皇帝も願いを託した本格的流派。「太学功」の、効果抜群なダイエット理論とは?

気功の中でも最も早く体系化された本格的流派で、その歴史は前漢の時代にさかのぼる「太学功」という流派の気功を指導する丁治紅先生。

中国の歴代皇帝は「太学功」の価値を認め、1912年清朝が滅びるまで、宮廷内で独占していました。
全てを手中におさめた皇帝でさえ熱望してやまないもの──それが不老不死でした。
太学功はそれを可能にするものと期待した皇帝たちは、太学功気功師に権力と財力を注ぎ、不老不死と子孫繁栄の研究、そして自身の健康管理をさせていたのです。

太学功の継承は、口伝のみ。
つまり書物などにその奥義が記されることはなく、数多くの気功師の中から選ばれるたった一人の気功師にだけ、いわば「一子相伝」で伝えられてきました。
その「太学功」の唯一の継承者が、丁先生なのです。

先生は、上海のご出身。
幼いころは病弱で、周囲からは「大人になるまで生きられないのでは」と心配されていたそうです。
丁先生が6歳のとき、突然、祖父の友人である気功師青雲先生(のちの師匠)が自宅を訪れ、自分とともに生活をしないかと提案されました。
ご両親は、息子が健康になるならばと、青雲先生に丁先生を託し、以来2人は山にこもって厳しい修行生活を送ったそうです。

成人後の丁先生は、上海の病院で気功医師として働き、多くの人に気功施術を行いました。
次々に病気を治す先生の噂は国内ばかりか海外にまで広まり、カナダや日本、シンガポールなど世界中から引き合いが来たそうです。
そのなかから、縁あって日本に来たのは1988年。
「氣功療法研究所」を開設して現在に至っています。

現在の丁先生は、元気はつらつ、いつも笑顔でエネルギーに満ち溢れています。
姿勢もすっきり美しく、ダイエットとも一生縁がなさそうな体型です。
いったいどんな食生活を送っているのでしょう。

「とにかく少食ですね。腹八分目と言いますが、6分目か7分目がよいでしょう。
おなかいっぱい食べて、元気いっぱいになることはありません。
食べ過ぎると、消化吸収にエネルギーを消耗し、かえってエネルギーを無駄に使ってしまうのです。
まして現代の食材は、地のエネルギーをしっかり吸収しているものが少ないので、食べた分をすべてエネルギーとして吸収できるわけではありません。無駄にエネルギーを使うよりも、少食を心がけ、無駄遣いしないほうがずっと元気でいられます」

そうは言っても、甘いものやお肉を食べたい人もいますよね。
少食など自分には無理と思う人もいるかもしれません。
大丈夫。丁先生はこうおっしゃいます。

「一日のうち、朝なら、食べたいものをどんなに食べてもいいんです。
甘いものでもお肉でもかまいません。
私もお肉などタンパク質は毎朝食べますし、甘いものも、実は大好きです。
気が充実していれば、食べ過ぎることはありません。
食べ過ぎてしまうのは、エネルギー不足を感じているみなさんの身体が、エネルギーをとり入れようとしているときなんです。
朝は身体のエネルギーが充実しており、摂取したエネルギーを日中の活動に生かすことができます。夜はそれが十分にできないので、くれぐれも控えめにしてください。」

「食」に関する太学功独自の理論はほかにもあり、それに従った食生活の改善と、簡単な気功法を実践した太学功教室にの生徒には、、10キロ、20キロのダイエットに成功した人がたくさんいるそうです。
「洋服のサイズが2サイズ落ち、買い物が楽しくなった」
「やせて若返ったと言われるのが嬉しい」と、みなさん大喜びだそう。
無理なく実践できる太学功のダイエット、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

 

丁治紅 Tei Zikou
太学功氣功療法研究所会長。1960年、中国・上海に生まれる。6歳の頃から高名な師のもとで厳しい修行を積み、中国皇帝に独占されてきた、究極の気功「太学功」を唯一、継承する。80年、太学功普及のため、「太学功研究会」を創設。道教・儒教・仏教・西洋医学・東洋医学を包括する太学功の理論をより深め、学校・病院にて指導にあたる。
88年に来日し、「太学功氣功療法研究所」を開設。「治療法がない」「経過を観察するしかない」と医師に匙を投げられた難病に悩む多くの人たちを快癒させる。また、気功法の指導、気功師の育成にも力を注ぎ、「病気にならない体づくり」「究極のアンチエイジング法」を伝えている。著書に『若返り気功術』(河出書房新社)がある。
http://www.kiko-kenkyujo.com/

 

(文・吉村千穂)