令和5年3月メッセージ — 長すぎた試練を漸く乗り越えた私たちは、壮大な宇宙の歴史の只中で、再び引き合った“魂友”と優しく微笑み合う

3月

大地震、物価の高騰、強盗事件と不穏なニュースが駆けめぐる中で — 七赤金星3月は、運命的な出逢いや再会の喜びに未来への希望を確かめる時

3月を迎えました。旧暦に於いても正式に新年を迎えた先月、私は2週に亘り奈良に赴き、日本最古の神社とされる大神神社(三輪大明神)、信貴山朝護孫子寺(毘沙門天)へ初詣に参りました。今年は癸卯でうさぎの年ですが、大神神社の祭神は、『因幡の白うさぎ』を助けたことで知られる大物主大神です。参集殿の庭には撫でると運気が上がるという『なでうさぎ』があり、今年一年の国家安寧と、無病息災を祈願しました。

また、信貴山の宿坊である成福院のご縁で、大阪の阿波座にある、日本開闢の造化三神を祀るサムハラ神社へも初参拝しました。西日本を加護する神仏にお目通りし、清々しい令和5年のスタートを切ることができたと考えています。先月も、海外ではトルコの大地震により4万人以上の貴重な人命が犠牲となり、国内では強盗事件の頻発に生活必需品の相次ぐ高騰が報じられるなど、暗いニュースが世間を覆っています。

読者の皆様も、旧暦明けはめいめいにご縁の深い神社仏閣に、改めて参詣されたかと存じます。改めて、この厳しい時代の趨勢の中にあっても、皆さまが天のご加護に恵まれることを、願ってやみません。啓蟄を迎える3月6日、月運が八白土星から七赤金星に移ります。七赤金星は、“沢”を表す星です。沢は水、潤いのイメージですので、歓楽、遊び、お酒との縁が強調されます。また一方で“邂逅の喜び”、“恋愛”、“接吻”“有終の美”といった面も強調されます。


今月は、厳しい経済状況と鬱屈したコロナ禍生活の反動とも言える享楽的なムードが、世間を覆いそうです。夜の歓楽街での、気分が高揚しての飲酒を伴うトラブルには注意したいものです。一方で、“邂逅の喜び”“接吻”の意味もあるように、先月からの流れでここ数年関係が途絶えていた異性の友人と再会したり、長い友人関係だった男女が突如親密な関係となったり、長くつき合ったカップルが漸く結婚に辿り着くなど、喜ばしい出来事もありそうです。

3月の月運の干支は、“乙卯(きのとう)”。陽春に草花や蔓草が、大空に向かってグングンと伸びてゆくイメージの月です。今月は、誰もが温厚で穏やかに、地道に努力を重ねてゆく一ヶ月となりそうです。自分に好意を持って接してくれる人、助力してくれる人との出逢いに恵まれ、未来に希望を感じられる方も多いでしょう。

二十八宿は“井宿”。今月は、頭の回転が速くなり、人との会話を楽しむことができそうです。ただ、自分の意見ばかりを主張して、ヒートアップして口論となる可能性もあるので注意しましょう。“喋り過ぎる”嫌いがあるので、思ったことの八分目くらいで、あとは腹に収める気持ちを忘れない方が良さそうです。物質運など、財産にも恵まれる暗示です。臨時収入や思いがけないプレゼントなど、喜びごとにも期待して良いでしょう。重要な契約や勝負事に関しては、大安の1日、7日、13日、19日、25日、31日、一粒万倍日の1日、9日、16日、21日、28日、百事よしの7日に設定すると良いでしょう。特に大安と百事よしが重なる7日、天赦日、よろづよしの21日(春分)は、最強ラッキーデーです。告白やプロポーズを考えている方も、上記の日を選びましょう。ラッキーな、新しいスタートを切れるタイミングです。なお、今月の暗剣殺は西となるので、この方位への旅行等は控えましょう。

2023年最大の天体イベント、土星の魚座、冥王星の水瓶座への移動 — 激しく入れ替わる人間関係と社会の大きな動揺の中で、信頼する親友や家族との連携強化を

西洋占星術の観点で言えば、この3月は今年一年で最も、大きな天体イベントが起きる注目の月となります。全天体順行期間に入っている(~4/21)ので、これまで滞っていた様々な問題は今月も順次解消され、人生の新しいステージにふさわしい場所や仲間などが、続々と集結してゆくでしょう。金星は17日まで牡羊座で木星と同室します。燃え上がるような恋愛がスタートしたり、一生ものの親友を得たり、またライフワークとなる仕事が始まったりと、“自分の幸運をもたらしてくれるもの”と、強く引き合う時期です。6日の啓蟄を経て、翌7日は21時40分に乙女座で満月を迎えます(ワームムーン)。旧年度の終わり、学校では卒業式も迫るこの時期は、次のステージを迎える前に、旧くなったモノ、感情を手放すタイミングです。しっかりと整理整頓をすることで、新しい幸運を呼び込める時と言えるでしょう。

その約1時間後、22時35分には土星が魚座入り。ここから2025年5月25日までのおよそ2年間は、“心”で人と人が繋がってゆく、“共感と癒しの時代”に入ります。これまでの人生で苦しい出来事が多かった人には、“試練の終わり”を感じる、喜びごとの多い期間となるでしょう。21日6時24分の春分を経て、22日2時23分には、今年1度目の牡羊座新月を迎えます。文字通りの新しい始まり、自分の実力を発揮し、得意分野で飛躍をしてゆく時です。春から新しい仕事を始める方は、ワクワクとやる気に満ち溢れる時でしょう。

その2日後、24日0時25分には、山羊座に滞在していた冥王星が、15年ぶりに遂に水瓶座へと移動します。水瓶座は自由・平等・博愛を表しますが、全てを破壊し、再生を促す冥王星が入ることで、これまで覆われていた政治の闇の露見、粉飾決算などの企業犯罪、メディアで人気を得ていた著名人の悪事の発覚による名声の失墜など、社会の価値観が大きく揺らぐ出来事が頻発しそうです。個人レベルに於いては、価値観の相違が即、破綻に繋がる(不健全な人間関係の清算)ので、仮面夫婦の離婚や上辺だけの友人関係の解消などが促進されるでしょう。かつて冥王星が水瓶座に入っていた18世紀末は、1789年にフランス革命が起きています。

現代に於いても、民主主義陣営で自由を謳歌していたはずの大衆は、実は自分たちが“不自由”であったことに気づかされ、大規模なデモなどの行動に出るかもしれません。本質が露わになるにつれ、現代社会に動揺が走ることは避けられないでしょう。また、主要惑星の大規模な移動が起こるこの時期は、大地震などの自然災害にも、特に警戒が必要と言えます。今回の移動は6/11までの一時的なものとなりますが、2024年11月20日から19年間続く本格期に向け、一層の注意と緊張感をもって、信頼する友人や家族との、ヨコの連携を強めておきましょう。

先月は、『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』といった作品で一世を風靡した漫画家・松本零士(1938~2023)先生が、84年の生涯を閉じられました。壮大な宇宙を舞台に、人間の“愛”を問い続けたその作品群は、これから生まれてくる子供たちにも、大きな感動を与え続けてゆくことでしょう。今月は、松本先生が生前に遺された言葉を引きたいと思います。

お互い誠心誠意打算のない友情が築き上げれれば、それは自分と言う木を支えてくれている巨大な根っこになります。これが最も人生における大事なものだと、今でもかたくなに信じています

やっぱり、友人というものがいかに大事か。人は生涯孤独では生きられません。親友がいて、ともに助け合い、それで成り立つわけです。ひとりぼっちではダメだよと。私にも親友がいます。もうこの世を去りましたけど、それでも生涯を共にした親友というのは、懐かしくかつ力強いものですよ

彼岸に還ったばかりの、不世出の大漫画家が説いた“人生の本質”が、此岸でまだ“魂の修行の旅”を続ける私たちの心に、深く迫ってきます。この3月からの星の流れは、変わらぬ厳しい社会情勢の中でも、希望を失わず、篩にかけられた人間関係の中で、それでも自分の近くに残ってくれた真の友人と手を携え、“その先”を生き抜く覚悟を、問われる時です。『TRINITY』の読者の皆様にとっては、心ある友人との支え合いの中で、新しい季節への期待で胸に希望が宿る3月となりますよう、祈念しております。

 

(了)

 

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