「明かりをつけましょぼんぼりに、お花をあげましょ桃の花〜♪」
すでにひな祭りは終わっていますが、本来の「ひな祭り=桃の節句」は陰暦で行われるものでした。
現在、一般的に使われている太陽暦と陰暦では、ざっくりですが一ヶ月ほどの差がありますので、本来のひな祭りは4月頃に行われるわけです。
通常、桃の花が開花するのは3月下旬から4月上旬ぐらいですので、陰暦ならばちょうど桃の花が咲いた頃にひな祭り、となるわけですが、現在の暦ですと、まだ桃がつぼみにもならない時期にひな祭りとなってしまうわけです。
節句にもなるぐらいですから、桃はとてもスピリチュアルな果物です。
中国では「仙果」であると言われていて、西遊記の孫悟空が不老を得たのも、天界で供される桃を栽培する果樹園の管理を任されていたときに、そこの桃を全て食べ尽くしてしまったからなのです。
また、桃には邪気を祓う(はらう)力があるとも考えられており、道教では桃の木で作られた木剣や弓矢を使って邪気を祓ったりしますし、日本でも「伊弉諾尊(いざなぎのみこと)」が黄泉に降った時に、「黄泉醜女(よもつしこめ)」という存在から逃げるために、桃の力を借りたという話が残っています。
このように、とても強い邪気を祓う力があるとされていることから、桃の花の花言葉には「天下無敵」というものもあるほどです。可憐なピンク色の花ににあわない力強さで、桃の花は穢れを祓ってくれるのです。
そんな桃の花には、身体を浄化してくれる力もあります。
漢方では「白桃花」と呼ばれており、利尿、下剤として強いデトックス効果があります。
女性にとって、むくみや便秘は美容の大敵ということで、桃の花を使ったお茶は、美容にも良いのだそうです。
そろそろ、桃の花が咲く季節になってきましたので、しっかりと咲いた桃の花を手に入れてみてください。
飾っておくだけで、お部屋の邪気を祓ってくれますし、伝統的な「桃花酒(とうかしゅ)」を作って、体内の穢れを祓うことも出来ます。
桃花酒とは、桃の花を刻んでお酒に浮かべたもので、もともとはひな祭りに、穢れを祓い、長生きを呼び込むために飲まれていたものです。
現代では前述した季節のズレによって、その風習は廃れてしまい、甘酒や白酒にかわってしまいましたが、桃花酒のパワーに変化はありません。
桃の花を手に入れたら、その花びらをよく洗ってから、日本酒やワインに浮かべてみてください。
花びらのエネルギーが転写されたお酒は、目に美しいのはもちろん、飲むことで体内の邪気を浄化してくれるはずです。
今の季節だからこそできる、美しくてオシャレな浄化方法。
是非とも試してみてくださいね♪