一宮千桃のスピリチュアル☆シネマレビューPART.82 「ジュラシック・ワールド」

テーマ・パーク「ジュラシック・ワールド」で、突然! 遺伝子組み換えされた恐竜が脱出!! 一人の勇敢な女性が立ち上がり立ち向かっていく。なんともスカッとする映画なのである。
一宮千桃のスピリチュアル☆シネマレビューPART.82 「ジュラシック・ワールド」

遺伝子組み換えされた最強恐竜が跋扈!
これは現実にも起こる!? 怖いリアル娯楽作!

恐竜と触れ合えるテーマ・パーク「ジュラシック・ワールド」。
そこでは恐竜の赤ちゃんと触れたり、イルカのショーみたいな恐竜ショーがあったり、サファリパークみたいに恐竜たちが闊歩する草原をカプセルに乗って廻れたりする。
大人も子供も狂喜して楽しんでいる。
そこへ秘密裏に遺伝子操作されていた大型恐竜が檻から逃亡! 人間たちを次々と食い殺していく。
ふたりの甥がパークで行方不明になり、パークのマネージャーであるヒロインは恐竜行動学の専門家である主人公とふたりの救出に向かうのだが……。

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ILM / Universal Pictures and Amblin Entertainment

これはある意味、怖ろしい映画である。
この逃げ出した大型恐竜はカメレオンと青蛙の遺伝子を組み込まれ、擬態と低体温という能力を駆使して人間たちを騙して跳梁する。
様々な遺伝子操作をされたために、高度な知性と未知数の暴力性を持つ「遺伝子組み換え恐竜」なわけだ。

遺伝子組み換えの技術は、サソリの遺伝子を組み込んだ米とか作物だけに留まらず巨大サーモンやら、光る猫とか、臓器の複製にまで及ぶ。
また、すでにクローン人間も作られているという。
少し前にこの世の生き物とは思われないようなバケモノが海岸に打ち上げられたニュースはまだ記憶に新しいと思うが、あのバケモノは遺伝子操作の失敗作のようである。
ということからも、「遺伝子組み換え恐竜」ってのも映画の中だけの話ではないのでは……? と、リアルに怖くなった次第である。

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Universal Pictures and Amblin Entertainment

リアル恐竜再現!  VFX技術の素晴らしさ!
強いヒロインに主人公も欲情!!

まあ、昨日読んだ木内鶴彦さんの「『臨死体験』が教えてくれた宇宙の仕組み」によると、たとえばティラノサウルスなら、今の地球の重力なら時速15キロで歩くのが精一杯らしい(当時彼らは時速60キロ以上の速度で移動して獲物をしとめていたという)。
だから大丈夫ってわけじゃないし、またまた遺伝子操作されて時速100キロくらいで走れる恐竜も邪悪な闇の権力者たちは作っちゃうかもしれない。
だから、単純に「わ~い!  面白い!」と楽しめないところもあったのは事実。
しかし……面白いんである。

まず、VFXが素晴らしい。
恐竜たちがリアルすぎて恐怖満載。
それに、こんなテーマ・パークあったら東京ディズニーランド負けるよ、と真剣思ってしまった。
そして、甥を助けに行くヒロインの活躍も見所だ。
主人公を助けるシーンなんて惚れ惚れ。
主人公も思わず欲情するの、解ります(笑)。

強い女のヒロインはやっぱり文句無くカッコいいのだ。

しかも彼女、最初はボブヘアのセットされた美しい髪と白いシャツとスカートとハイヒールで完璧! に登場するんだけど、恐竜とバトルを繰り広げるうちにボロボロ状態となる。
それがまた、いい感じなんである。
ハリウッド映画は近年強い女をずっと打ち出しているけど、それは女が強くなって、子供を作らなくさせようとするこれまた闇の権力の意思が働いているのだけど、単純に私たち女は見ててスカッとします(笑)。

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Chuck Zlotnick / Universal Pictures and Amblin Entertainment

我々人間の使命は「生態系を整える」こと
現代を反映する本作の裏のテーマを見逃すな!

さて、また前述の木内鶴彦さんの著書によると、私たち人間の使命は「地球の生態系のバランスを整える」ことだそうだ。
しかし、今、人間は思い上がって自分たちが一番偉いと勘違いして損得だけで動くようになり、世界を支配しようとしている。
今、生態系のバランスは崩れ、地球の環境は破壊されている。
そんなことをしているといずれ、四度目の文明崩壊が訪れるというのである。

神をも恐れぬ遺伝子操作、テーマパークという快楽のためだけの環境破壊。
それらに逆襲される本作は深い示唆に富んだ一作と言えるだろう。
ただし、何も考えずに見たらただのリアルなアトラションパニックムービーなのだけど。

最近のハリウッド映画はただ単純に面白いだけじゃなくて、どこか膿んだ部分が必ずあるので、そういう点も自分なりにチェックする視点を持つことも大事だ。
もう、現代で「単純に面白い」なんてものはないのかもしれない。
それとも、私自身の見方がそうなってしまったのか?
それは、喜ばしいことであると思おう。
なんだか、世界の傷を窺わせる、いろいろ含みがある作品であると思う。

 

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■作品名『ジュラシック・ワールド』
■監督・脚本 コリン・トレボロウ
■製作総指揮 スティーヴン・スピルバーグ、トーマス・タル
■脚本・ストーリー リック・ジャッファ アマンダ・シルヴァー
■脚本 デレク・コノリー コリン・トレボロウ
■キャラクター原案 マイケル・クライトン
■出演 クリス・プラット ブライス・ダラス・ハワード ヴィンセント・ドノフリオ、タイ・シンプキンス、ニック・ロビンソン オマール・シー イルファン・カーン B・D・ウォン
■配給 東宝東和
■125分
■8月5日(水)~TOHOシネマズ 梅田他全国ロードショー

 

 

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