木内麗子のイギリス HAPPY☆探し 第57回★ケルトの女神スリスの聖地バースへ

第57回ケルトの女神スリスの聖地バースへ

蜂蜜色の石で造られたジョージ王朝様式の建造物が建ち並び、温泉が湧くことから「お風呂(Bath)」の語源となった街「バース」。

 

深い歴史が物語る美しい景観から世界遺産に登録され、ロンドンに次いで訪問者が多い観光地です。

かつて先住民のケルト人は、この地から湧き出る鉱泉水が病気を癒すと信じ、水を司る女神「スリス」にちなんで、この地を「アクアエ・スリス(スリスの泉)」、また温かい鉱泉水にちなんで、「アクアエ・カリダエ(温かい泉)」と呼んでいました。

その後、侵略に来た古代ローマ人も豊かな緑に覆われた土地にこんこんと湧き続ける不思議な温泉に魅了され、複数の浴室やサウナ室を持つ温泉施設や神殿を建設し、バースの街は一大温泉保養施設へと発展しました。
この時ローマ人はケルト人が崇める女神スリスの神殿は壊さず、ケルト人の女神「スリス」と自分たちの癒しの女神「ミネルヴァ」を融合させ、「スリス・ミネルヴァ」を祭る聖なる神殿を建てました。

そしてローマ人がバースを去った後、この浴場施設は長い間土の中に埋もれていましたが、18世紀に貴族や富裕層の間で病気治療のために鉱泉水を飲む「飲泉」が流行し、バースは優雅な高級温泉保養地として復活を遂げました。

「スリス・ミネルヴァ」を祭る聖なる神殿はじめ、バースの歴史の数々は「ローマ浴場博物館(Roman Baths & Museum)」でも見ることができ、博物館と隣り合わせのティールーム「パンプ・ルーム」では、今もミネラル豊富な温かい鉱泉水を飲む事ができます。

冬の寒いこの時期、重厚な歴史が彩るバースの街で、女神スリスとミネルヴァに心も体も癒されてみませんか?

 


ローマ浴場博物館のとなりには、676年に建設された巨大なゴシック様式の修道院「バース寺院(Bath Abbey)」が佇んでいます。寺院入口には梯子を登る美しい天使の彫刻が施されています。

 


毎年11月後半から数週間、イギリスならではのクリスマスグッズやフードの店が立ち並ぶ、バース・クリスマス・マーケットが開催されます。巨大なクリスマスツリーも飾られ、夕暮れ後は数々のイルミネーションとともに歴史建造物がライトアップされるため、街全体が幻想的な景観となります。

 

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