鳥インフルエンザなどの影響で、最近は日本の卵価格が高騰しています。それでも、基本的には求めやすい食材であり、長年「物価の優等生」と呼ばれてきたことは有名です。何故、そこまで安く流通できたのでしょうか?
日本の養鶏場の形態は遅れている
それは、上の写真を見ても分かるように、狭いケージの中に雌鶏をギュウギュウに詰め込み、たくさんの卵を産ませてきたからに他なりません。こうしたケージは、「バタリーケージ」と呼ばれます。鶏1羽に与えられたスペースは大変狭く、羽を広げられないのはもちろんのこと、一歩も歩けず、方向転換することもできません。ただ「卵を産む機械」と扱われ、ひたすら前を見て餌を食べ続けることしかできません。
鶏だって、もちろん感情や意志を持った動物です。生涯動けない中で無理に生かされるのは、大変なストレスであり、拷問に近いと考えられます。海外では既に動物愛護の観点から、バタリーケージの使用はかなり減ってきているようです。鶏がイキイキと過ごせるために、少しでも広いスペースを確保しての飼い方が、一般的になっていると聞いています。日本は動物愛護について大変遅れている国で、未だに多くの鶏をこのように飼っているのも、その表れといえるでしょう。
平飼い卵が増えつつある
そうした中で、バタリーケージの中の鶏の苦しみを慮る人が、少しずつ増えています。品数の豊富なスーパーへ行くと、ほぼ必ず「平飼い卵」と書かれて売られている卵を見つけられるようになりました。例えば成城石井では、6個入りが320円程度で販売されています。
「平飼い卵」、もしくは「放し飼い卵」と書かれた卵は、鶏が自由に歩き回れる環境の中で、採取された卵です。「放し飼い卵」はネットでしか見かけませんが、日中に平野など屋外のスペースで飼われている鶏の卵です。「平飼い」の中でも幸せな環境にいる鶏の卵であるといえるでしょう。「放し飼い卵」は、手間がかかっている分お値段は高く、1個100円を超えるようです。ただしその分、味が濃くて美味しいといわれています。
苦しみの中で生まれた卵は避ける姿勢を
動物が好き……そういいながら、畜産動物には無関心な人がたくさんいます。まずは、卵の見直しから始めませんか? ただ安いから……という理由で購入するだけで、結果的に多くの鶏を拷問のように苦しめてしまうのです。スーパーの卵売り場へ行ったら、ぜひ「平飼い」と書かれた卵を手に取ってみてください。「平飼い卵」を選ぶことは、あなたの心も軽く幸福にするはずです。
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