え? ハロウィン? いいえ、節分です~伝統行事「節分オバケ」とは?~

鬼を驚かせて厄払い

前回、『豆まき』のお話をしました。今回も『節分』つながりのお話をしたいと思います。個人的な話になりますが、私は一年でいちばん好きな季節イベントは『ハロウィン』です。みんなが自由に面白い衣装を身につけて、なんだか楽しそう。
ところで、日本にもコスプレのイベントがあるのをご存知でしたか?

今、秋葉系とかそういうモノをイメージした人は残念ながらちょっと違います。確かに、それも日本で進化した文化ではありますが、もっと古い文化が存在したのです。
『節分オバケ』という行事です。もちろん節分行事ですので、厄払い(鬼払い)が目的です。

時は江戸時代末期。
京都などを中心とした地域ではコスプレする節分イベントがあったそうです。現代に話を少しだけ戻すと、今も、一応その行事は存在しているそうです。昭和初期以降は徐々に忘れ去られた行事と化しましたが、21世紀に入ってから一部で復活したようです。とはいえ、伝統行事としてとか宗教的や風習とかの色合いよりエンターテイメント性が高くなっているとは思いますが、それはそれで楽しそうですよね。

ハロウィンと似ているのは、仮装することで鬼を逆に驚かせたり怖がらせたりしてやろうというところですね。鬼を驚かせたり怖がらせたりしないまでも、普段と違う自分に化けることで鬼にやり過ごして貰うという説もあるそうです。どんな仮装をするかというと、さすがにアニメやゲームのキャラクターに扮して、という現代風のものとは当然違います。こんな感じで仮装するそうです。

■■年齢設定を変える
とは言っても、「老けメイク」とかがあるわけではないので、厳密には髪型を変えます。特に女の子は少女特有の髪型とかオバチャン髪型(?)とかありますよね。その辺を変える事で、普段の自分とのギャップを演出したそうです。「お化髪」という言葉がが「お化け」になったという説もあります。

■■性別を変える
つまり、男装、もしくは女装ですね。最近は堂々と(?)男装や女装をしている人も増えて来た気がしますが、江戸時代ですと、普段はあまりそういう事はしないので、かなりの冒険だったと思います。鬼を怖がらせるには少々ユーモラスではありますが、普段と違う自分を演出して季節ともども気分もスッキリと切り替えられそうですよね。

 

それはそうと、コスプレしてどうするのかというとそれで終わりではありません。自宅で豆まきをして終わりというものではないらしく、そのまま社寺参拝に行くのです。だから節分の夜(立春前夜)は、近所のお寺などは自然と大行列ができたかもしれませんね。確かに、仮装した人の大行列を見たら鬼たちも何事だとビックリするかもしれませんね。

私は、節分は豆まきをしていますが、今の時代だとそれほど季節行事を行わない家庭も増えて来たかもしれません。だからこそ、こういう行事で厄払いをしつつ家族団欒してみるのもまた楽しいのではないかと思います。