筆跡と運命PART1~手書きの文字から人生が浮き彫りになる~

Trinity WEBの読者のみなさま、はじめまして。筆跡心理士、その他いろいろやっております秋月美南です。

筆跡から人間の深層心理を読み解くグラフォロジー(筆跡心理学、筆跡学)という学問に携わって、7年になります。

グラフォロジーは、ヨーロッパではすでに100年以上の歴史を持ち、学校や警察などの公共機関でも活用され、正規のカリキュラムに組み入れている大学もあるほどなのですが、日本ではまだまだ認知度の低い分野です。

たまにテレビでも取り上げられていますが、「浮気する人の筆跡はこれだ!」などと、面白おかしく断定してしまうパターンが多く、演出の都合などもあるのでしょうが、これでは正しく伝わらないなぁと残念に思うこともしばしばです。
そこで今回はまず、グラフォロジーの一番基本的な部分について、自分の言葉でお伝えしてみようと思います。

人間の行動の裏には、必ずその行動を促す心理が存在しています。「文字を書く」というのもひとつの行動で、筆跡は、その行動の跡が形になって残ったものです
ということは、筆跡に表れたさまざまな特徴を分析すれば、本人の心理傾向もわかるはずだという推論が成り立ちます。
これがグラフォロジーのベースにある考え方で、日本でも、数十年前から、聖徳太子の時代から現代までの膨大な数の筆跡資料をもとに検証されてきました。
しかも、その「筆跡診断」でわかるのは、心のとても深い部分。深層心理と呼ばれる部分です。

なぜなら、私たちは文字を書くとき、いちいち「この線をこう書いて、こう伸ばして」などと考えませんよね。左右の足を交互に出して歩くのと同じような感覚で、ほとんど無意識に、自動的に手を動かしています。
無意識下の私たちは深層心理に支配された状態ですから、文字を書く時も当然同じ状態になっているわけです。

この深層心理は、私たちの行動パターンを作り上げ、人生に根深く強い影響をもたらしています。ですから、筆跡を手がかりにそこを探っていくと、たとえ面識がなくても、その人の基本的な物事のとらえ方や、人との接し方、仕事への取り組み方などがわかります。

そして、「今の調子でやっていくと、人間関係や恋愛、仕事、経済状態などがどんな方向へいくか?」ということも、筆跡診断をもとに予測することができます。
もちろん、筆跡だけですべてがわかるとは言いませんが、その人の運命を知る、ひとつの有力な手がかりが得られるわけです。
もし「このままでは望む方向へ行けそうもない」とわかれば、ではどうすべきか?ということに意識が向きますね。

グラフォロジーは、もちろんそこでも役立ちます。「私は、人として女性としてこんなふうになりたい。そしてこういうことを実現したい」という希望がある方には、「では、こういう筆跡に変えてみてください」と、お手本になる筆跡を示し、アドバイスをさせていただいています。

文字の書き方を変えることで深層心理に影響を与え、行動パターンを変える。
実はこれこそが、グラフォロジーの一番「使える」部分なのです。そのメカニズムについては、また次回お話ししましょう。