臨死体験でみた景色 ~ あなたが生きる理由 ~ この世には「愛」しかない。

私達の魂はこの世を選び、この世に生をうけることを許されてきました。

臨死体験をしたことがあります。

10数年前インフルエンザに罹りました。

もともと体力のない私には強烈なインパクトだったようで、その日は40度の熱を出し、全身の痛みと熱で意識も朦朧としながら横になっていました。
夫が子供を幼稚園に送り、午前中の会議だけ出てから私を病院に連れて行くといって出かけていきました。

ぼーっとした意識の中、なぜか突然体が軽くなり、ダイビングの濡れたウエットスーツを脱いだときのように、つらく重たい体をスルリと脱ぎ捨てた感覚がありました。

この至福感はなんだろう!

体の軽さで自分がどんどん膨張し風船になった気分でした。

気が付くと上空の屋根のあたりから窓ガラスをとおして寝ている自分を見下ろしていました。
庭の愛犬が空中に浮かぶ私の方を見て尻尾を振っていました。

上方には眩い光があり、姿はなくただ黙って私を見ている何かの存在を感じました。
幼いころの母のようなとても深く優しく泣きたくなるような気配に手を伸ばそうとするのだけれどどんなに伸ばしても届かなくてもどかしくて。

その時
同時に様々な情報が一気に流れ込んできました。
友人達が家事をしながら私を心配してくれていること、夫が早く仕事を終えなければと焦っている姿、子供の様子。

私を心配してくれている人たちの見えるはずのない情報が360度スクリーンの映画のように見ることができました。

スクリーンと同時に周りの景色も見えました。
周りの景色を眺めてみると、庭の緑とお日様の光のなんと美しいことか!

太陽の光は一筋一筋が七色の輝きで地上を照らし、庭木からこぼれ落ちる木漏れ日は、世界中の宝石をいっぺんに空にまき散らした瞬間を止めたかのように、それぞれが光を反射して空中に揺れていました。
緑の瑞々しい生命のエネルギー。
風が歌う歓喜の歌。

どうして今までこの美しさに気が付かなかったのだろう。
風はこんなにも歌っていたのに。緑はこんなにもエネルギッシュだったのに。
この世はこんなにも美しいのに。

家、空、風、緑、光、土、石、草、まるで世界は砂絵のように、小さな粒子が振動しながら寄り集まってできているように見え、その粒子のひと粒ひと粒が「愛」でできているのだと感じました。
その時至福の愛に満たされていたせいかもしれません。

 

この世には「愛」しかない。

当たり前だと思っていたこの日常は、愛という奇跡の連続の中に成り立っているのだ。

ただありがたくて、涙が止まりませんでした。

私はこの世を去るのだなと、つまり私死ぬのだなと冷静にそう思った瞬間、地下のマグマが爆発するように哀しみが溢れ出てきました。

風船のようだった至福な気持ちをぶち破って。

「死にたくない、戻りたい、もう一度この世にもどりたい。」
まさしく死にもの狂いで叫びながら肉体はないけれど号泣し大声をあげて子供のように泣きました。
「神様、私にはまだやらなければならない事がたくさんあるのです!」

次の瞬間、再び全身の痛みの中にどっぷりと浸かり、痛みと重さに身もだえていました。
インフルエンザ菌に侵された重たい肉体に戻ったのです。
後のことはよく覚えていません。
気が付いたら病院で点滴を受けていました。

夫に話したら「それは夢だ。」と一言。
友人に話したら「それはただの幽体離脱だね。」と昨日行った馴染みの店の話のようにさらっと終わりました。

もしかしたらただの夢だったのかもしれません。
でも、この夢は今の私の人生観に大きな影響を与えています。

この世は愛でできているのだと今でも思っています。この世には愛しかないと。
生かされていることのありがたさに感謝しています。時々は忘れてしまうけど。

私はそれまで生きることが苦しくて、なぜこんなにも苦しい想いをしながら人は生きなければならないのか? の答えを探し続けていました。
自己啓発や、哲学や、スピリチュアルにハマり、人はなぜ生きるのか? を模索し続けました。
でも、みつからない。

そんな私にこの体験は大いなる解答をくれたのです。

理由なんていらないということを。
生きることに難しい理由なんていらない。
難しい理由ではない本質的な目的をみんな深い場所でちゃんと知っている気がします。

私達の魂はこの世を選び、この世に生をうけることを許されてきました。
歓喜を、怒りを、哀しみを、楽しさを、痛みを、苦しさを体験し、愛を学ぶために。

臨死体験は人生観を変えるほどの素晴らしい体験でしたが、できることならばもうしたくはないですね。

今日も読んでくださいましてありがとうございます。
あなたが幸せでありますように。

さくらあくり

 

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