世界最古の若返り療法アーユルヴェーダで、心身磨きPART.6~春のデトックス~

春独特の身体の浄化作用

こんにちは。アーユルヴェーダサロンMayuraのカネコです。
やっと春らしい日がもどってきましたね。
今回は、アーユルヴェーダの理論の説明から少し脱線して「春のデトックス」についてお話しをさせていただきます。

この時期、眠気やだるさ、あるいは鼻水、咳、のどの痛みを訴える方が多くいらっしゃいますが、実はこれは春に起こる身体の浄化作用です。
ではなぜこのような症状が起きるのかを、今回はアーユルヴェーダ的に解説してみようと思います。

皆さまお気づきのように、冬は何を食べても美味しいですし、食欲が増す季節です。
実はこれは自然な身体の働きで、寒い季節を乗り越えるために、きちんと食べて、身体の代謝を上げて熱エネルギーを生みだそうとするからなのです。 また冬の間は体温を逃がさないために、できるだけ体を動かさず、体内に栄養を蓄えて寒さを乗り切ろうとします。つまり、どの季節よりも、良く食べ、良く寝て、あまり動かないことになります。

さて私たちの生活に当てはめてみると、どうなるでしょう?
食欲旺盛のこの冬の時期に、クリスマスパーティー→忘年会→お正月→新年会という大きなイベントが目白押しです。食べ過ぎ、飲み過ぎの状態が1か月近く続くことになります。 もちろん身体の消化許容量を大幅に超えた食べ物や飲み物は、消化・吸収されません。余剰の消化しきれなかったものは、身体の中に未消化物として残こります。これがいわゆるアーマ(=毒素)と言われるものです。また、寒い時期は身体を動かしませんから代謝は下がったままの状態です。

しかし、冬を越えて、やがて春を迎えて気温が上昇すると、今まで固まっていた身体が緩み新陳代謝が活発になり始めます。そして緩んだ身体からは、今まで溜め込んでいた毒素(老廃物)が溶け出して体外に排出されます。

これがいわゆる花粉症に代表される鼻水や、アレルギー反応、咳などの症状です。また身体の浄化作用が行われている間は、身体が必要以上に沢山のエネルギーを使いますので、だるさや眠気を覚えることとなります。
ですから、“この時期はひどく調子が悪い!”なんて方は、冬の過ごし方を振り返る必要があります。

アーユルヴェーダでは花粉症に対して、鼻うがいや目を洗うことによって症状を緩和する方法があります。しかし、根本から治すためには身体の徹底的な毒だし(Detox)以外にはないでしょう。 またこれに並行して正しい食事を取る事もとても大切になります。

毒だしのための食事法

食事で気を付けるべき点として挙げられるのは、加工食品などの食品添加物の入った食品や、甘いもの、動物性たんぱく質、乳製品、脂肪分を摂りすぎないことです。また過度のアルコールの摂取も控えましょう。(カパのエネルギーが増悪します。)

Detoxに適している食べ物は、この時期に出てくる春野菜と山菜です。
昔から日本では、「春には苦みを盛れ」といわれていて、この時期に出てくる山菜を食べる習慣があります。 なぜならこの苦みにこそ、冬の間に身体に溜まった毒素を取り除く作用があるからです。

アーユルヴェーダでも同様に、この時期に苦味、渋味、辛味を取ると良いとされています。
辛味は消化を助けて食欲を促進させますし、身体に貯まった余分な水分及び、毒素を排泄する働きがあります。 渋みは緩んだ筋肉や組織を引き締めて行く作用があり、苦味は解毒、殺菌作用があって、毒素の排泄を促して、身体の組織や血を浄化していきます。

私たちの食卓で馴染みのある食材で言うと、辛味は生姜や、わさび、唐辛子、山椒、黒コショウ。苦味の食材は、青菜、山菜(あけび、あざみ、わらび、うど、クレソン、たらの芽、ふきのとう、ふき、せり、ぜんまい、三つ葉、たけのこ、つくし)、ウコン。渋みの食材は梅、ごぼう、青菜などがあげられます。

春こそデトックスをして、冬の間に溜まった老廃物をしっかりと体外へ出してあげましょう。毒素を身体から取り除くことにより、春先の疲れやだるさがなくなり、そしてやがて訪れる暑い夏を、元気に乗り切る身体を作ることができます。