スピリチュアル系の本に登場する”Dark night of the soul”は魂の夜明け前、について……

古い我を崩すために必要な精神的にかなり苦痛、鬱の状態にも似て、先が見えないプロセス“dark night of the soul”とは?

はじめまして皆様、新しく記事を執筆するアメリカ在住のハンナです。
よろしくお願いします。

最初の記事は何にしようかなと思ったときに、頭に浮かんだのがこの言葉です。スピリチュアル系の本を読んでいると、割とよく目にする言葉です。でも、日本では多分なじみがない言葉ですよね。

程度の差はあれ、多くの人が一度は通る場所だと思います。

精神的にかなり苦痛、鬱の状態にも似て、先が見えず、どうしてよいか分からず、孤独感に苛まれたりします。
「さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる(原題:The Power of Now)」エックハルト・トールや、「神との対話(原題:Conversations with God)」ニール・ドナルド・ウォルシュ“dark night of the soul”の体験が代表的かなと思います。

エックハルト・トールによると、これまで思っていた人生の意味が崩れ、すべてが無意味に感じられ、目的も失われる状態です。誰か身近な人の死という外部の出来事によって引き起こされることもあれば、それまで積み上げ、意味を持たせていたもの、自分にとって重要でその方向が分かっていたことが、何かの理由で崩れたときに引き起こされます。

「奇跡のコース」の最初のレッスンが「この部屋で目に入るものには、何の意味もない」で、周囲にあるものを一つ一つ見ながら、これには何の意味もないと言うのですが、これは、“dark night of the soul”のミニ体験のようなものとエックハルトは言っています。
そうだったんだとちょっと嬉しくなりました。人間のマインドが勝手に意味づけして投影したことを放棄する練習です。

現実に、自分がこうだと思っていたことが崩れる経験は苦痛です。もう、何を信じてよいか分からない、どう解釈したらよいか分からないというのは、かなり恐怖です。でも、古い我を崩すには、この”dark night of the soul”をくぐり抜けるプロセスが必要なのでしょう。
エックハルトは、このプロセスが非常に苦しかったので、完全にエゴの縛りを解き放してしまい、一瞬で転換したんですよね。多分、多数はそこまで行かず、エゴを少しだけ解き放し、小さな転換を繰り返すかなと思います(自分の体験です)。

Mrianne Williamson(マリアン ウイリアムソン)も、「愛への帰還(原題:A Return To Love)」で、何度も築いてきたものが崩れ落ちた経験を語り、それは方向を変えなければいけないという導きだったとしています。土台をしっかりさせないと、その上にいくらりっぱな家を建ててもいずれ崩れてしまうから、土台ごと崩されたのは天の配慮だったと。

“dark night of the soul”のプロセスは一つの恵みと考えることもできます。
本当に苦しいときは、エゴもおごりも捨てて、もう自分より大きな力に任せるしかないと謙虚な気持ちになります。そうすると、新たな道が開けてくるものです。

さて、“dark night of the soul”は直訳すると「魂の暗い夜」ですが、それで思い出したのが「夜明け前が一番暗い」という表現です。
英語では”Things will get worse before they get better”になります。
何事もよくなる前は、一時、悪くなるように見えるんですね。