台湾実力派アイドル、ヴァネス・ウーが描く青春ストーリー『夢の向こう側~ROAD LESS TRAVELED~』

人気歌手が手掛けた注目作

日本でも大ヒットした2008年公開の映画『海角七号~君想う、国境の南~』の成功以降、市場を拡大し続けている台湾映画。その大きな特徴のひとつに『あの頃、君を追いかけた』(2011年東京国際映画祭で上映)のような、映画界以外の異業種で活躍していた人たちが、ヒット作を生み出し、話題になっている。
台湾の人々の、繊細な感情の機微は日本人にとって共感でき、日本にもファンは多い。

本作は、2001年『流星花園~花より男子~』で<F4>メンバーとしてデビュー、アジア中の女子を虜にしたヴァネス・ウーが、友人のジミー・ハン、エリック・トゥーと映画製作会社を立ち上げ、製作した長編第1作目。
音楽での成功を目指す青年が、友情や社会の壁にぶつかりながら成長する青春ストーリー。

失敗を積み重ね成功を手にした時に……

音楽で成功する夢をかなえるために、ジョー(ジミー・ハン)はアメリカから一人、台湾にやってくる。レコード会社の人を紹介すると言ったリー(サモ・ハン)とは連絡が取れない。ギターケースを片手に町をさまよっていると、突然数人の青年に襲われ、ギターを奪われる…。

ジョーが仲間のタカ(エリック・トゥー)のギターを盗んだと思い、取り返すために追ってきたのはバンド≪SMASH≫のメンバー、マイク(ヴァネス・ウー)、イー(ディーン・フジオカ)、ジェイソン(クリス・ルン)。ベーシストのタカにギタリストになれと迫っていたマイクの気をそらすため、タカが「ギターを盗まれた」と嘘をついたため、偶然居合わせたジョーが犯人と勘違いされたのだ。

誤解を解き、ジョーはアメリカから来た理由を彼らに話す。ちょうどギタリストを探していたメンバー達は、ジョーを自分たちのバンドに引き入れる。ボーカルのマイク、リードギターのイー、ベースのタカ、ドラムのジェイソンにギターのジョーが加わり、新生≪SMASH≫が誕生する。

数日後、ようやくジョーはリーと連絡が取れ、メンバー全員で会いに行く。その夜、リーの紹介で大手レコード会社のプロデューサー・チェンが彼らの演奏を聞き、すぐに契約が決まる。早速デビューに向け意気揚々と準備を始めた彼らだったが、最初のステージはパッとせず、観客がほとんど立ち去ってしまい、大失敗。初のTV出演も、MCからの質問に答えることができず、ほぼ映らないまま終了。マネージャーからきついダメ出しを受ける。

楽屋の出待ちをするファンが一人もいない状況にもめげず夢に向かって邁進する彼らに、念願のファーストコンサートを上海で開く機会が訪れる。それが転機となり、テレビ局の入口には少しずつ彼らを待つファンが増え、アルバムは評判を呼び、ついにはアルバム賞を獲得する。いつしか押しも押されぬスターへと成長した≪SMASH≫。そんな彼らの生活は一変し、徐々にメンバーの絆にも変化が訪れる。

『夢の向こう側~ROAD LESS TRAVELED~』
2013年6月1日(土)よりユーロスペースほか全国順次ロードショー
出演:ヴァネス・ウー、ジミー・ハン、ディーン・フジオカ、エリック・トゥー、クリス・ルン
特別出演:サモ・ハン
監督 : セブン・リー
脚本・音楽・編集 : ジミー・ハン
エグゼクティブ・プロデューサー : サモ・ハン
プロデューサー : ジミー・ハン、エリック・トゥー、ヴァネス・ウー

2011年/台湾映画/中国語/90分/35㎜/ヴィスタ/ドルビーSRD
原題:楽之路 ROAD LESS TRAVELED
©Smash and Grab Productions
配給:ワコー

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