日本唯一のIAOH(国際ヒーリング協会)認定ヒーラーによるタロット鑑定体験談 PART.8

「……恋をしています。というか、気になる人が出来たんです。息子が受けた有名塾の講師です。とても親切に説明して対応して下さいました。その塾はとてもレベルが高い塾で、入塾テストがあるんです。多分、今の息子の状態ではその塾には入れないだろうなあ、と思いながらも息子のお友達も受けるだけ受けてみる、と言うので。その子のお母さんにも一緒に説明聞きに行って受けない?と誘われたものですから。それで試しに説明を聞きに行き、テストも受けてみたんです。その説明をしてくれたのが彼で。一目ぼれ、でした。こんなことがあるんだなって自分でもびっくりしているんですよ。
とにかく、彼のことがいつも頭から離れません。それなのに、あの子ったらテストをちゃんと受けなくて……また何回か入塾テストがあるので、どこかで引っかかってくれるといいんですけれど。その塾に入れたらその講師の先生にも会えると思うんです。それに、大学附属の中学に入ったら、あとはエスカレーターで自動的に進学していけるでしょ? 親の役目も終わりますよね。そうしたら、この恋を実らせたいんです。相手が彼であれば一番良いのですけれど、彼が未婚か既婚かもわからないし。ただ、こんな感情になれるなんて、今までなんとなくつまらなかった日々が嘘のようなんです。
だから、最悪、彼ではなくてもいい。恋をして自分を楽しくしたいんです。ただね、中学受験は親子面接がある学校が少なくないんですよ。だから、受験までは主人と一緒に居ないとね、息子の将来に傷がつくから。附属の中学に入学してから離婚する人って、多いんですよ。親の役割が済むから、それで構わないんですよね。入学してからの離婚は、学校側も何も言わないようですし……」

「入学してから離婚しても、学校側が何も言わないのは当然と言えば当然です。学校には法的介入権はありませんから。」

話はどうも、核心を突いたようではある。だが、この「核心」が出るまでに時間がかかりすぎた。確かに、この女性は息子の今と将来の可能性を心から心配している。それが彼女の、彼女が表面的に感じている案件である。ただ、その心配を引き起こしたものは、確かに普段の生活の中での息子さんの行動が要因であるのだが、彼女自身がどうも認識していない「今の家庭への不満と新しく芽生えた恋という感情」が一番の案件なのではないだろうか。彼女は無意識にそれを認めたくない為にいろいろな理由を息子という存在に被せてきているし、その為の理由探しを今までしてきたのではないだろうか。

突然、明るい雰囲気になった女性が今までより華やいだ声で言う。

「先生、実は私、その塾の講師の彼との恋の成り行きをみて欲しいんです。一度しか会っていないので、ひょっとしたら彼は私のことを覚えていないかもしれないけれど。まだ、お時間あります?えっとですね、まず彼が未婚か既婚か、みてくれますか?」

今までの繰り返し的な話の進め方は全く無くなり、彼女は自分から話を振ってきて、話題を進めていこうとしてきた。非常にエネルギッシュな話し方へと変化していた。

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