約束の場所・セドナ 第3話「絶景のエアポートメサ・ボルテックス」

頂上からセドナの町並みを一望できます。

エアポートメサ・ボルテックス

パワースポットを巡るボルテックスツアーが次に向かったのは、4大ボルテックスのひとつ、エアポートメサ・ボルテックスです。セドナにはエアポートメサという山頂が平たい山があり、そこにはプロペラ機やヘリコプター、ビジネスジェットなどが離着陸する飛行場があります。その山の途中にある高さ200メートルほどの小さな山が目的地です。4大ボルテックスの中で最もアクセスが容易で、頂上まで比較的簡単に登れることから、セドナでも人気が高いパワースポットです。

駐車場には10台ほどの車が停車できますが、ツアー一行が到着した午前7時頃には、すでに多くの車が停まっていました。駐車場のすぐ脇にある入口から頂上を目指しましたが、トレイルは特に整備されておらず、岩の隙間に足を掛けながら慎重に登りました。それほど困難なトレイルではないですが、サラサラした砂地や滑りやすい岩を登るため、トレッキングシューズのようなソールに突起がある靴を履いたほうがいいと思います。

4大ボルテックスのベルロックとカセドラルロックが見えます。

頂上に登ると、目の前に広がる大パノラマに圧倒されます。そこでは大小様々な形をしたレッドロックに囲まれた景色を、360度に渡って見晴らすことができました。ディズニーランドのアトラクションのモチーフとなった、鋭い矢じりのような形をしたサンダーマウンテンがそびえ立ち、眼下には緑豊かな自然と共存した町並みが広がっています。他の4大ボルテックスであるベルロック、そしてカセドラルロックまで眺めることができ、あたかもセドナの中心に立っているかのような錯覚を抱きました。

夕日を見るために多くの人が集まります。

セドナは赤い大地がそのままヒーリングツール

私は頂上でリュックを下ろし、大の字になって寝そべりました。背中からはヒンヤリとした岩の感触と、体の芯がムズムズするような感覚が伝わってきて、まるで大地と一体化したかのような不思議な気分でした。宇宙まで透き通って見えそうな、頭上に広がる真っ青な空を眺めながら、時が経つのを忘れて大地に身を委ねました。しばらくそうしているうちに、頭の中で凝り固まっていた日常生活の悩み事が、スーッとどこかに消えていった気がしました。

ちなみに普段は汚れが気になるので、荷物を地べたに置くことは避けるのですが、セドナではなぜか荷物に赤い土が付着しても気にならず、平気で寝そべったりしました。こういった思い込みや価値観が変化する場所なのかもしれません。

セドナの夕日は涙が出るほど神秘的でした。

ツアーで訪れた後も、宿泊していたホテルから歩いていける距離だったこともあり、エアポートメサ・ボルテックスには何度も登りました。特に夕暮れ時は格別です。日中の日差しによる温もりが残る岩に腰を下ろし、山間に少しずつ沈んでいく夕日を飽くことなく眺めました。地球時間とシンクロしたような穏やかな時間、セドナの町並みが茜色に染まった瞬間を、私はずっと忘れないでしょう。

★バックナンバーはこちら