令和5年11月メッセージ — 激しい戦火と経済苦で人心が荒む冬を前に、再び巡り合った二人は互いを照らす蝋燭を灯し合う

11月

ハマス‐イスラエル戦争が世界規模に拡大する恐れを孕む中で……一白水星11月は、天と地を分ける曲がり角で共に生きる“魂友”と手を繋ぐ時

11月を迎えました。先月はアフガニスタンで大規模な地震が発生し、1000人以上の方が犠牲となりました。度重なる余震で国内では瓦礫の山ができ、生き残った方もテント暮らしを迫られるなど、これから迎える冬への備えも含め、多くの方が厳しい環境にさらされています。

また、先月は“分裂、対立、戦争、憎悪”を表す九紫火星の月でしたが、パレスチナ自治区のガザでは、この地を実効支配するハマスがイスラエルに大規模な攻撃を仕掛けたことで、イスラエルが報復を宣言し戦争が勃発しました。連日の大規模な空爆で両勢力の民間人に多大な犠牲が出るなど、憎悪の応酬はとどまることを知りません。

この戦争は、レバノンやイランなど近隣諸国を巻き込み、第5次中東戦争、果ては第3次世界大戦にも繋がるとも指摘されています。人類にとって破滅的な終局を孕むこの戦争が、どうか早く収まることを願ってやみません。

国内に目を遣ると、先月20日には臨時国会が開かれましたが、“増税メガネ”と世間で揶揄される岸田首相が、汚名を返上するかのように所得税減税と低所得者向け給付金の検討を打ち出しました。内閣支持率が低迷したままの状況で、岸田首相が年内の衆議院解散・総選挙を決断するかどうかが注目されます。

国内外とも明るいニュースに乏しく、来年の展望が見えないと感じておられる方も多いでしょう。気温もぐっと下がり本格的な寒さを感じる季節となりましたが、どうか心身が温まるような機会を持って、日々を過ごしたいものです。

立冬を迎える11月8日、月運が九紫火星から八白土星に移ります。八白には “交代、曲がり角、断絶、廃業、終止”といった象意があります。また“改革、連絡、再起、復活”といった面も強調されます。八白は、“山”を表す星です。山の天候は変わりやすいという意味から、今月は気分がコロコロ変わりやすく、周囲に迷惑を掛けやすくなるかもしれません。

運気も急変しやすいので、特に問題もなく好調だった状況が突然、視界不良になるという可能性があります。“廃業”や“終止”の象意があるように、今月は資金ショートで中小企業が破綻したり、また自営業が不景気に持ちこたえられず廃業を余儀なくされるなど、経済は復活の糸口を見出しにくい状況でしょう。中国では不動産バブルの崩壊が相次いで報じられましたが、経済面では先月よりも、更に厳しさを増してゆく気配です。

一方で、“連絡”“復活”の意味もあるように、ここ数年、関係が途絶えていた旧友と再び行き来するようになったり、またはSNSを通じてご縁のある方から連絡が来たりと、まさに大きな時の流れの中での“人間交差点”を、肌で感じる一ヶ月となりそうです。

11月の月運の干支は、“癸亥(みずのとい)”。今月は、冬に降る雨のように、静かで落ち着いた雰囲気を纏うようです。その一方で人懐っこく、また気が利き他人が困っている姿を見るとすぐ助けたくなるので、感謝され人気が出るでしょう。六十干支の最後を指す干支であることもあり、何らかの集大成、クライマックスを迎える暗示もあります。また、異性にモテる干支でもあるので、年末に向け華やかな恋愛模様に恵まれる方も多いかもしれません。

二十八宿は“亢宿”。今月はバランス感覚に富み、また品行方正で優雅な振る舞いが周囲の注目を浴びそうです。仕事面や学業面では攻めの姿勢で成果を挙げる一方、人間関係では仲裁や仲立ちといった役割を担うなど、硬軟合わせ旨く立ち回る傾向です。恋愛面では、気になる人に何かプレゼントをすると、一気に距離が縮まりそうです。

重要な契約や勝負事に関しては、大安の4日、10日、14日、20日、26日、百事吉の17日、一粒万倍日の11日、12日、23日、24日に設定すると良いでしょう。デートや告白、プロポーズを考えている方は、上記の日を選びましょう。なお、今月の暗剣殺は東北でとなるので、この方位への旅行や出張等は極力控えましょう。

巨大な組織、隠されていたものが音を立てて崩壊過程に入る11月 — 誰もが激しく動揺する中で、迫りくる“暗闇”に打ち克ち“真実の光”を選び取る

西洋占星術の観点で言えば、山羊座には冥王星が年明けまで滞在しています。これまで盤石の基盤、勢力を誇っていた巨大な企業、組織に軋みが生じ、急速に社会から見放される時です。先月は、戦後の芸能史を彩った某大手芸能事務所が、創業者の性加害を理由に廃業を余儀なくされました。また都内の有力私大“日東駒専”の一角を占める某大学は、学生の薬物使用での不祥事や理事長と副理事長の間で内紛が起きるなど、これまで培ってきた大学ブランドを大きく毀損する状況となっています。今後も、様々な大組織の“闇”が炙り出され、露見してゆく流れは止まらないでしょう。

一方で、フリーランスやテレワークといった自由度の高い働き方が、更に浸透してゆく流れとなるでしょう。4日の15時半過ぎには、6月から逆行を続けていた魚座の土星が、順行に転じます。メンタルヘルスに悩んでいた方にとっては、ようやく精神的に安定し、また手弁当で親身になって支えてくれるような、熱い友情で結ばれた存在と絆が深まりそうです。

立冬を迎える8日には、恋愛と美の星・金星がホーム・天秤座に移動。誰もがおしゃれに磨きがかかり、街でも“美”を競うように最新のファッションを身に纏い、恋愛を楽しむ雰囲気が強まります。“芸術の秋”という言葉の通り、素敵な絵画や彫刻、陶器などの“美”に触れると、波動の高いインスピレーションを得られるかもしれません。

13日18時27分には、蠍座で新月を迎えます。大きな自己変容、社会構造の転換の流れの中で、過去の失敗、悲恋などの挫折や後悔の念をキッパリと断ち、真のパートナーシップの統合へと進む時です。誰もが色気を放つ雰囲気もあるので、化粧や香水、小物など、おしゃれに気を遣ってみると良いでしょう。深い魂のつながりを感じる存在と、急速に関係が発展する時となりそうです。

22日(小雪)には太陽が、24日には火星が射手座へ。そして27日18時16分の双子座満月(ビーバームーン)は、過去のネガティブな感情を完全に手放し、来年に向けスムーズな人間関係が整えられる流れです。コミュニケーションが円滑になり同僚や友人と過ごす時間を楽しめる一方で、クリスマスまで1ケ月を切るこの時期、イブの前後は誰と一緒に過ごしたいかを思い浮かべながら行動しましょう。大切なことは口に出し、また文章に残すことで、相手の心に残るよう、しっかりと気持ちを伝えることを心がけると、良い結果を生みそうです。

一気に気温が下がり、冬の足音が聞こえてくる季節となりました。最後に、今月は“詩聖”と謳われた中国最大の詩人・杜甫 (712~770)の「衛八處士に贈る」から、有名な一節を引きましょう。

“人生不相見   人生相見ざること

動如參與商   動(やや)もすれば參と商との如し

今夕是何夕   今夕は是れ何の夕ぞ

共此燈燭光   此の燈燭の光を共にず”

《訳》あなたとなかなか会えないのは、參と商、ふたつの星のようですね。
でも幸いにもこの夕べ、あなたと蝋燭の光をと共にすることができました —

杜甫が、旧友の衛八處士と二十数年ぶりの奇跡的な再会を果たした際、その喜びを表した詩です。『參』とはオリオン座の三ツ星、『商』とは蠍座を指します。それぞれ天の両端に位置し、決して同時に現れることはありません。しかし、本当に縁のある存在とは、人生で何度でも、微笑み合う機会を持つことができるでしょう。『參』は、必ず『商』と、めぐり逢えるのです。

先月はオリオン座流星群が、秋の蒼穹を彩りました。この11月は寒さが一層厳しさを増してゆきますが、頭上を彩る冬の星座は、地上で本当にご縁のある魂同士の再会を、演出してくれるでしょう。

海の向こうでは、血で血を洗う凄惨な戦闘が繰り広げられている一方で、表面は平和を謳歌している日本でも、未来への展望が見い出せず、まさに暗闇のような生活を送っている方が多いでしょう。そのような中に在っても『TRINITY』の読者の皆様にとっては、心から支え合える存在との出逢いの歓喜の中で、光に満ちた未来へと繋がる希望の蠟燭を灯し合う11月となりますよう、祈念しております。 




(了)

 

 

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