令和元年12月メッセージ — 壮大な輪廻転生の流れの中、私たちはお互いの魂を潤す“水霊”となる

ルノルマン

11月27日には、名声や栄誉を司る海王星が、5か月に及んだ逆行を終え順行に転じました。

12月3日には、木星が山羊座に移動し、木星・土星・冥王星の3惑星が集結するトリプル・グレートコンジャクション時代が到来します。山羊座の象意は社会性、保守、現実的。土星は安定、責任。冥王星は根底からの変革、破壊を伴う方向転換。射手座木星期で追いかけた理想を、地に足をつけて実社会で具現化してゆく時です。

収入が少なく、社会的にも恵まれない立場の女性は、高い収入や名声を持つ男性との恋愛、結婚のチャンスの時です。まさに、神がかりなタイミングが働いている時と言えるでしょう。

12日14時12分に双子座で迎える満月の頃には、なんらかの形で、来年の生活環境についてビジョンが鮮明になってゆくでしょう。19日13時57分の乙女座で下弦の月を経て、26日14時13分には山羊座で新月(山羊座木星時代の本格的スタート)。

クリスマスの翌日となりますが、ルノルマンカードのリーディングにもあるように、これから長く手を携えて一緒に歩いてゆく、心通い合うパートナーと温かい絆を築き、2020年代の号砲を、魂の歓喜の中で迎えることができそうです。

 

西脇順三郎が綴った「旅人かへらず」の一節より — 私たちもまた、永遠の輪廻転生の流れの“水霊の一滴”である

ルノルマン

この師走の象徴である“水”というwordを聞いて思い浮かべるのは、私が学生時分に愛読した、詩人で慶應義塾大学教授の西脇順三郎が、昭和22年に発表した第2詩集『旅人かへらず』の、冒頭の一節です。

“旅人は待てよ
このかすかな泉に
舌を濡らす前に
考へよ人生の旅人
汝もまた岩間からしみ出た
水霊にすぎない”

西脇といえば、39歳の時に発表した処女詩集『アムバルワリア』に収録されている、『天気』の“(覆された宝石)のやうな朝/何人か戸口にてさゝやく/それは神の生誕の日”という一節も、あまりにも有名です。

イギリス留学中に現地の女性と結婚し、大学では英文学を講じた西脇でしたが、詩の創作にあたって頭の中でのスケッチには、いつも故郷の新潟・小千谷で眺めた、広大なひまわり畑の風景があったそうです。戦時中の、長岡での疎開を経て生まれた『旅人かへらず』では、作品の中で“霊”という単語を多用しています。

戦争で多くの人命が“霊”となって魂を彼岸に移す中、此岸で“生”を継続した西脇は、生き残った自己もまた、壮大な輪廻転生の流れを構成する、水霊の一滴に過ぎないと、悟っていたのでしょうか。

令和時代を迎えた、この現代に生きる私たちもまた、地球46億年の壮大な歴史の流れの中での、水霊の一滴に過ぎません。

この同じ時代を選んで生まれてきた水霊だからこそ、お互いの人生を潤すことも、できるはずです。

寒さが厳しさを増すこの師走、皆さまの心が潤いで保たれるよう、祈念しております。

ことしも一年、私の文章におつき合いくださり、ありがとうございました。

それでは、良いお年を。

 

(了)

姓名学者・八田運命総合鑑定所主宰/八田靖彦

 

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