令和6年3月メッセージ — 次々と引き摺り出される“闇”と微かに見える“光”の交錯の中、私たちは寄り道の果てに“真実の春”を見つける

3月

日経平均株価最高値突破の熱狂と新型ロケット打ち上げ成功の歓喜の中で — 四緑木星3月は、新年度に向け希望を持ちつつ準備を行う月

3月を迎えました。年初から不穏な天災、事件が続き、またこれまで隠蔽されていた各界の“闇”が白日の下に曝され、世の人々は怒りと悲しみ、不安の中で過ごすことを日々、強いられています。元日に起きた石川県での地震はいまだ爪痕深く、被災者は不本意な避難生活を余儀なくされています。たびたび噴火を繰り返している鹿児島県の桜島では先月、かなり大きめの噴火が起こり、県をまたいでの降灰が見られました。もし富士山の噴火が起きたら、と危機感を覚えた方も多かったのではないでしょうか。

日経平均株価はバブル期を超える史上最高値を突破し証券関係者は快哉を叫びましたが、庶民は肌感覚としてその恩恵を受けるまでには至っていません。立春を過ぎ本格的に令和6年がスタートしましたが、今年の年運である甲辰三碧木星、まさに“雷”と“震”に見舞われる一年を確信せざるを得ない、暗い雰囲気が世を覆っています。

一方で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の新型ロケット『H3』2号機の打ち上げが、無事に成功したという明るいニュースも入りました。昨年の初号機打ち上げ失敗を乗り越えての出来事に、日本人のものづくりの精密さ、底力を感じた方も多いでしょう。厳しい環境の中でも、どうか希望を失うことなく、春を迎えたいものです。

啓蟄を迎える3月5日、月運が五黄土星から四緑木星に移ります。四緑木星は、“風”を表す星です。
往来、遠方、交通、取引、盛況といった象意があります。

人に例えれば、旅人、迷い人、商人といった、距離感を持って“動き”を表すもの、また信用、縁、調うといったキーワードが浮かび上がります。


2月の五黄土星は“帝王”という、政治指導者を表す象意でしたが、まさにそのイメージの通り、裏金疑惑に揺れる自民党は岸田内閣の支持率が10%台まで落ち込み、また派閥の解散と疑惑究明に向けての政倫審開催を巡る野党との綱引きが激化し、そのための新年度予算成立のタイムスケジュールが綱渡りとなるなど、政局は不安定の度を増す月となりました。

この3月の日本は、春闘シーズンであることもあり、物価高に見合った賃上げを求める世論の声が強まるとともに、活発な商取引が展開される気配です。四緑木星の“遠方”“往来”の暗示がある通り、遠方への旅行などによる都会⇔地方間の人間の往来が増えそうですが、既に都内ではコロナウイルスの第10波が指摘されており、インフルエンザの流行と併せ、その再活発化には注意したいところです。

3月の月運の干支は、“丁卯(ひのとう)”。春の夜空に煌々と輝く、幻想的な月のイメージのような一カ月です。今月は外面よりも内面が光り、誠実に生きてきた人は、その魂に共振し、多くの人が惹かれそうな気配です。何か特定の分野の研究、勉強を重ねている人は、その成果が脚光を浴びるかもしれません。対人関係も広がり、今後、力になってくれるような人との交流が始まりそうです。熱しやすく冷めやすい面には注意しましょう。

二十八宿は“尾宿”。今月はエネルギッシュに、どんな未知の分野、領域にも積極的に切り込んでいくような気持ちとなるでしょう。冒険心、闘争心が増し、新しいことにどんどん挑戦したくなる一カ月となりそうです。気の置けない友人との飲食、談話の時間にツキがありそうです。持病の悪化や過労には気をつけましょう。

重要な契約や勝負事に関しては、大安の3日、9日、13日、19日、25日、31日、一粒万倍日の2日、10日、15日、22日、27日に設定すると良いでしょう。特に15日は天赦日でよろづよしの最大吉日でもあるので、何かを決断し、実行するにはうってつけの日です。デートや告白、プロポーズを考えている方も、上記の日を選びましょう。なお、今月の暗剣殺は東南となります。30日からは天一天上ですので、方位に障りはありません。新卒での入社や新入生として学校の入学をされる方は、年度末の慌ただしい時ですが月末に新天地へと引っ越し作業をするのも良いでしょう。

過去を大幅に整理し、別れを告げた先に待っていたものは — 自分が探し求めた『人生の春』は、実はすぐ近くにあったことに気づく

西洋占星術の観点で言えば、3月は全天体順行期間に入っています。来月の2日まで、個人の生活、社会構造ともに、結構なスピードで着実に“改造”が進んでゆくでしょう。先月は破壊と再生の星・冥王星が、水瓶座に移動しました(~9/2)が、既に笑いのカリスマと謳われた大物漫才師がテレビから姿を消したり、元横綱が弟子の不祥事で親方を務める相撲部屋を取り上げられるなど、今秋まで政界、芸能界、スポーツ界をはじめあらゆる世界で権勢を振るってきた人物が、これまでに積んだ“業(カルマ)”が白日の下に曝され、その位置から滑り落ちるなど、三次元の世界での浄化が、今後も急速に進んでゆくでしょう。

太陽は19日まで魚座に滞在しています。様々な意味で“境界が曖昧になる”と同時に、運命的な出会い、見返りのない愛を求める時期です。10日18時00分には、魚座で新月が起こります。この時期は、旧い人間関係の完全なる終焉と浄化の時期です。過去にずっと背負ってきた重たい荷物を、ようやく降ろす時かもしれません。卒業や入社などでこれまでの環境を離れる人は、過去の後悔や嫌な思い出なども、“赦す”気持ちで全てを置いてゆきましょう。金星も12日に魚座に移動しますが、この時期は性を超越した恋愛が始まったり、或いは、これまで全く縁のない世界にいた二人が、強く引き合ったりすることがあるかもしれません。魂が安らげる、心の拠り所を誰もが求める時期です。

20日は太陽が牡羊座入りし、春分(12:06)。文字通り新しい季節のスタートとなります。23日には火星も魚座入りし、再び金星と同室となるので、先月に続き、深く温かい愛情を求め合う流れとなるでしょう。25日16時には、天秤座で満月を迎えます(ワームムーン)。この満月は、半影月食となります。この時期は、不要になったモノ、感情を手放し、新しいご縁を迎え入れるタイミングです。電話帳やSNSの相互フォローなどを大幅に整理しましょう。

4月から新しい生活を迎える方は、入社前、入学前のオリエンテーションや懇親の場で、早くも新たな恋愛のお相手に恵まれる機会を得られるかもしれません。要らないものを振り落として、生まれ変わる“その時”です。年度末となる今月は、最後に宋の詩人・戴益が綴った、「春を探ねて」の一節を紹介したいと思います。

尽日 春を尋ねて 春を見ず

芒蹊(ぼうあい)踏みて 遍(あまね)し 隴頭(ろうとう)雲

帰り来たって 適(たまた)ま過ぐ 梅花の下

春は枝頭に在って 巳(すで)に十分

(訳) 一日中、春を捜してあちこち歩いたが見つけられなかった。

でも、帰ってきたら自宅の梅のつぼみがふくらんでいる。

春は、こんな身近なところにあったのか—

あちこち、人生の寄り道をしたからこそ、見つけることができる“真実の春”が、あります。

さぁ、待ちわびた春を迎える準備を、行いましょう。

『TRINITY』読者の皆様に於かれましては、新しい季節への期待で胸に希望が宿る3月となりますよう、祈念しております。




(了)

 

 

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