よく「アーユルヴェーダをする」という言葉を耳にします。
「あなたアーユルヴェーダしているんですって」とか「最近アーユルヴェーダをしている子が多いの」といったフレーズを聞くことが多くなりました。このフレーズを聞くたびに、「アーユルヴェーダをする」とはどういうイメージなのだろうかと考えます。
アーユルヴェーダのフレーズについて
「する」だから動詞ですよね。
このフレーズを使っている人はアーユルヴェーダに対して、たとえば「オイルマッサージをする」とか「額にオイルをたらす」とか「白湯を飲む」とか「オイルうがい(オイルプリング)をする」といったイメージを持っているのかもしれません。
こういう行為のどれかを体験したことがある、あるいは生活習慣に取り入れている場合に、「アーユルヴェーダをしている」という言い方をするのかもしれません。
オイルマッサージをすることも、額にオイルをたらすことも、白湯を飲むことも、オイルプリングをすることも、アーユルヴェーダの古典教科書に書かれている体の健康維持法としての行為なので、「アーユルヴェーダをする」は間違いではありません。
しかしアーユルヴェーダは体の健康維持法としての行為だけを指しているものではないのです。
それは健康で幸福な一生を送るための生き方なのです。その意味において本質的には「アーユルヴェーダを生きる」がより適切な考え方だと思っています。
たまたまアーユルヴェディックレストランに行ったのなら「アーユルヴェディック料理を食べた」ですが、毎日の食事にアーユルヴェーダの食事法を取り入れているのなら「アーユルヴェーダを生きている」でしょう。
菜食という生き方を選択した人をヴェジタリアンというように、アーユルヴェーダという生き方を選択した人を表わす単語があるといいですね。たとえば「私はアーユルヴェダラーなの」と言えたら便利だし、その人の生き方を表わしている気がします。
アーユルヴェーダの食事について
食事に関して言えば、アーユルヴェーダは次のような食事が完全なる食事と考えています。
消化しやすい食材やレシピであること
すべての組織(ダートゥ)を滋養すること
体内毒素(アーマ)を作らないこと
ドーシャのバランスを崩さないこと
サトヴィックであること
こうした条件を満たす食事を日々続けている人はまさに「アーユルヴェーダを生きている人」です。
特にサトヴィックな食事は生き方そのものです。
サットヴァとは、心が純粋で透明で、リラックスしていて前向きで、善悪の判断がつく状態を表わした言葉です。
サトヴィックはその形容詞です。
心がサトヴィックであれば知性が働くので、何が自分にとって良いことか悪いことかが判断できるようになり、結果として病気にならないというのがアーユルヴェーダの理論です。
心をサトヴィックにする最も有効な方法は食事です。
サトヴィックな食べ物を食べると、心もサトヴィックになると言われています。
科学的に証明することがむずかしいこの考え方を生活に取り入れるということは生き方の選択なのです。
巷には「100歳まで長生きの人は肉を食べている」という情報がたくさんあります。
そうした中でヴェジタリアンになることを選択した人は、自分の生き方とはこういうものなのだと主張しているのです(他人に主張しようと思っているわけではないと思いますが)。
同様に、アーユルヴェディックな食事を選択した人は、自分の生き方とはアーユルヴェディックなのだと主張しているのです。
結局のところアーユルヴェーダは、どういった生き方をしたいかの選択です。
自然のリズムとともに生きたいのか生きたくないのか、自然のエネルギーを感じたいのか感じたくないのか、宇宙の恩寵を体感したいのかしたくないのかの選択なのです。
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