人間関係で悩んだら~ティクナットハン師が導く「新たに出なおす解決法 」PART.3

【前回までの内容】
前回は、人間関係で悩んだとき、自分の心を整理し、相手と向き合うための最初のステップ「花に水をやる」について取り上げました。
今回は2つめと3つめのステップ「後悔を表す」「傷ついたことや大変だと感じていることを話す」をご紹介します。

2. 後悔を表す

第二段階では、自分が他のだれかを傷つけたことについて後悔を表します。不用意なたったひとことでひとは傷つくものです。この実践は、その週に起こった悔やまれる出来事を思い起こし、それを修復する機会になります。

3. 傷ついたことや大変だと感じていることを話す

第三段階では、他の人に傷つけられたことを話します。ここでは「愛をもって話す」ことが不可欠です。コミュニティを傷つけるのではなく癒すのが目的ですから、正直であると同時に人を傷つけずに話したいのです。「聴く瞑想」も重要な一部です。深く聴く実践をする仲間とともに輪の中に坐るとき、そこで話される言葉はより美しく建設的なものになり、人を非難したり口論を起こすことはありません。

この最後の段階では、「思いやりをもって聴く」ことが不可欠です。決めつけたり言い返したりせず、相手の苦しみをやわらげようとする意志をもって、その心の傷や問題に耳を傾けます。すべての注意を傾けて聴くのです。相手の言うことがたとえ事実と食い違っていても、その人が心の痛みを表に出して内にこもった緊張を手放せるように、深く聴きつづけます。

その人に返答したり、発言を訂正したりすると、この実践は実を結びません。ただひたすら聴きましょう。その人の認識のまちがいを伝える必要がある場合は、何日か経ってから落ち着いて個人的に話しましょう。そうすれば、その翌週の出直しの実践でその人が自らすすんでまちがいを正すかもしれず、他の人が何もいう必要はなくなります。この実践の最後には、歌を唄ったり、みんなで手をつないでしばらく呼吸を味わってから終わりにします。

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Photo:Taisuke Yoshida