あなたは大丈夫!? SNSに巣食うバイオハザード!『あいさつおじさん』とは?

SNSでこんな体験ありませんか?

僕はインターネットが大好きです。一瞬にして情報が探せますし、世界中とつながる事が出来るからです
時に僕がインターネットを好きな理由は、普段なら出会う事のない人と出会う事が出来るツールだからです。
だから特にSNSは大好きです。公私共にSNSは欠かせない必須ツールになっています。

ところで現代人の多くの悩みの1つにコミュニケーションが挙げられます。恋愛でもビジネスでも、もっといえば家族関係すら苦手。そんな人もかなりの数で存在します。
これは本当に早急に対処しないと僕たちの社会は大混乱に陥ってしまいます。そして恐ろしい事にコミュニケーション能力の低下はインターネットを介して余計に拍車をかけている可能性もあるようです。

それはそうと、SNSをやった事がある人なら1度は見た事があると思いますが『あいさつおじさん』をご存知でしょうか。

『あいさつおじさん』は造語ですが簡単に説明します。(※Facebookを例として)

【あいさつおじさん】
1. 朝になると無差別にトピックの趣旨とは関係なく「おはようございます」とコメントしてくる。
2. 返事のコメントをしてもそれを見返している形跡は無い。もしくは見ているかもしれないが、あいさつすることが目的のため、やりとりをするつもりはない。
3. コピー&ペーストでマルチポストしている可能性が高くルーティンワーク化しており、人間でありながら機械的である。

大きな特徴はこの3点です。これらすべてが該当していれば『あいさつおじさん』と分類して問題ないと思います。

補足としては以下の通りです。

・中高年男性に多い(『おじさん』とつけた理由です)
・何割か『おばさん』もいる(『おねえさん』の出現に関してはあまり聞きません)
・昼以降は朝ほどではないが「こんにちは」「お疲れ様です」「こんばんは」等のあいさつも同様の手口でマルチポストされる。
・アポがあるわけでもないのに「今日も1日宜しくお願いします」という枕詞をつけて来るパターンもある。
・『地元の天気+あいさつ』や『あいさつ+今日もウキウキミラクルハッピー!』と言った具合に他の『あいさつおじさん』との差別化をはかるためにブランディング戦略を取って来るパターンも存在する。定型文化しているため、マイナーチェンジや、臨時のひねりはあまり見られない。
・動機は様々だが習慣化しているということが共通点に挙げられる。
・指摘すると改善する場合もあるが、独自の理論を展開し『あいさつおじさん』の正当性を主張して来る者、敵意を持つ者も存在する。
・厳密にはあいさつではないが『食べ物画像』に反応し、パブロフの犬の如く「おいしそうですね」と書きこんで去って行く亜種も存在する。

動機についてもう少し見てみると

・あいさつが生きがい(自分ではスパムの意識は無い)。
・Facebookセミナーなどで講師が「あいさつ」を推奨している。
・マーキング(犬の散歩中等に見られる行為)or自己表現。
・誰かの目に止まったら、自分に興味を持って貰えるかもしれない。
・ビジネス(売名?)の一環。
・特に理由は無い。
・コメント返しに自分のウォールに来てくれるかもしれない。

特筆すべきは、この『あいさつおじさん』は『リストカッター』同様、文化的に『伝染』する傾向にあると言う事です。その存在を知ってしまう事によって何らかの心理がはたらき気づけば自分自身も同じ奇行を繰り返してしまうのです。特にSNS初心者は『あいさつおじさん』を繰り返し目撃する事で「そういう文化があるんだな」と無意識化に刷り込まれてしまう危険性があるので要注意です。

おもしろおかしく『あいさつおじさん』などと可愛らしい呼び方をしていますが、彼らは広い意味では『スパマー』であり『荒らし』です。

 

相手を思いやるコミュニケーションを

まず「あいさつ」がコミュニケーションの基本である事は当然ながら、機械的にコピーして貼り付けたら、相手がそれに気づいていなければ爽やかな気持ちになると思いますが、真実に気づいた瞬間に『心が込められていない』ことが明るみに出てしまい折角の信頼関係が崩れてしまうのです。『あいさつおじさん』本人は崩れた信頼に気づかず奇行を繰り返し続けるので自滅街道まっしぐらなのです。

『あいさつおじさん』の出現率が高まっているせいか、何故だか僕のところに「あいさつだけを残して去って行く習慣のある人が自分のウォールに来るんですけど……」という相談が結構来ます。僕は決して『あいさつおじさん』の専門家ではありませんが、彼らの奇行に違和感を持つからこそ「心理」を知りたくなる気持ちは頷けます。確かに気持ち悪いですし、可能であれば止めてもらいたいですから。インターネット社会が生み出した新たな心理的傾向と言えなくもないかもしれません。

コミュニケーションの弊害と言えば、『あいさつおじさん』は話の流れを変えてしまう不思議な力を持っている場合があります。
そもそも彼らはトピックの内容を無視してあいさつをしてくるわけですが、「おはようございます」というキーワードを投稿すると、そこは一瞬にして『あいさつ専用トピック』と化して、次から次へと新たな『あいさつおじさん』があいさつコメントを残して行くという現象を時々見かけます。

そもそもトピックは情報提供や情報交換に使う物なので、それらのやりとりでコミュニケーションが起こるのですが起爆剤の如く「おはようございます」攻撃をされると本来の趣旨はかき消されてしまう可能性があるのです。
本来『あいさつ』とは「気持ちを乗せて伝える手段」です。メモや事務的言語とは異なるのです。『あいさつ』とは「おはようございます」と言えばコミュニケーションが無条件で円滑になる魔法の言葉ではないのです。

言葉の乱れは心の乱れです。心無き言葉は人を傷つけるのです。たとえそれが『あいさつ』だったとしても。

人と人とが共に幸せに生きるために言葉は存在しているのです。心を通わせるコミュニケーションを本当に望むのであれば、オートメーション化されたものではなく、1人1人と心を通わせる事が出来る事を願って、心を込めてあいさつをして欲しい。ささやかな僕の願いです。