愛着パターンで分かる! あの人の嫉妬深さ 〜 感情美人への道Vol.43 〜

愛着にトラブルを抱える方は、相手の言動を過剰に解釈して傷ついてしまったり、相手の感情に巻き込まれやすかったりします。また相手を過去におなじような振る舞いをした人と同一視してしまいがちです。

「恋人が他の異性と話していた」という出来事を目にしても、「ふうん」とやり過ごせる人と、烈火のごとく怒ってしまう人がいます。また、会社で同僚が先に出世すると、多少は悔しいけどそれをバネにして頑張る人と、不満をずっと根に持って、なんとか引きずり降ろそうとする人がいます。同じひとつの出来事なのに、相手への嫉妬深さは人それぞれですね。

 

どうして、嫉妬深い人とそうじゃない人がいるのでしょう?

嫉妬深さに違いが生まれる理由は、いくつか理由があります。
今回は、その中でも特に重要な「『愛着パターン』の違い」について解説していきますね。

「愛着」というのは、「人と人との絆を結ぶ力」のことで、私たちが幸福に生きていくためにもっとも大切なものと言われます。生後6ヶ月から1才半くらいまでが、愛着形成に一番大切な時期です。この間に「特定の誰か」と、密接な信頼関係を築くことが大切です(大勢の人たちが入れ替わり立ち替わり可愛がっても、健全な愛着を形成するのは難しいと言われます)。

愛着の絆が形成されると、子供は母親(愛着の相手)といることに安心感を持つだけでなく、母親がそばにいなくても次第に安心していられるようになります。

つまり、これができないと見境なく誰にでもベタベタしたりするようになります。他人に依存してしまう状態です。嫉妬深い人は、「自分と他人の線の引き方が分からない人」ですから、その根は愛着に問題を抱えているケースが多いのです。

どんな「愛着」を持っているかは人によって違います。愛着パターンはおおよそ次の3つに分かれます。

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1. 安定・自律型(secure/ autonomous)
いい記憶にも悪い記憶にも、同じ様にアクセスできるタイプです。このタイプの人は、自分と他人をしっかり区別できるので、必要以上に束縛したり嫉妬を感じたりしません。子供の約6割が、この愛着タイプを持っていると言われます。

嫉妬深い方は、次の愛着タイプの方が多いです。
2.不安型・捕われ型(Fearful / Preoccupied)
このタイプの人は、人の顔色に敏感です。また距離を取るべき関係においてもすぐにプライベートな距離にまで縮まってしまい、「親しくなること=恋愛関係・肉体関係」という事になってしまいやすいのも特徴。自分と他人の「真ん中の関係」が見出せません。

虐待やネグレクト、養育者の頻繁な交替により、特定の人への愛着が損なわれたりした人はこの傾向が強くなります。また、親から否定的な扱いや評価を受けて育った人も不安型になる恐れがあります。

愛着パターンには、さらに
3.回避型・愛着軽視型(Dismissive)
というのもあるのですが、これは2.とは逆に、人と疎遠になる行動パターンが見られます。あえて人と距離をおこうとするタイプです。

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ご自身に当てはめてみると、どの愛着パターンに当てはまりますか?

愛着にトラブルを抱える方は、相手の言動を過剰に解釈して傷ついてしまったり、相手の感情に巻き込まれやすかったりします。また相手を過去におなじような振る舞いをした人と同一視してしまいがちです。

嫉妬というのは「妄想」の一つでもあるので、その人の愛着にどんな特徴があるのか注視してみると、嫉妬深さの根っこがどこにあるのか見えてきます。

他にも、アルコールや食べ物、買い物、恋愛、性行動に依存しがちな方も愛着に問題があるケースが多く、他人にも依存しがちになってしまいます。

愛着は安心感を支える基礎でもあるので、そこが揺らぐと「自分は自分でOK」ということに確信を持てなくなってしまうのです。

嫉妬深い人は理由もなく嫉妬深いのではなく、小さいころにうまく愛着を形成できなかったのも大きな理由なのかもしれません。

参考文献
『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』 光文社 岡田尊司

 

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