海に囲まれ、多くの恵みを受け取ってきた日本だからこそ、大切にしたい海の日

他にも日本人と海との関わりは、紹介しきれないほど多くありますので、今年の海の日にはそのような、海との関わりに思いをはせてみるのはいかがでしょう?
海に囲まれ、多くの恵みを受け取ってきた日本だからこそ、大切にしたい海の日

【意外と歴史が浅い海の日】

今年の「海の日は7月18日」。この日付に違和感を持つかどうかで年齢がわかったりするかもしれません。なぜなら、海の日は制定当初は「7月20日で固定されていた」からなのです。なぜ、7月20日だったのかというと、祝日になる前に制定された「海の記念日」が関係しています。

海の記念日とは、「明治時代に制定された」もの。これは明治天皇が東北地方へと巡幸した時に、軍艦ではなく汽船を利用したこと、その汽船が7月20日に横浜港についたことから制定されました。あまり、海とは関係ないような気がしますが、祝日にはならずに、あくまでも記念日として制定されたのです。

これが「平成7年に祝日として制定された」ことで、「海の日」と変わったわけです。実は、意外と「成立が新しいもの」なのです。成立から6年後に「国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律」いわゆる「ハッピーマンデー制度」が出来たことによって、現在のように7月の第3月曜日にかわりました。

日本は海に囲まれた国ですので、「様々な恵みをもたらしてくれる海の恩恵に感謝し、日本の繁栄を願うことが海の日の意義」となっています。「国土交通省」によると、平成14年の段階では、「海の日」を国民の祝日として制定している国は日本だけとのことです。

 

【弥生時代から海へと畏敬をはらっていた】

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海の日自体は、比較的近年に生まれたものですが、日本人は古くから「海を重要なもの」と考えていました。その歴史はかなり古く、最近、「弥生時代に作られた銅剣にサメの絵が刻まれていたことがわかって話題」となりました。

弥生時代といえば、今から「2000年以上」も昔ですが、その時代からサメという魚が知られているだけでなく、「神格化して信仰していた」わけです。ちなみに弥生時代の人にとってサメはかなり特別な存在だったようで、銅剣が見つかったのは、今回が初めてですが、土器や木製品はすでにいくつか出土しています。

そういった古代の人々の信仰は『古事記』からもうかがえます。有名な「因幡の白ウサギ」の神話に登場する「ワニ」とは、サメであるというのが通説になっています。海の王者ともいえるサメの力強さや、「腐りにくい肉がイメージさせる不死身性」などを考えると、「神格化されるのは当然」といえるでしょう。実際に日本だけでなく、ハワイやオーストラリアといった海に囲まれている国では、「サメの歯がお守り」として扱われているほどです。

 

【海から流れ着くものが福の神へと変わった】

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サメはかなり古代の信仰ですが、今現在までずっと伝わっている信仰もあります。JR山手線の駅名としても有名な「恵比寿」は七福神の一柱であり、幸運を招いてくれる人気のある神様ですが、実は「海と深く関係している」のです。

恵比寿とは、元々、「海の向こうからやってくる存在」を表す言葉でした。海は時として想像もつかないほど遠くから、様々なものを運んできてくれます。このような漂着物すべてをかつては「えびす」と呼んでいたのです。

漂着物の中でも、当時の人にとって最も嬉しかったものが「クジラ」。現在でも道に迷ったクジラが浜に打ち上げられたりしますが、古い時代にはクジラは、「すべてが活用出来るまさに宝物」だったのです。肉が食べられるのはもちろんですが、骨は狩猟具や装飾品に、ひげと呼ばれる部分は、ゼンマイや釣り竿、皮や油からは燃料や石鹸代わりになる油が取れました。

 

【現代も海は恵みを与えてくれる】

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このように私たち日本人は、「海から多くの贈り物を貰っていた」のです。今ではクジラやサメといった存在ではなく、「新しい資源が海からもたらされる可能性」も広がってきています。日本海には、「メタンハイドレートや天然ガス」などが眠っていることがわかっているのです。日本はこのようなエネルギー資源がほとんどない国でしたが、今年の頭に経産省・資源エネルギー庁が、日本近海にメタンハイドレートが埋蔵されている場所を「771箇所確認した」と発表しました。

メタンハイドレートとは、「メタンと水が深海で結晶化したもの」ですが、安全に取り出すことが可能になれば、「新しいガス資源になる」として期待されています。今までエネルギー資源をすべて輸入に頼っていた日本が、海からの恵みという形でエネルギーを得られるというのは、2000年以上前から連綿と続く海への信仰のたまものなのかもしれません。

他にも日本人と海との関わりは、紹介しきれないほど多くありますので、今年の海の日にはそのような、海との関わりに思いをはせてみるのはいかがでしょう?

【参考サイト】
平成14年「海の旬間」実施要領(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha02/10/100425_2_.html

表層型メタンハイドレートの資源量把握に向けた調査を行いました〜掘削調査により地質サンプルを取得〜(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/press/2015/01/20160122006/20160122006.html

Japan has received a blessing from the sea.
Various gifts from the sea.

 

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