生ったら、そんなにかしこまって。でもわたしは治療院の常連だから、これからも常にハリィー先生の生講義が聴けるし、全然、問題ないわよ」

「アハハ、そういうことだね。ということで、6ヵ月間、『サルでもわかる』シリーズにお付き合いくださいましたトリニティ読者の皆様には多大なる感謝を申し上げます。ありがとうございました! 次回からの新シリーズもどうぞ宜しくお願い申し上げます」

 

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