動物

日本における保健所でのペット殺処分の現状は、どうなっている?~多くの人たちの努力により、実はこんなに改善されていた!~

日本における保健所でのペットの殺処分数があまりにも多かった、20年ほど前。
私はそれを憂いて、少しでも何とかしなければ……と考え続けていることがありました。

そして自分にできることのひとつとして、子猫と子犬を専門とした、ペットの里親を探すサイト運営したのです。

運営は約9年間続き、その間に大変たくさんの里親募集記事の掲載のご依頼をいただきました。
そして私のサイトを通して、多くの子猫と子犬が新しい飼い主にもらわれていくことになりました。
(もちろん、里親詐欺についての注意は促していました。)

何故、子猫と子犬を専門にしたかというと、当時は同じ考えを持っていた人たちにより、犬猫の里親募集サイトが大変たくさん存在していたのです。

しかし里親を探すのは、約8割が生まれたばかりの子猫と子犬でした。
そして保健所に運ばれるのも、同じく8割程度が子猫と子犬だったのです。

そうしたこともあり、そして他のサイトとの差別化を図ることもあり、「赤ちゃんペットの里親募集!」というサイトを運営させていただきました。

しかし昨今は、里親詐欺の巧妙さが判明してきていることから、動物を人間に渡すことに対してかなり慎重で、厳しい態度が取られるようになりました。

ですから、現在はこのような個人サイトは減ってきているのではないかと思います。

 

現在の犬猫の殺処分数が、約4万頭と知って驚く

先日、何かのネットニュースで、「保健所での一年間の犬猫の殺処分数は、4万頭だった」という記事を見て、私は大変驚きました。
4万頭というのは、大変大きな数です。

しかし私は、「えっ、そんなに少ないんだ!?」と感じて、ビックリしたのです。

私が里親サイトの運営を始めた頃の殺処分数は、年間で55万頭程度だったと記憶しています。
年々、保健所での引き取り数が減っていることは知っていましたが、そんなに激減していたとは……これは、嬉しい驚きでありました。

 

年々着実に減り続けている殺処分数

環境省の統計資料により犬猫の殺処分数を追っていくと、1974年はなんと、122万1千頭もの殺処分が行われていました。この頃は里親を探すなどの対処が何もなされておらず、収容した犬猫の98%程度が即処分されていたようです。

そして 1994年には 76万5千頭になり、 2000年には53万頭になっています。
そして 2010年には 20万5千頭と、10年間で半分以下となり、現在データが出ている最後の2018年には、さらに減る速度が上がって、3万8千頭となっています。

このように、年々着実に減り続けているため、今後は限りなくゼロに近くなっていくのでは……と、大変期待が持てます。
大変多くの人たちが、犬猫の殺処分数のことを憂いてきたことの証です。

今ではたくさんの動物保護施設があり、どの施設でも、やはり犬猫を保健所から救い出すことを優先的に行っているようです。

一度、保健所から成猫をもらったことがありますが、その時に保健所の方から、できるだけ殺処分を避けるために、懸命に飼い主を探している……というお話を伺いました。

犬猫

テレビでも、動物愛護施設の方や、そうした活動を行っている有名人により、保健所での惨状が何度も放映されました。
殺処分室に設置されたカメラ映像により、実際に犬が窒素ガスにより死んでいく様子が、放映されたこともあります。

その結果、多くの人たちの心を動かし、このように殺処分数は減少していく一途をたどっているのです。

実際に千葉県の保健所に数回足を運び、数日後には殺処分される犬たちを見たことがあります。
寒くて布も敷いていない、濡れたコンクリートの床の檻の中に入れられた犬たちは皆、憂いた表情を見せていました。

写真を撮るために一眼レフを向けると、どの犬も「何とかして欲しい」と訴えるかのように、ジッとこちらを見つめていたのです。

 

人間に委ねるしか、生きる道がない犬猫たち

ブリーダーのところで散々子猫と子犬を産ませ、世話をすることなく殺処分に回される親猫や親犬たち。年老いて活動できなくなったために、保健所に送られる猟犬たち。多頭飼いの崩壊など、現在も人間の都合やいい加減な飼い方により、多くの動物が犠牲になっています。

犬猫

ペットとして生きるしかない犬や猫たちは、自分たちの命を人間に委ねるしかありません。
これから先、ますます殺処分される犬猫たちが減り、豊かな愛情の中で生きていく動物たちが増え続けることを、心より願っています。

 

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