神社カフェ発信 タロットについて Part.3 「月」前半

占いは、自分自身の心や未来をつかむことができ、文化的な背景までを理解し、生活と人生を豊かにし、さらに身近な方々を助けることができ、そして、仕事として展開もできるような素晴らしい技能です。 より多くの方に、この豊かな世界を感じ、人生と人間性の豊かさを広げて頂ければと思います。

東京新宿区 高田馬場にある、「占いカフェ 神々の森神社カフェ」からの、タロットカードについての発信です。
今回は、「月」についてです。

タロットカードは、15~16世紀のイタリアに突然現れた神秘のカード。
おそらく、現在一番知られている占いの一つですが、親しみやすそうな外見と裏腹に、使いこなすのは意外に難しかったりします。

その理由は色々あると思いますが、ひとつは、カードがヨーロッパで作られたものであり、ヨーロッパ文化を前提としないと意味が分かりにくいということがあると思います。

【神々の森神社カフェ発行「神々の心のタロット」セットの、2つの版のタロットの星・月・日】

【神々の森神社カフェ発行「神々の心のタロット」セットの、2つの版のタロットの星・月・日】

 

タロットカードには、番号順で並べると最後のほうに、星・月・太陽の天体のカードがあります。

こうした天体のカードはヨーロッパ文化のみでなく、これらの天体が持っている普遍的なイメージを感じることで、信じられないほどに豊かなものとして立ち上がってきます。
そうした普遍的なイメージに至るために、こうした天体に対する日本の精神性までを、広く感じ取っていくことが重要なのです。

 

月のイメージ

月は、文化を超えて、「意識化されない領域」「暗い力」「生殖力」などを表します。
そうした意味合いは「太陽に対する」月の特徴から来るものだと思います。

太陽は、日々の周期をつかさどり、昼の世界を作ります。
「輝きわたる絶対性」であり、世の中の明らかな部分を作り出すものだと感じられます。

PIC3

 

それに対し、月は常に形を変え、弱い光を放ち、しかしながら、女性の生理周期や海の干満は月に繋がるという、隠れた大きな力を持っているものです。
まさにそれは「意識化されない」「隠れた力」であり、「生殖力」でありました。

満月の時の月の表面の模様は、文化により、ウサギの餅つきであったりカニだったり少女であったりします。ウサギもカニも「多産」であり、少女はまさに、今後生殖を司るものです。月の表面の模様などにまで生殖力のイメージが影響していることは、文化を超えて見られる現象です。

このことは、月が「大地母神 だいちぼしん」と呼ばれる、根源的な母性、生殖の女神であるというイメージと繋がるのです。大地母神への崇拝は、世界中で見られる、大地・母性・魔術的な力・そして月への信仰の形態です。

生殖力は秘められた力であり、不思議な産み出す力です。「不思議な力を呼び起こす、直観や魔術の力・精神の力の表れ」としても、月は捉えられてきました。

 

ヨーロッパにおける月のイメージ

ヨーロッパにおける月は、キリスト教社会において「異教」と呼ばれる、迫害される対象としてのイメージがとても濃いものです。
キリスト教社会では、しばしば魔女裁判・異端審問などという形で、反対派への敵意が燃え上がってきました。

【ヨーロッパでの魔女の処刑を表す木版画・16世紀】

【ヨーロッパでの魔女の処刑を表す木版画・16世紀】

 

こうした魔女などと呼ばれた人々が崇拝した神々の中でも特に代表的なものが、ディアナ信仰と呼ばれる、大地母神への崇拝です。禁欲を重んずる中世キリスト教社会において、禁欲の逆である、生殖をつかさどる力への崇拝であると言えます。

【ディアナ神像 トルコ エフェソ考古博物館】

【ディアナ神像 トルコ エフェソ考古博物館】

 

ディアナは、大地の女神であり月の女神です。

そしてディアナ信仰は「儀式と精神の力によって豊かさをもたらし、意のままに現実を操ることができる」という魔術的な信仰をともなっています。