日本唯一のIAOH(国際ヒーリング協会)認定ヒーラーによるタロット鑑定体験談 PART.7

「そうですよねえ。お母様のお気持ち、息子さんに上手く伝わるといいですよね。それでは、どうしたらそのお母様の切実な思いが息子さんに伝わりやすくなるのか、その視点から考えてみましょうか」

そう言いながら私は早速、次のスプレッドにかかる。女性は落胆したような疲れたような表情で、それでも素直にカードをシャッフルしてくれた。

「ありがとうございます。それでは、お母様ご自身の今の考えを今一度、はっきりさせてみましょう。お母様ご自身の方向性を再認識することにより、それをどう息子さんに伝えていくか検討しやすくなりますので。息子さんのご性格や傾向は、一番最初に拝見していますものね。」

私は手早くカードをスプレッドしてリーディングしていく。やはりそうか、と思う要素がある。

「あの……大変申し上げにくいのですが、お母様は恋をしたいのでしょうか。今の生活が非常につまらないものに感じているご様子ですし、ご主人様に対してもどちらかと申しますと否定的な感情を持ち合わせておいでになるご様子なのですが……」

女性の顔が凍りついた。顔色も青ざめてみえる。怯えるように私を見つめる。

「多分、お母様は息子さんにご主人より良い学校に行って欲しいと強く思っておいでになるのですね。そうですね、ご主人様は声が大きく陽気でほがらかなご様子ですが、大雑把であり、少しデリカシーに欠ける要素があるようです。あ、男性という存在は女性から見ると大抵の場合、デリカシーに欠けるように見える場合があるのですけれど。そんなところが息子さんとだぶって見えてしまうのでしょうね。父親よりもっと優れた大人になって欲しい、という気持ちが強いように思えるのですが。ただ、お父さんよりも……という言い方をしてしまうと、ご主人様も立つ瀬がありませんので、そのような言い方は避けたいですね。で、ですね。お母様、恋をしていませんか?それでご主人様を否定したい気持ちが強くなり、それが息子さんへも反映してしまっているのでは……」

「恋をしてはいけないんですか?」
唐突に、でもはっきりした口調で女性は言った。

「いえ、いけないとは申しておりませんよ。そのような状況ではないかしら、と伺っているだけです。どうも、お母様の感情が息子さんへのジレンマと繋がってしまっているように思えるものですから。ジレンマ、イコール息子さんの大学附属校中学受験、と動いているように思えますが。」
女性は今までで一番大きく深い溜息をついてから話し始めた。

つづく

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