令和4年8月メッセージ —— 不穏な空気が支配する夏を迎えた私たちは、懐かしき“たったひとつの表情”に最後の希望を見出す

8月

元首相の暗殺、経済不安、自然災害の恐怖と続く暗い世相に — 五黄土星8月は、更なる社会システムの動揺との対峙を余儀なくされる時

 

8月を迎えました。

先月は参議院選挙がありましたが、皆さんもご存知の通り、選挙演説中に奈良を訪れていた安倍晋三元首相が、凶弾に斃れ67年の生涯を閉じました。総理経験者が暗殺されたのは、戦後では初めてのことです。歴史上の出来事であった首相の暗殺が、令和の時代に現実のものとして起こったことに、衝撃を受けた日本人も多かったことでしょう。この事件は、新興宗教団体の信者の家庭に生まれた犯人が、不幸な家庭環境を呪い、その団体と関係が深いと言われていた安倍氏を狙った犯行と言われています。先月の29日より、水瓶座の土星と牡羊座の木星が共に逆行する期間に入りました(~10/23)。土星と木星が共に逆行するときは、これまで隠されていた秘密、不正が露見し、社会的制裁を受けるという意味合いが強い時期です。これから秋にかけて、現在の政権基盤を揺るがすような秘密が表に出たり、これまで盤石と思われてきた組織が崩壊過程に入ったりと、大幅な方向転換を迫るような出来事があるかもしれません。経済面では円安、インフレが加速し、また自然災害の面では桜島の噴火や九州に勢力の強い台風が上陸するなど、先月は国民にとって厳しい一ヶ月となりました。どうか、8月が穏やかに過ごせる時間となることを、祈らずにはいられません。

立秋を迎える8月7日、月運が六白金星から五黄土星に移ります。

五黄の“黄”は黄金、黄帝という言葉がある通り、気高く尊い、崇敬、崇拝といった象意があります。
九星で最も、周囲に多大な影響を与える星です。

人に例えれば支配者、王、首相といった世の中心人物、一方で犯罪組織の首領、盗人、浮浪者といった象意があります。また、強欲、戦争、崩壊、破産、自然災害(地震、台風、暴風雨)といった意味もあります。

今年は年運も五黄土星であるため、上記の象意が今月は特に強調されます。

また、交通標識では、黄色は“危険”を知らせる色として知られています。

先月はイギリスのジョンソン首相辞任、日本では安倍元総理の暗殺といった大きな出来事がありましたが、今月も世界の指導者の退陣とそれに伴うパワーバランスの変化、また大規模な犯罪の発生や自然災害等の可能性がある面には注意したいところです。

8月の月運の干支は、“戊申(つちのえさる)”。

秋を迎えた、山のイメージです。

“申”は、木から落ちた果実から種がこぼれ、それを良く耕された大地が、しっかりと受け止めている様を表しています。また、“稲妻”の意味もあります。そこから転じて、実り豊かで、物事が成就する時期と言えるでしょう。今月のあなたはどっしりとした存在感を放つので、仕事面では周囲から頼られる場面が増えそうです。また、恋愛のチャンスに恵まれる時です。電光石火の如く、勇気を持ってお相手にアプローチすると、良い結果を生むでしょう。

二十八宿は“奎宿”。

今月は誠実で精神性が高く、本質を見抜く力が高まるようです。一方で、大胆な行動に出ることもあり、心を開いたお相手とは急速に関係が進展するかもしれません。なお、今月は8日から23日まで、天一天上となります。家の掃除さえしっかりしておけば、方位に障りはありません。コロナ禍が不安ですが、帰省を含め旅行の計画を立てている方は、方位に関しては気にしなくて良いでしょう。また、ご両親が高齢の方は、お盆に親族と会った際に相続に係る話し合いをしておくと、後に禍根を残しません。大事なことは、しっかり言葉に出して伝えることが重要な一ヶ月となるでしょう。

 

ルノルマンカード&タロットによる個人面/社会面の月間リーディング — “花束”“ユリ”、そして“カップの10(逆)”“死神(正)”のカードが暗示する2022年8月の暗示は

 

8月の月間カードリーディングですが、今月は個人の生活面はルノルマンカード3枚引きで、社会情勢はタロットカードを使用し、スリーカードスプレッドで占いました。

ルノルマンカードリーディングで出たのは、『手紙』『花束』『ユリ』のカード。アドヴァイスカードは『指輪』。

『手紙』は“便り、メール、電話、LINEなどの連絡手段”を、

『花束』は“感謝、贈り物、喜び”を、『ユリ』は“セクシャリティ、プラトニック、純粋な気持ち”を、そして『指輪』は“約束、婚約、パートナーシップ”といった意味を表します。

ルノルマン

今月の個人面では、運命の絆で結ばれたお相手から、情熱的な告白を受ける暗示が出ています。先月からの流れをそのままに、これまでどんなに努力しても恋愛が成就しなかったり、また偽りの恋愛に苦しんだ人も、この夏に魂の再会を果たし、その先の人生を一緒に歩き出せる気配です。『花束+ユリ』は“花嫁のブーケ”を、『花束+指輪』はズバリ“結婚”を意味しますので、この夏からスタートする交際は近未来、結婚への道に繋がっていると言えるでしょう。これまで苦労してきた方ほど、幸せと安息を噛みしめることのできる季節となりそうです。

社会情勢を占ったタロットカードで出たのは『カップの10(逆位置)』『ソードの10(正位置)』『死神(正位置)』。アドヴァイスカードは『悪魔(逆位置)』。

“カップの10(逆位置)”は“秩序の崩壊、争いの絶えない状態”などを意味します。“ソードの10(正位置)は破滅、分裂、最終局面といった暗示を、“死神(正位置)”は死と再生、変わらざるを得ない状態を暗示。そしてアドヴァイスカードの“悪魔(逆位置)”は悪因縁、悪循環、不健全な状況からの脱却、といった意味を表します。

タロット

総合すると、この8月の社会は、これまで当たり前のように存在し、機能していた社会秩序、生活インフラに大きな変化が訪れる兆しが出てくるようです。特に金融面などで、重大なアナウンスが行われるかもしれません。電子マネーが浸透し、更なるキャッシュレス社会の流れも出てくるでしょう。冥王星は山羊座で10/9まで逆行していますが、国家レベルでの大きな“膿出し”の時期でもあります。各国の政治指導者の交代、更なる経済不況を伴う混乱も余儀なくされるかもしれません。“終わり”と“始まり”が交錯する破壊のパワーの影響で、先月に引き続き大規模な水害、火山の噴火が起こる可能性も高いと言えます。自然災害への備えも、万全にしておきましょう。

 

あなたを新しい世界へと連れ出す8月 — 数かぎりなき、そしてたったひとつの表情を最愛の存在へと見せる夏に

 

西洋占星術の観点で言えば、今月は23日まで太陽が獅子座に滞在しています。獅子座は、太陽にとってのホームグラウンドです。この夏、皆が趣味や恋愛など、楽しいことで人生を輝かせようとする計画を、星は強力に下支えしてくれるでしょう。2日には、牡羊座で火星と天王星が合。繰り返しになりますが、社会では金融システムの世界的な再編や為政者の交代など、大きな動きがありそうです。5日20時6分の蠍座での上弦の月を経て、12日は10時36分に水瓶座で満月(スタージェンムーン)。人間関係が整理され、これから進む新しいステージを共に生きる、自分にとって必要な人が絞られる時です。独立や転職をする人も増えるでしょう。また恋愛を司る金星は、この12日から獅子座に入ります(~9/5)。今まで思いもよらなかったお相手との予想外の展開が起きたり、新しいつながりが起こるタイミングです。19日13時36分の牡牛座での下弦の月を経て、翌20日には火星が双子座入り(~2023.3/25)。これから情報化のスピードが加速をつけ、社会システム、インフラの急激なデジタル化が進みそうです。そして27日17時17分の乙女座での新月の頃には、双子座の火星とスクエアになる関係で、これまで隠されてきたなんらかの不実な問題が露見したり、劣悪な環境で抑圧されてきた人々が抗議の声を上げ始めたりするかもしれません。個人に於いては、遊びではない、将来を見据えた落ち着いた恋愛が始まるタイミングになります。様々な問題が噴出し社会が動揺するなかで、個人のプライベートに関しては、ようやく掴んだ穏やかな愛に、未来への安らぎを予感する夏の終わりとなりそうです。

最後に、今月は私の大学の先輩である歌人で、相聞歌(互いに安否を問って消息を通じ合う歌)の名手であった小野茂樹(1936~70)が遺した第一歌集『羊雲離散』から、彼の代表作である夏の一首を引きましょう。

 

あの夏の

数かぎりなき そしてまた

たつた一つの 表情をせよ

 

小野茂樹は、17歳で既に短歌を七百首詠む、早熟の天才でした。

小野には青山雅子という初恋の女性がいましたが、彼が早稲田大学に進んだ年に、雅子は別の男性と結婚。大きな喪失感に彼は煩悶します。時が経ち、27歳になった小野は趣味の歌声サークルで出逢った女性と結婚しますが、翌年には別居。そして、同じタイミングで離婚していた雅子と彼は、運命の再会を果たします。初恋は、互いの再婚という形で、成就されました。

冒頭に挙げた歌は、雅子と再会を果たした際に、お互いを純粋に愛していたあの頃に還ろうという、彼なりの決意と、最大限の愛情表現であったのかもしれません。

小野はその5年後、33歳の若さで、不慮の自動車事故によりこの世を去ります。

雅子との夫婦生活は僅か5年程度でしたが、彼の人生にとって最愛の女性と一緒に暮らすことができたその早すぎる晩年は、何物にも代え難い、宝石のような時間だったのではないでしょうか。

人生は、いつ終わるかわかりません。

ある日突然、テロの標的になるかもしれませんし、たまたま乗った車が事故を起こし、そこで命を落とす可能性も、ゼロではありません。

こうして何気なく過ごしている間にも、刻一刻と、私たちは“死”に向かって、進んでいます。

小野と雅子がかつて過ごした輝かしい夏、ふたりはお互いに、数かぎりない愛に溢れた、唯一の表情を見せ合ったことでしょう。

たとえ肉体は滅ぼうとも、真実の愛を受け取ることができたその喜びは、魂にしっかりと刻まれ、永遠に生き続けるのです。

読者の皆様にとりましても、この8月が、最愛の存在との魂の再会に恵まれ、その人にだけ見せる“たった一つの表情”をつくることができる夏となりますよう、祈念しております。

 

(了)

 

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