ブータンしあわせ便り第25稿「の」~「農業」

ブータンしあわせ便り第25稿「の」~「農業」

休息に近代化するブータン
物価は2倍近くに上がっている

日本も厳しい寒さを迎えています。ブータンも同じく首都などは寒さのピークです。これから2月いっぱい、寒い日が続き、3月頃から寒さが和らいできます。日本は寒さでお野菜が高騰していますが、ブータンは周辺国の安い野菜が入りますし、起伏が激しいため、暖かな場所もあり冬でも野菜の値段があがることはあまりないそうです。ただ年々、ブータンの物価は上昇しており、ブータンから日本に物を送ってもらうのですが、以前よりもすべてのものの値段が上がっています。それも1.5倍、2倍といった価格へ。近年、ブータンは急速に近代化しています。ブータンの首都にいくと、意外と物が高いと感じられるかと思います。周辺国と比較し、人件費は約8倍といわれています。

職業の50%が農業のブータン
それを広めたのは
ブータン農業の父・西岡京治氏 

さてそんなブータンで、人々が従事する職業の50%は農業です。棚田なども見られ、昔ながらの牛をつかった農耕の様子はなつかしい雰囲気です。残念ながら自給自足のイメージがあるブータンですが、野菜に関しても輸入のものが多く入ってきています。そのほかの生活用品のほとんどは輸入物で、自国で生産しているものは非常に少ないです。 ブータンの農業といえば、以前もご紹介させていただいた「ブータン農業の父」と呼ばれる日本人、西岡京治氏はその功績からダショー(ブータンの位)を国王より受けられました。西岡氏のことはブータンの誰もが知っています。実際、私は日本人ですので、ブータン人と話していると西岡氏のお話しになることがあります。特にパロ(空港のある町)の水田は西岡氏の指導が細部までいきわたり、お米の収穫量がほかの地域と比べ、同じ面積でも多く取れるのだそうです。

(そう、去年ブータンに新しい空港ができました!ブータン、車で10キロ行くのにトンネルがないので1時間はかかるのですが、なんと半日かかった行程が飛行機だとわずか20分!だそうです。まだまだ小型機ですが、なんだかブータンもドンドン変わって気がします。まあ値段がVIP設定ですので、ブータンの一般家庭の方は乗ることはできませんが、政府の方などは頻繁に乗るようです)

一握りの成功者を目指して
若者の農業離れが進む現状

ブータンのお野菜はとても大きく、しっかりしている印象を受けます。山に入ると道端で農家の方が収穫したばかりのお野菜を売っています。もちろん首都の市場で買うよりもずっとずっと新鮮!私はいつも段ボールにたくさん買い込みます。卵などもそういった地方のお店で買う方が品質も、値段もずっとずっと良いです。
首都の市場は週一回開催され、主にお野菜などの食料品が売られています。スーパーは数件ありますが、お野菜を置いているところはあまり見かけません。新鮮なものは市場で購入です。

近年、就学率が上昇したので、教育を受けた若者が農業を敬遠する傾向があるそうです。首都に出て公務員になりたい、起業したい、なんらかの職を身に着けたい……みんな思うことは同じですよね。しかしブータンには大きな産業があるわけではないので、若者の就労問題はブータンの大きな課題のひとつです。 実際、私が接する経営者で一番多い職種は……建設業です。道路、マンションなどなど。そういった人々は非常に成功しており数千万円の年収があります。マンション経営やホテル経営で何不自由ないという人もいます。だから格差は非常に大きいです。

今後30年あまりで、ブータンもまたひとつの大きな変化を迎えるような気がします。

 

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