Spiritism~おにぎりを配る意味~

私が霊的真理を学び始めた時、2つの機会を頂きました。
一つは、スピリチュアリズム(spiritualism)の学びの機会、もう一つはスピリティズム(spiritism)の学びの機会です。
スピリティズムとは、フランス人アランカルデックの著書にある高級霊からのメッセージに記された「How to live」、この世界の「法則」「仕組み」「体系」です。

ベースの部分にはキリスト教の考え方があります。
しかし、決して人間が造り上げた宗教ではなく、「イエスキリストを模範とする生き方を高級霊が改めて説明してくれた世界の仕組み」といえば、わかりやすいでしょうか。
現在でも毎週日曜日、角智織さんと日系ブラジル人のみなさんを中心とし、アランカルデックの著書を教科書にしたお勉強会が千葉県のスピリティズムセンターにて催されています。

私がスピリティズムセンターへ通い始めた頃は、ブラジル人霊媒の方による心霊手術も行われていました(残念ながら現在手術は行われておりません)。
当時と同じように、今でも勉強会の後には「パス」と呼ばれるヒーリングを受けることが出来ます。
センターでの活動の一つに、毎月最終日曜日にホームレスの人々へおにぎりや生活雑貨を届ける活動があります。

当時、闇の中で悲鳴を上げていた私はもらったチャンスを生かすべく必死で、「この1年は自分を変えるための勉強に全てをそそいで生きる」と決めました。
スピリチュアリズムの勉強会に通う傍ら、週2回のスピリティズムの勉強会と月末の奉仕活動を最優先とする生活に変えました。
食べ物、飲み物、住居、仕事、時間の使い方等、物質的な面でも霊的勉強に都合よく変えられるものは全て変えました。
全ての勉強会に参加するために勤務時間が都合よい派遣の仕事に転職し、自転車で都心に飲みに行けた便利なマンションから、ご加護があると聞いた(笑)家のガラス窓に不思議な十字架の現れるオンボロアパートへすぐに引っ越し。
おかげで家賃は3分の1になり、スピリチュアリズムのクラスへ通う月謝と交通費もしっかり確保出来ました(笑)

そんな優先順位に従って生きる中で、月末の奉仕活動にもせっせと参加していましたが、どこからか「ホームレスは自ら働かず怠惰に過ごしている人たち、怠けものだ」という声が耳に入るたびに、「そうだよね、自分が裕福なわけでもないのになぜ怠け者のホームレスに食べ物を届ける必要があるんだろう……」。
ある時は心から奉仕の喜びと共におにぎりを握り、ある時は「なぜ?」と疑問の中おにぎりを渡す日々。
自分のしている活動の理由が、自分でも100%理解できずにいました。

ある日、スピリティストセンターにいる霊媒の人に質問をしてみました。
「なんで怠け者の人たちにわざわざ食べ物を届けるの?もっと困っている人たちがいると思うのだけど」。
すると、こんな答えが返ってきました。
「彼らは絶望し、夢も希望もなく前向きに人生を考えることが出来ない環境に身を置いているけれど、温かいおにぎりを口に入れた一瞬だけは喜びを感じるでしょう? 魂が喜んだならまともな思考が出来るでしょう? 私たちは食べ物だけではなく、光とつながる事の出来る時間を配っているんですよ」。
この答えは、単に霊媒の考え方ではなく、高級霊からの答えだとすぐに理解できました。
そして、私の中で奉仕活動に対する深い理解と納得が、一瞬のうちに得られたのです。

あの頃から10年以上たった今、ホームレスがたくさんいるサンフランシスコに住んでいますが、彼らに何かを渡す時には常に「ちょっとでも光の時間が持てますよう」と祈っています。
奉仕活動の本当の意味を知ることが出来た、貴重な1年間でした。

 ▼スピリティズムセンター
http://www.spiritism.jp/jp/