Out with the old, in with the new.Part 3 ~繋げていく利他の心~

彼女のお祖母さんは人の為に尽くした人徳のあるお方なのでしょう。そしてその徳は回り回って、可愛い孫に帰ってきているのだと思います。

その昔、ハワイの大学を卒業した後に、サンフランシスコにある小さな会社で働いていた事があります。

サンフランシスコでは、年配の日系女性が住んでいたマンションの一室を間借りして住んでいました。

その女性はテルさんと言って、かれこれ30年以上アメリカに住んでいたのでした。
僕が会った時にはすでに、子どもにも結婚相手にも先立たれていて天涯孤独の身でした。生活の足しに住んでいたマンションの一室を人に貸しながら、細々とした年金を貰いながら生活していたのでした。

年の功とは良く言ったもので、彼女の言葉には何か重みがあって、聞かなければいけないような雰囲気があったのです。
「人の事を考えて、誰かの為に良い事すると、回り回っていつか必ず自分の元に帰ってくるよ。」

いつもそう言っていた彼女は、人に騙される事があっても「いいよ、いいよ」と許していました。
そして近所のボランティア活動にも積極的に足を運んで、寝たきりのお年寄りの面倒を見ていたりしていました。
そんな事をしていながら、彼女も数年後には長期の入院生活を経て他界してしまうのですが、今頃になって彼女が言っていた言葉の意味」と思えるようになってきました。

 

カリフォルニア州にあるマウント シャスタに行った時、何人かの日本の人達と食事をした事がありました。

その時の殆どの人達が初対面で、僕の正面に座った20代の女性の方も初めてお会いした方でした。
食事をして暫くして、僕は目を閉じて数分間の短い瞑想をしたのですが、その時に着物を着た年配の女性の方が頭に浮かんだのです。

淡い藤色の着物は高貴そうで、穏やかな暖かさを感じました。髪の手入れも素敵で、とても良い印象の方でした。
その方は遠ざかるように数歩歩いたかと思うと、立ち止まって、ゆっくりと振り向いて僕にこう言ったのです。

「この子に、日本に帰るように言って下さい」
そしてそう言ったかと思うと、すっと消えてしまいました。

正面に座っていた彼女に、その事を伝えたものかどうか迷ったのですが、きっと意味のある事なのだろうと思って思い切って伝えたのです。
「あなたのお祖母さんだと思うのですが、日本に帰るように伝えてくださいと言っていました。」
そう言うと彼女は少し驚いたようでしたが、事情を説明してくれました。

「実はそのお祖母さんの旦那さんが、危篤で、日本に帰ろうかどうしようか迷っていたんです」

彼女は3年もの間日本に帰っていませんでした。
そして小さい頃はそのお祖母さんに可愛がってもらっていて、今ではお祖母さんの若い頃そっくりだと言われているという事などを教えてくれたのでした。

その時の彼女は本当に困っていて、真摯に自分の人生を考えていたのだろうと思います。
そんな時に縁があって僕に出会って、メッセージを受け取ったのでしょう。

その後すぐに、彼女は日本に帰国したと聞きました。
お祖母さんの着ていた綺麗な藤色の着物を思い出す度に、「あの時、目の前に座った彼女は今頃どんな人生をおくっているのだろう」と懐かしく思います。

きっと僕がお世話になったテルさんのように、彼女のお祖母さんは人の為に尽くした人徳のあるお方なのでしょう。そしてその徳は回り回って、可愛い孫に帰ってきているのだと思います。

「誰かの為に良い事をすると、回り回っていつか必ず自分の元に帰ってくるよ」
今頃になって、テルさんが言わんとしていた利他の心が少し解ってきたように感じます。
真摯に自分の人生を考え、人の為に尽くそうとして、抱えている物を手放して自分を変えようと思う人には、必ずメッセージが来るだと信じるのです。

Rev. 上田サトシ

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