ディアナの写真を見ると、たくさんの乳房をもつ、グロテスクさや神秘性が複雑に入り混じったものが、感じられます。こうした神秘的なイメージと、キリスト教社会への反体制的な考え方が複雑に入り交じり、中世に迫害された、魔女崇拝や異教信仰が成り立っていました。
それらは、大地母神への崇拝、という部分で月のイメージと強く重なります。
ほかにも魔術や異端と呼ばれた信仰対象は色々ありますが、月のイメージを持つ図像が大変多いのです。
【ベラスケス「月の上に立つ聖母マリアの無原罪」 17世紀初 ロンドン・ナショナルギャラリー】
魔女狩りの流れが弱まってきた中世後期に、聖母マリア崇拝が強まり、しだいに正統なものになっていきます。
聖母マリアは月の上に立った形で描かれることが多いのですが、こうしたマリアの崇拝は、中世において弾圧された、地母神への崇拝がキリスト教に統合され、バランスを取っていったものだという捉え方もあります。
「月」は何を語りかけているのか
マルセイユタロットを見てみましょう。
【 「神々の心のタロット」に同封のマルセイユタロット「月」 神々の森神社カフェ発行 】
月は、悲しげな顔を持っています。
カードの中に人はおらず、犬と狼が不安定に空を見つめています。
そして、水の中にはカニの仲間であるザリガニがいます。
犬は、動物性や野生を表すものだと言えます。そして、ザリガニは「汚れた泥に住むカニ」であり、前に見たようにカニは生殖力を表すものです。
悲しげな野生と、汚れた泥で迫害された生殖力の図像の持つメッセージは何なのでしょうか。
月自体が悲しげであることに象徴され、中世ヨーロッパにおいて迫害された大地母神を思わせるような、悲しさや不安さが感じられないでしょうか。
私たちは、この月というカードから何を感じ取ればいいのでしょうか。
悲しさや不安さなのでしょうか。生殖力なのでしょうか。
それは、日本における月のイメージや、月とともに働く力を整理していくことで、驚くほどに深く、信じられないほどにクリアになっていくのではないかと思います。ご一緒に感じ取っていきましょう。
次回の後半に続きます。後半では、日本における「月」について検討していきましょう。
今回のヨーロッパ文化の検討で浮かび上がってきたことがよりクリアになり、新しい発見があることと思います。
【 「神々の心のタロット」の「月」 神々の森神社カフェ発行 】
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【 「神々の心のタロット」セラピスト講座風景・「神々の心のタロット」神々の森神社カフェ発行 】
日本的な意味、普遍的な意味、精神の深い部分に流れる力までをタロットから感じることは可能です。
その時、タロットの世界には「吉・凶」などといった意味を遥かに超えて、信じられないほど豊かな世界が広がります。
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占いは、自分自身の心や未来をつかむことができ、文化的な背景までを理解し、生活と人生を豊かにし、さらに身近な方々を助けることができ、そして、仕事として展開もできるような素晴らしい技能です。
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